金峰山ってどんな山?
金峰山は山梨県と長野県の境に位置する標高2,599mの山です。山梨県側からは「きんぷさん」、長野県側からは「きんぽうさん」と2つの呼び名が存在します。日本百名山や新日本百名山などにも数えられ、名実ともに奥秩父の盟主といえるでしょう。
また、金峰山は花の百名山のひとつにも選ばれており、6月になると登山道ではピンク色のアズマシャクナゲが、頂上付近では淡黄色のキバナシャクナゲが見られます。
古くから信仰が盛んな山で、麓にある金櫻(かなざくら)神社は金峰山を御神体としています。金峰山頂上に鎮座している「五丈石」と呼ばれる巨岩は、ヤマトタケルゆかりの御神体として古くから大切にされてきました。五丈石は神霊が宿るとされ、登ることはできないので注意しましょう。
金峰山の紅葉情報
金峰山は日帰り登山ができる紅葉の名所です。山頂付近は森林限界のため紅葉はありませんが、登山道には美しい紅葉スポットがあります。
登山道の紅葉は9月下旬ごろから始まり、最盛期は10月上旬〜中旬ごろです。10月下旬になればカラマツが黄色く色づき、見事な黄葉が見られるでしょう。
金峰山は紅葉シーズンになると、駐車場やバスが混雑します。とくに週末の瑞牆山荘側は、車のすれ違いが困難になるほどなので、早出を心がけて出発することをおすすめします。
金峰山のおすすめ日帰り登山コース3選
金峰山で日帰り登山をするのにおすすめのコースを紹介します。秋は日が落ちるのが早いため、遅くても15時までに下山できるように行程を組みましょう。
大弛峠〜朝日岳コース
■往復タイム:約4時間30分
■難易度:★☆☆☆☆
標高差が少なく、紹介するコースの中ではもっとも短い距離で金峰山山頂へ到着することが可能です。大弛峠には40台ほど停められる無料駐車場があります。公共交通機関は、塩山駅から出発する期間限定の特急バス(土日祝限定)を利用してください。
登山道は整備されて歩きやすく、初心者でも挑戦することが可能です。最初は樹林帯がつづき、大ナギというポイントまで出ると展望が開けます。大ナギはガレ場なので足元に注意してください。
朝日岳から先は少し樹林帯がありますが、そこを抜けると金峰山へいたる美しい稜線歩きが待っています。朝日岳から歩いて90分ほどで金峰山山頂に到着です。
金峰山山頂は荘厳な五丈石や、360度の大パノラマが楽しめます。隣の瑞牆(みずがき)山の稜線や南アルプス、富士山も見られますよ。
瑞牆山荘〜千代ノ吹上コース
■往復タイム:約7時間15分
■難易度:★★☆☆☆
瑞牆山荘の近くにある登山口からスタートします。紹介するコースの中では、1番コースタイムが長いので出発時間には気をつけてください。
登山口は美しい紅葉が見られる広葉樹林帯が広がっています。50分ほど歩くと広場がある富士見平小屋前に到着するので、疲れた方は休憩していきましょう。富士見平小屋前には瑞牆山との分岐があるので間違わないように注意してください。
瑞牆山荘から先は何箇所か鎖場があるため、気をつけて登りましょう。大日小屋(無人小屋)からは急登になるので、体力を温存しつつ進むことが大切です。大日岩はビュースポットなので、休憩をしつつ景色を楽しんでくださいね。
稜線歩きが始まると、右側が切れ落ちているポイントがあります。登山道の幅は十分あるので、道を見失わないように歩きましょう。ハイマツ帯の稜線を抜ければ、金峰山山頂はすぐそこです。稜線上は冷たい風が吹く場合があるため、防寒対策もしておいてくださいね。
廻り目平キャンプ場発コース
■往復タイム:約6時間
■難易度:★★☆☆☆
登山口には廻り目平キャンプ場があり、登山前後にキャンプを楽しむ人もいます。登山口周辺はロッククライミングの聖地でもあり、紅葉と岩峰のコラボレーションを見られますよ。
コースのはじめは渓流沿いの樹林帯歩きです。廻り目平キャンプ場発コースはほとんど樹林帯ですが、さまざまな広葉樹の紅葉が楽しめます。
渓流から離れると林道が終わり、本格的な登山道になります。登山道を歩くこと約60分、金峰山山頂に到着です。
下山後に立ち寄れるおすすめの温泉施設3選
金峰山の周辺には温泉施設があります。温泉にゆっくりと入って、登山後の疲れを癒してください。ここからはおすすめの温泉スポットを紹介します。
増富の湯
増富の湯は自然豊かな増富温泉郷にあります。地下300mからくみ上げられた源泉をかけ流している温泉です。
4種類ある源泉は温度別に分かれているので、自分に合う温度で温泉を楽しんでください。併設されている花豆食堂では旬の素材をつかった料理や、山梨名物ほうとうなども食べられます。
所在地 | 山梨県北杜市須玉町比志6438 |
連絡先 | 0551-20-6500 |
公式サイト | 増富の湯公式サイト |
みとみ笛吹の湯
笛吹川上流に位置する日帰り温泉施設です。自然に囲まれた和風の建物の中に、男女別でそれぞれ内湯と露天風呂があります。やわらかい湯質をしており、肌への刺激も少ないのが特徴です。
所在地 | 山梨県山梨市三富下釜口447 |
連絡先 | 0553-39-2610 |
公式サイト | 山梨市公式サイト |
はやぶさ温泉
「甲州の鎌倉」と呼ばれる地域にある温泉です。100%源泉かけ流しの温泉を楽しめます。アルカリ性単純泉は、肌の角質を溶かしてツルツルにしてくれる美肌の湯です。お食事処では地元の新鮮野菜を使用した料理などを味わえますよ。
所在地 | 山梨県山梨市牧丘町隼818-1 |
連絡先 | 0553-35-2611 |
公式サイト | はやぶさ温泉公式サイト |
秋の金峰山へ行く服装
秋の金峰山山頂付近は、日中でも6度ほどと真冬並みの寒さです。そのため、防寒対策をした服装で登りましょう。ここからは、用意しておくべき防寒対策アイテムを紹介します。
①ダウン
ダウンは軽量ながら保温性が高く、休憩時などに役立つ防寒着です。登山メーカーのダウンはFP(フィルパワー)が高く、保温能力や軽量性に優れているためおすすめです。
②防風ジャケット(レインウェア)
金峰山の稜線上は風が強いので、防風ジャケットが1着あると便利です。レインウェアでも代用できるので、忘れずに持っていきましょう。
③フリース
フリースは起毛処理された上着のことです。中間着として使用しやすく、保温応力も高いので行動中の寒さ対策にもよいでしょう。
④手袋
手先を保温せずにいると、冷えによって動きにくくなります。金峰山は鎖場もあるので、滑り止めがついた手袋が便利ですよ。
⑤ニット帽子
頭を冷やしてしまうと、全身の冷えにもつながる可能性があります。夏用帽子とは別に、秋冬用としてニット帽子を用意しておきましょう。
※この記事の情報は2022年10月現在のものです。内容が変更する場合もありますので、最新の情報はリンク先のHPで確認してください。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
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