谷川岳登山で気をつけたいこと
気候の変化が激しい谷川岳は「厳しい岩壁の景観」と「貴重な高山植物」にあふれる山です。秋には鮮やかな彩りを添える山へと変化し、多くの人々を魅了しています。厳しい自然と、人気のある山ならではの注意点を紹介していきます。
紅葉ピーク時の混雑
年間4万人を超える登山者が訪れる谷川岳。とくに紅葉シーズン中の混雑は、予想以上と考え覚悟しておきましょう。
ロープウェイ山頂から続く「谷川岳山頂コース」は、土日や祝日になると登山者で渋滞してしまうほどです。人混みを避けて、ゆっくりと紅葉登山を楽しみたい人は、混雑を回避するコースがおすすめです。
谷川岳の紅葉時期
9月下旬~10月下旬 ※10月上~中旬が見頃
防寒対策
複雑な地形の谷川岳は、急激な気候変化が起こりやすいため、出発前の防寒対策は万全に整えましょう。
標高2,000mに満たない谷川岳は、防寒への意識が薄れがちですが、遭難者の数が多い山としても有名です。10月の最高気温が10℃を下回ることもあるので、防寒着や防寒アイテムは欠かせません。
天候や体調変化によって、すぐに着脱しやすいアイテムを揃えていきましょう。
アウター | レインウェア、ダウンベスト、ダウンジャケット |
インナー | フリース、暖かい素材の長袖 |
アイテム | 雨具、手袋、帽子、レッグウォーマー、長めの靴下 |
服装に迷ったら、こちらの記事を参考にしてみてくださいね。
「秋の登山に出かけよう!服装の選び方とおすすめコーディネート」
谷川岳の気温目安
9月 | 最高気温:14.9℃ 最低気温:7.2℃ |
10月 | 最高気温:8.9℃ 最低気温:0.9℃ |
「紅葉の谷川岳」混雑回避コース&おすすめコース
紅葉シーズン真っ盛りの山頂は、登山者の行列ができてしまいます。すこしでも混雑を避けて、ゆっくりと紅葉登山を楽しみたい人におすすめのコースを紹介していきましょう。
広大な紅葉を味わう「谷川連山縦走コース①」
紅葉シーズンの混み合う登山を避けたい人は、新潟県湯沢側コースから登りましょう。
群馬県と新潟県の県境にある谷川岳は、万太郎山、仙ノ倉山、茂倉岳などが連なっています。それらの周囲の山々をふくめて「谷川連峰」と呼ばれており、秋色に彩られた山から山へと縦走するコースは、解放感に満ちあふれています。
平標山から仙ノ倉山に向けての稜線歩き。草紅葉の草原のなかで、静かに登山のよろこびを味わえる時間です。
所要時間 | 約7時間30分 |
コース概要 | 平標山~仙ノ倉山~万太郎山 (難易度:初心者~中級者) |
アクセス | 【公共機関】 「湯沢駅」~(南越後観光バス乗換え)~平標山登山口 【車】 関越道 「湯沢IC」または「月夜野IC」~平標登山口駐車場 |
静かに登山を楽しむなら「谷川連山縦走コース②」
谷川連峰のなかでも”穴場的存在”の茂倉岳を出発点とするコースは、静かに紅葉登山を楽しみたい人におすすめのコースです。自然の姿を色濃く残す茂倉岳登山道では、錦秋のグラデーションが広がっています。
茂倉岳から一ノ倉岳への縦走コースは見晴らしがよく、視線の先には青空と流れる雲。爽快感と登山の醍醐味を感じるでしょう。
縦走登山では、ときどき振り返ってみるのもおすすめです。歩いてきた山々の山稜が遠くまで続いている光景は、言葉にしがたい美しさがありますよ。
混雑を苦手とする人は、谷川岳山頂まで歩を進めず一ノ倉岳止まりがよいでしょう。
所要時間 | 約8時間 |
コース概要 | 茂倉岳~一ノ倉岳~谷川岳 ※茂倉岳避難小屋にはトイレと水場あり (難易度:中級者~) |
アクセス | 【公共機関】 最寄り駅「土樽駅」から登山口までは徒歩約30分かかります 【車】 関越道 「湯沢IC」~茂倉新道口駐車場 |
王道の谷川岳山頂を堪能する「田尻尾根コース」
特徴のある谷川岳の双耳峰「トマノ耳」「オキノ耳」を、どうしても登りたいという人は、比較的混雑を避けられる田尻尾根コースからスタートしましょう。賑わいをみせる他のコースとは違って、天神尾根に到着するまでは込み入ることがないでしょう。
中間地点までは樹林帯が続きますが、分岐点をすぎると谷川岳山頂の双耳峰が一望できます。静かに登頂してきた分、天神尾根からの登山道渋滞は覚悟はしておきましょう。
所要時間 | 片道約4時間30分 |
コース概要 | 田尻尾根入口~天神尾根~トマノ耳~オキノ耳 (難易度:初心者~中級者) |
アクセス | 【公共機関】 「上毛高原駅」または「水上駅」~(関越交通バス乗換え)谷川岳ロープウェイ行き 【車】 関越道 水上IC~谷川岳ロープウェイ駅 |
その他の谷川岳のコースはこちらの記事を参考にしてみてください。
「登山初心者でも楽しめる絶景がある!谷川岳のおすすめ登山コース」
谷川岳下山後の楽しみ方
群馬県と新潟県にまたがる谷川岳は、下山後の楽しみ方もバリエーション豊かです。3種類の楽しみ方を紹介するので、自分にあうものをみつけてみてくださいね。
登山の余韻に浸りながら寛ぐ【水上温泉郷】
谷川岳下山後に、真っ先に立ち寄りたい水上温泉郷。点在する温泉すべてから、山と渓谷が見渡せるつくりになっています。なかでも『旅館たにがわ』は、江戸時代から湧きでている源泉で、長い間「薬湯」として愛され続けています。
「谷川岳に手が届きそう」をキャッチフレーズにしている温泉で、登頂してきた山を愛でながら寛ぐのは最高だと思いませんか?
公式サイト:旅館たにがわ
帰宅後の楽しみをお買い物【ぽんしゅ館】
米どころならではの銘酒が取り揃う『ぽんしゅ館』で、お土産を買って帰りましょう。新潟県の代表的な銘柄が選べるので、日本酒好き登山者におすすめです。
店内にずらりと並ぶ、一升瓶の個性豊かなラベルをみているだけでも気持ちが弾みます。日本酒が苦手な人は、オリジナル商品の”お酒を使ったスイーツ”も豊富にありますよ。
公式サイト:ぽんしゅ館
ガラスの美しさに魅了される【月夜野びーどろパーク】
手作りガラスの見学や体験、グラスアート美術館が併設されている『月夜野びーどろパーク』。登山後の興奮を冷ますには、繊細な美しさをみて締めくくるのもよいですよね。
谷川岳登頂の記念に、素敵なグラスを自分へのご褒美にしてみませんか?
グラスを使うたびに、谷川岳の解放感あふれる光景が思い出せるはずです。
公式サイト:月夜野びーどろパーク
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。