夏山でも低体温症になるのはなぜ?
低体温症というのは、深部体温が35℃以下になってしまった状態のこと。震えが止まらなかったり疲労感、思考の低下などの症状があります。
低体温症というと、どうしても寒い季節になると思いがちですが、意外と夏山でも低体温症になることがあります。ここでは、その理由について説明しましょう。
汗冷えで熱を奪われる
汗をかいて服が濡れたままだったり、雨で濡れても体温が奪われるため、体が冷えます。これは、液体が蒸発するときに、身体の熱を奪うため起こります。
たとえば、汗をかいてそのままでいたら、寒くなってしまったという経験はないですか?夏は暑いですし、山を登ると汗をかきますが、夏だからといってそのままでいると、いわゆる汗冷えという状態になるわけです。
夏も天候の影響を受けやすい
山の天気は変わりやすく、夏でも強風や雨、または雪になることもあります。雨や雪などの天候になると、夏でも気温が一気に下がり、強風がふくと、さらに体感温度は低くなります。
汗や雨で体が濡れている状態で、気温の低下や強風の影響を受けると、低体温症になるリスクが上がってしまうのです。
エネルギー摂取不足で体温が下がる
エネルギーが不足すると、体内で熱を作ることができないので、低体温になるリスクがあります。
登山は、思っている以上にカロリー消費が激しいのですが、たとえば行動食を忘れてしまったり、行動食はあっても疲れてしまっていると、食欲がわかなかったりする場合も。
上手にエネルギーを取ることができないとエネルギー不足になり、低体温症の原因にもなります。
低体温症になるリスクを回避するには
夏に低体温症になるリスクを回避するために心掛けておきたいことを説明しましょう。
夏だから大丈夫という安心感を捨てる
夏は気温が高いので低体温症になるなんてことは、予想もしていないという人も多いのでは?気温は、標高が1,000m上がるごとに6℃下がるといわれています。
たとえば、平地では30℃だったとしても3,000mの山では18℃気温が下がるので、頂上付近の気温は12℃前後になります。
また、風速が1m増すごとに、体感温度は1℃下がったように感じます。夏でも高山に登る場合、頂上に近づくほど気温は低く、風速10〜15mなど強風だった場合は、さらに体感温度が低くなる可能性があるわけです。
登山準備をしっかりしておく
最近は登山ブームといわれ、軽装だったり、行動食などの用意していないような準備不足の人も多いといわれます。低山なら、問題はほとんどないかもしれませんが、中、高山の場合、登山準備は大切です。
汗をかいても、しっかりと吸収して、すぐに乾くような吸汗速乾素材の服やウォータープルーフの靴、食物や飲み物、地図などの確認をしましょう。
登山向けのアパレルやアイテムは、防寒の役割も担っています。また、食べ物なども持っていなかった場合、エネルギー不足になり、体調不良の原因になることも多いので必ず持参してください。
この記事を書いた人
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
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