シュノーケリングとスキューバダイビング、海の世界への2つの入り口。陸上とは異なる環境で器材を使うことに最初は戸惑うかもしれませんが、一歩踏み出せば、神秘的な海の世界を覗くことができます。どちらから始めるべきか迷っている人は、この記事で両者の特徴と魅力を比較し、自分に合った海の楽しみ方を見つけてくださいね。
シュノーケリングとスキューバダイビングの基本的な違い
単刀直入にいうと、シュノーケリングは水面、スキューバダイビングは水中で景観を楽しむアウトドアスポーツです。
シュノーケリングは主にマスク・シュノーケル・フィンの3点セットを使用し、一方、ダイビングはシリンダー(タンク)と、関連器材を装着します。
その他に以下のような違いがあります。
シュノーケリング | ・ライセンスや講習が不要で気軽に水中の景観を楽しめる ・スキルに見合った場所で遊ぶよう注意が必要 |
スキューバダイビング | ・個人での潜水は禁止されておりガイドが必要なため安全性が高い ・深場の水中生物や景観、非日常環境を体験できる。 ・ライセンス取得が推奨されているが、体験ダイビングでも楽しめる |
ちなみに、シュノーケリングと混同されがちな表現が他にもあります。
スノーケリング | シュノーケリングと同じ意味 (シュノーケルはドイツ語 スノーケルは英語) |
素潜り | 潜水器材を使用せずに水中に潜ること (漁をする意味合いが強い) |
スキンダイビング | 素潜りと同じだが、マリンスポーツとしての側面が強い |
シュノーケリングの魅力と安全な楽しみ方
シュノーケリングは島国日本で親しみやすいアウトドアスポーツ。必要な器材はマスク・シュノーケル・フィンの3点セットで、各種サイズや柄が豊富に販売されています。
真夏のスポーツというイメージがありますが、1mm以上の生地厚のインナーやウェットスーツを着用すれば、1年中楽しむことが可能です。
ライセンス講習が不要なため予約の手間がない反面、スキルが合わない場所で遊んでしまうリスクも。また日本には漁業権の問題から、漁師に注意される場所も少なくありません。
安全に楽しむためには、初めての場合は経験者と行動することが大切。特にダイビングショップのプロが開催するツアーであれば、器材の使い方や水中生物の観察のコツを学べるでしょう。
近年では浅瀬での事故も多いため、ライフジャケットかウェットスーツを大人・子ども問わず必ず着用することをおすすめします。
スキューバダイビングの魅力と安全な楽しみ方
神秘的な海中景観を直接見られるスキューバダイビング。多くの器材を装着するため難しそうに思えるかもしれませんが、泳ぎの技術は必要ありません。筆者は学生時代、泳げない友人を体験ダイビングに誘ったところ、水中では誰よりも楽しんでいました。
水中でしか見れないサンゴや沈船、深場の海洋生物は、同じ場所でも天候や四季により変化するため、通年飽きることがありません。
最大の魅力は、電波が届かず、会話もできない空間で、自身の呼吸と潮の流れだけを感じる、非日常体験。筆者は仰向けで水中にずっと浮いている時間が大好きです。日常の喧騒から解放されたい人にぴったりのスポーツといえるでしょう。
ダイビングは、ショップでの体験ダイビングかライセンスコースの申し込みが必要。また、潜水後の飛行機搭乗や山越えは身体に危険を及ぼすため、インストラクターの注意事項を守ることが重要です。
初心者におすすめの始め方
シュノーケリング
初めての場合は、ダイビングショップやスポーツクラブのツアーに参加し、器材の使い方や水中生物の観察方法を学ぶことがベスト。最寄りにショップがなければ、動画サイトで学ぶのも一つの手段です。
ただし、学習後も一人での行動は避け、必ず誰かと、あるいは人がいる場所で楽しむようにしましょう。
マスクとシュノーケルだけでなく、ライフジャケットとフィンも強く推奨します。フィンは見過ごされがちですが、実力以上の推進力を生み出すため、沖に流された際や体力消耗時に非常に役に立ちます。
ダイビング
泳ぎや水が苦手な人は体験ダイビングから始めてみましょう。不安がある場合、イレギュラー発生時にパニックになるリスクがありますが、インストラクターが常に付き添うため安心です。体験ダイビングから段階を踏んで、ダイビングにハマっていく人を、筆者はたくさん見てきました。
趣味として続けたい場合は、初めからライセンスコースの受講が効率的。体験ダイビングの時間と費用がもったいないからです。初心者コースは約3日間で、合宿スタイルや日程分散型などショップによって様々です。
ショップ選びは快適なダイビングライフのために重要。価格だけでなく、スタッフとの相性はいいか、ヒアリング力はあるかなどきちんと見極めるようにしましょう。ダイビングだけでなく素敵な趣味仲間ができるきっかけにもなりますよ。
1年を通して楽しむ方法
両スポーツとも夏のイメージがありますが、実は年中楽しめます。特にスキューバダイビングは適切な装備があれば氷の下でも潜ることが可能です。
四季を通した水中景観や生物観察は、いつでも神秘的で貴重な経験を与えてくれます。ぜひ水中撮影にもチャレンジしてみてください。
もちろん季節を問わず防寒対策は必須。夏でも曇りや雨天にはウィンドブレーカーやビーチコートを持参しましょう。
1年を通して楽しむポイントは、お気に入りのショップを見つけること。初心者のうちは、自分で調べるには限界があり、自分のスキルに合った海況・環境なのかどうかの判断も難しいものです。頼れるショップがあれば、スタッフからおすすめの場所や、ツアーの情報を得られ、安全に楽しむ選択肢が増えますよ。
ライター
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マリンスポーツのジャンルを得意としたwebライター。海遊びの楽しみ方やコツを初心者にも伝わるよう日々執筆活動中。スキューバダイビング歴約20年、マリンスポーツ専門量販店にて約13年勤務。海とお酒と九州を愛する博多女です。