今回はこれから渓流釣りに挑戦する方に向けて、渓流釣りで使われる独特の道具について解説します。
基本は「体にすべて身に付ける」
渓流釣りは、一目でそれとわかる独特な装備が特徴的です。
海釣りは、サーフなどを除けば陸から仕掛けを投げて魚を探りますよね。
陸から釣れれば車を近くに止めて、荷物が多くてもタックルボックスに入れて足元に置いておくことができます。
一方、渓流釣りやフライフィッシングは、川や湖に入って行う釣りです。
このため装備品を足元に置くことができず、すべて身につけておく必要があります。
身に付けるために必要最低限の機能でコンパクトになるので、独特な装備品が多くなっています。
海釣りの道具と兼用することもできますが、やはり渓流、フライ用に最適化された道具は使いやすいです。
手をフリーにすることは安全にもつながる
川に入る渓流釣りは陸っぱりの海釣りと違い、リスクが大きい釣りです。
深場に足を取られたり、川底に沈んだ流木などで転倒することは珍しくありません。
川に下りるときも、険しい岩場を歩いたり、ぬかるんだ獣道を歩くこともあり、滑落してしまう危険もあります。
そういったときに、とっさに手が使えたほうが安心ですよね。
このため、装備品はなるべく手に持たず、体に身に付けておくことが望ましいです。
タモ網
渓流釣り師が必ず持ち歩いているのが、タモ網です。
玉網やランディングネットとも呼ばれますね。
渓魚は流れに逆らって生活しているので、小さい魚でも力も強く、無理に引き抜いてキャッチしようとすると、水面で抜けてしまうこともあります。
また、餌釣りにおいてはエサになる水生昆虫を確保するためにも使用するので、多くの渓流釣り師はタモ網を携帯しています。
とくに渓流釣りでは携帯性を考えて、柄の短いものが好まれます。
水生昆虫を捕獲するには口が大きいほうが逃さずとらえるので、邪魔にならない程度に口の大きく網目の細かいものがおすすめです。
伝統的に木製のものが好まれますが、これは見た目だけでなく機能的なメリットもあります。
木製であれば水に入ったときに金属製よりも沈みにくく、万が一のときにも回収しやすいからです。
金属製であっても、しっかり落とさないようにすれば使いにくいということもなく、価格も安いのでおすすめです。
おすすめのタモ網:昌栄 鮎玉
まず購入するなら、安いものから初めて使い方を覚えるのがおすすめです。
もちろんしっかりしたものを買ってもいいのですが、魚をキャッチするときに網に針が引っかかって破ってしまうことも多いので、まず安いもので練習することをおすすめします。
鮎玉は名前のとおり鮎釣り用ですが、価格も安く、腰に取り付けて体に隠れるサイズなので渓流のタモ網としてもぴったりです。
柄を畳めるのも、荷物をコンパクトに抑えたい渓流ではありがたいですね。
ビク・クリール
渓流釣りでは、魚を釣って持ち帰る場合に一工夫が必要です。
海釣りであればクーラーボックスを用意して、なんらかの方法で魚を絞めて氷水のなかに漬けておくことができますよね。
しかし川のなかやけわしい山道を歩く渓流釣りでは、クーラーボックスを持ち歩くのは困難。
しかも危険なので避けたほうがいいでしょう。
渓流釣りで古くから獲物を持ち帰るために使用されてきたのが「ビク(魚篭)」です。
ビクは竹などを編んだカゴで、かつては魚を入れて川の浅瀬に置いておく生簀的な役割もしていました。
現在、ビクは高価格化したこともあり、あまり一般的には使われず、クリールといわれるものが主に使われています。
クリールはいわば小型の簡易クーラーボックスで、持ち歩きやすく、氷を入れて簡易的に保冷することができます。
短時間の釣行やリリース前提であれば不要ですが、軽食を持ち歩いたり山菜を取って持ち帰るときにも便利なので、ひとつ用意しておくといいでしょう。
おすすめのクリール:タカ産業 エサ箱付き渓流クリール
クリールで重要なポイントはコンパクトさと、収納性です。
タカ産業のエサ箱付き渓流クリールは幅30cm、奥行き17cmとコンパクトで、蓋部分にエサ箱もついています。
サイドポケットも広く取られており、予備の仕掛けやツールなどを入れておくこともでき、荷物をコンパクトにまとめたいときに重宝します。
エサ箱
ルアー釣りも一般的になってきたので、昨今使わない方も増えてきましたが、エサ釣りではエサ箱も渓流釣りに欠かせないアイテムです。
渓流のエサ釣りでは、クロカワムシやピンチョロなど水生昆虫を渓流で採取して使います。
魚たちが普段食べているエサを採取して使うので、とてもネイチャーな釣りですね。
こういった活餌を持ち歩くために必要なのがエサ箱です。
エサ箱にはあらかじめミズゴケを入れておき、湿らせておけば長くエサを生かしておくことができます。
かつては手返しをよくするために、首からさげる木箱が一般的でしたが、現在はプラスチック製で小型なものも多くなっています。
ルアーを使ったり、川でエサを採取せず、ブドウムシやイクラ、ミミズを購入するのであればベストのポケットに仕舞えるので、必ず必要なものではありません。
ちなみにクリールにはエサ箱兼用のものもあるので、荷物をより少なくして機動性を確保したいならそういったものが有効です。
おすすめの餌箱:ダイワ 餌箱 クールベイト3 PRO
ヒノキでできたエサ箱も、調湿効果や保冷効果が高く、見た目もいいですが少し使いにくいことも。
初心者の方におすすめなのが、ダイワのクールベイト3 PROです。
とても機能的で、ハーフトレー付きで2種類のエサを分けて入れることができます。
また、トレーの上蓋に餌を置いてそのまま針を刺せるなど、慣れていない初心者にもうれしい構造になっています。
他の釣りで使う道具と兼用できることもありますが、基本的には渓流釣り専用のものがベストです。
渓流釣りの洗練されたスタイルはかっこよくもあるので、ぜひ渓流釣り用の道具を揃えてみてはいかがでしょうか。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。