雪山登山をする人に、軽量で携帯しやすいツェルト泊が注目されています。しかし、氷点下のなかで長時間を過ごすため、いくつかの注意点があります。ツェルト泊の際の快適さを確保するポイントや注意点、装備を紹介するので、ぜひチェックしてください。
雪山ツェルト泊の5つの注意点
雪山でツェルト泊をするときに注意する点を5つ紹介します。ぜひ参考にしてみましょう。
- 安全な場所を選び整地する
- ペグの固定を念入りにする
- 明るいうちに保温グッズを身につける
- シュラフのなかにマットを敷く
- シュラフのジッパーはすべて閉める
①安全な場所を選び整地する
ツェルト泊をする際は、周囲の地形を慎重に確認しましょう。傾斜や風向きがきつくないかをチェックしてください。ツェルトは、テントより軽量でコンパクトです。簡易的な作りなので、暴風雪を避けられる場所へ設営するのがおすすめです。
また、雪崩(なだれ)の危険が少ない場所を選ぶことも大切でしょう。谷筋や雪の斜面は避けてください。
設営時に意識したいのは、新雪や傾斜地を念入りに整地することです。しっかりと整地することで、不快さを感じずに寝られるでしょう。不安な人は、小屋の近くからスタートすることを検討してください。
②ペグの固定を念入りにする
ツェルトを設営する際は、地中にペグをしっかりと固定しましょう。簡易的なツェルトはテントと異なり、骨組みがありません。そのため、ペグの固定が浅いと、風の影響を受けやすくなるでしょう。
風で不安定になったり、すき間から雪や雨が侵入したりするかもしれません。また、積雪が多いときには、雪の重みで崩れる可能性もあります。
ツェルト内を快適に保つだけでなく、安全性も確保するために、ペグの固定は念入りに行いましょう。なお、うまく固定できないときの解決策として、ビニール袋に雪を入れて埋める方法があります。
③明るいうちに保温グッズを身につける
雪山ツェルト泊では、日が落ちる前に保温グッズを身につけるのがおすすめです。なぜなら、薄暗いなかで荷物を探して身につけるのは効率が悪いからです。
まだ不要という場合でも、手の届くところへ必要な荷物をそろえておきましょう。また、欲しいものがすぐに見つかるように、ライトをつねに点けておくのがベストです。
狭くて暗いツェルト内では、明るいうちに保温グッズを準備するのがよいでしょう。
④シュラフのなかにマットを敷く
シュラフのなかにマットを敷いて使用するのがイチオシです。とくに、雪山では断熱性の高いマットがおすすめです。底冷えを防げるので重宝します。
さらに、マットによってシュラフ内で体が滑りにくくなるため、ぜひ試してみてください。睡眠時に体がずれ落ちる不快感や、寝心地の悪さを軽減できるでしょう。
なお、靴・携帯・バッテリー・飲み物・ガス缶・ゲイター・手袋など、凍ると困る装備もシュラフのなかへ入れておくとよいでしょう。
⑤シュラフのジッパーはすべて閉める
体温を奪われないように、シュラフのジッパーはすべて閉めましょう。雪山は、氷点下まで気温が下がる環境です。過酷な状況で一夜を明かすため、低体温症や凍傷のリスクが高まります。
危険を避けるポイントは、外気に触れる部分を少なくすることです。シュラフから出てしまう顔は、帽子やバラクラバなどでカバーするのが適しています。
寒さを感じたままでは熟睡できないため、体力の消耗につながります。保温グッズや防寒着などを活用し、快適に過ごせる環境をつくりましょう。
ツェルト泊の設営に必要な装備
ツェルト泊をするためには、道具や装備を追加で購入する必要があります。
スノーショベル | ツェルト泊の設営時、整地に活用する。 折りたためるコンパクトタイプがおすすめ。 |
フライシート | テントに重ね張りする防水シート。 ツェルトと併用すると、防水・防風対策になる。 |
ペグ | ツェルトを固定する際、地中に打ち込む杭(くい)。 40cmほどの長さの専用のペグが好適。 |
ポール | ツェルトを立ち上げ、張るときに活用する。 トレッキングポールで代用できる。 |
ガイライン | ツェルトを張るためのロープ。 サイズ調節できるものがおすすめ。 |
インナーフレーム (必要に応じて準備) |
ツェルト内にフレームを入れると、快適さや強度がアップする。 |
グラウンドシート (必要に応じて準備) |
ツェルトの床面と地面の間に敷く。 地面からの湿気を遮る。 |
インナーマット (必要に応じて準備) |
ツェルト内の床に敷くと、快適さがアップする。 |
そのほか、シュラフ・シュラフマット・ヘッドライト・防寒着・防寒対策のカイロ・レインウェアなど、必要なアイテムも準備しましょう。
おすすめのツェルトや使用方法を知りたい人は、以下の記事もチェックしてみてください。
ツェルトの選び方
雪山での宿泊に適したツェルトを選ぶ際は、以下のポイントを確認してみてください。
機能・素材で選ぶ
ハードな環境の雪山で使用するので、機能面に優れたツェルトを選びましょう。ツェルトは密閉空間で使用するため、透湿性をとくにチェックしてください。透湿性が低いものだと、ツェルト内に湿気が溜まって結露しやすくなります。
また、暴風雪のなかで使用することを想定し、防水性・耐久性の高い丈夫な素材を選択することも大切です。
サイズで選ぶ
人数や用途に合わせて選ぶのがおすすめです。おもに、小・中・大でサイズ展開しています。
1~2人でツェルト泊をするなら中がぴったりです。小は、1〜2人が座れるサイズであり、横になって眠れないので要注意です。緊急時のために、ザックに忍ばせておくにはちょうどよいでしょう。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
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