登山経験を重ねるほど増していく自信。しかし、それが過信となり、命取りになることも。本記事では、これから登山の難易度を上げたいと考えている方が陥りやすい危険と、万が一のために必ずダウンロードしておきたいアプリをご紹介していきます。

山で起きやすい遭難事故と対処法

山での遭難事故は、適切な知識と事前準備があれば多くの場合防ぐことができます。しかし、万が一の事態に備えることもとても重要です。

ここでは、よくある遭難事故の特徴と対策、そして遭遇した際の適切な対処法について詳しく解説していきます。

道迷い

道迷いは、よく聞く遭難原因のひとつです。慣れた山でも油断は禁物。道に迷ったら、まずは落ち着いて現在地を確認しましょう。

来た道を戻るのがセオリーですが、難しい場合は安全な場所で救助を待つことも大切です。

常に地図とコンパスを確認し、スマホのGPS機能も活用しましょう。定期的に周囲の風景や目印を確認する習慣をつけることで、道迷いのリスクを大幅に減らすことができますよ。

滑落

滑落事故は、重大な事故につながりやすくとても危険です。とくに、岩場や急斜面では細心の注意が必要。適切な装備(ヘルメット、登山靴など)の使用と、慎重な歩行が事故を防ぐ対策となります。

万が一滑落してしまった場合は、まず自身の安全を確保し、動けるようなら安全な場所に移動します。怪我をしている場合は、現在地から動かないで、スマホのGPS機能を使って救助を要請しましょう。

常に周囲の状況を把握し、無理な行動は避けましょう

低体温症

低体温症は、冬山だけの症状ではありません。なんと、夏場でも汗をかいて濡れたまま放置しておくと、低体温になってしまう恐れがあります。濡れた衣服は体温を奪いやすいので、速やかに乾いた衣服に着替えることが必要です。

また、風を遮る場所を見つけ体を温めることも重要。エマージェンシーブランケットの携帯も有効的です。予防には適切な防寒具の準備と、こまめな水分補給が効果的といえるでしょう。

震えやろれつが回らないなど、低体温の初期症状に気づいたら、すぐに措置することが命を守るためのポイントです。

万が一に備えよう!おすすめアプリ

複数人で登山する場合でも、油断は禁物。万が一仲間とはぐれてしまったら、自分たちがどこにいるのかわからなくなってしまったら…。

そんなとき、スマホのアプリが私たちの命を守る大切な味方になってくれます。ここでは、山登りで特にオススメのアプリを3つご紹介していきましょう。

オフラインでも現在地がわかる!「YAMAP」

登山における注意喚起、危険を軽減するアプリ紹介

出典:YAMAP 

このアプリの最大の特徴は、インターネット環境がなくても地図を確認できること。この機能で、事前に地図をダウンロードしておけば、電波が繋がらない場所でも現在地をすぐに把握できます。また近くの水場の場所や、目的地までの所要時間なども確認が可能です。

さらに充実した機能を利用したい場合は、年間5,700円のYAMAPプレミアムへの加入がおすすめ。

たくさんの機能を試せますが、とくにオススメなのは「みまもり機能LINE通知」。登山届の提出をせずに単独で登山する方がいます。しかし、そんなときでもこの機能があれば登山者の位置情報を共有できるので、家族や仲間も安心して帰りを待つことができますね。そのおかげで、実際に遭難者の発見につながった事例も報告されています。

参考:みまもり機能が、登山者の命を繋ぎました

さらに注目すべきは、他のYAMAPユーザーとすれ違った際に、自動で互いの位置情報を交換する点です。

注目ポイント

どちらか一方の人が電波の入る状況になったときに、すれ違った相手の位置情報もYAMAP のサーバーへ送信。その後、サーバーが受け取った位置情報は、登山者が指定した家族や友人に共有されます。

道迷いを未然に防ぐルート案内!「ヤマレコ」

出典:ヤマレコ

このアプリは、日本最大の山登りSNSから生まれたものです。他の登山者が実際に歩いた道のデータが地図上に「みんなの足跡」として表示されるため、進むべき道がわかりやすくなっています。自分が歩いた道も記録に残せるため、過去の行程を振り返ることもできるでしょう。

また、予定ルートから外れると警告音が鳴る設定のため、道迷いを未然に防げますね。

さらに、インターネット接続時に自動で現在地を家族に知らせてくれる「いまココ」という機能があるのもうれしいポイントです。

いまココ機能

「いまココ」アプリをインストールした家族に、登山開始と終了の通知のみが来ます。また、登山者の位置情報をリアルタイムで知りたい場合、アプリを開けばすぐに確認できます。もしアプリをインストールできない場合でも、登山者の「ヤマレコ」アプリ内の認証コードを事前にシェアしておけば、同様の機能が利用可能。

年間4,900円のプレミアムプランに加入すると、Webでの登山届の提出や無制限の地図ダウンロードなどが可能。月に3回以上山登りの予定があるなら、登山計画書を複数ストックできる有料プランがオススメです。

音声ガイド搭載で手軽に位置確認!「ジオグラフィカ」

登山における注意喚起、危険を軽減するアプリ紹介

参考:ジオグラフィカ

ジオグラフィカは、スマホを登山用GPSに変える優れたナビゲーションツールです。地形図をベースにしたGPS地図アプリとして高い評価を得ています。

最大の特徴は、使いやすさと高い実用性です。オンライン時に地図を表示させるだけでデータが自動保存され、特別なダウンロード操作が不要。保存した地図は、携帯電波の圏外でも問題なく使用できます。

1,900円の機能制限解除を行うと、保存できる地図のキャッシュ容量が大幅に増加し、より充実した機能を利用できるようになります。

また、音声によるガイド機能を搭載しており、定期的に現在地や標高を読み上げるため、画面を確認せずとも位置把握が可能です。

山登りに慣れてくると、山の危険性をより深く認識するようになりますよね。道迷いや滑落、低体温症などのリスクに備え、適切な対処法を身につけなければいけません。また、ここで紹介したような登山用アプリは必要不可欠な存在になりつつあります。これらを活用すれば、より安全で充実した登山の実現に近づきます。ただし、アプリへの過度な依存は避け「初心を忘れず」という言葉があるように、常に気を引き締めて山と向かい合いましょう。

ライター

pei3

1990年生まれ。海が大好きで、宮古島によくいます。幼い時からスキーを主にしたファミリーキャンプに出かけ、大学時代には川下りや登山・西表島の縦走など47都道府県に行った経験あり。

料理が好きなので、平日は食品メーカーで開発し、週末は身体に優しいマクロビオティックの食事を研究中です。食品表示検定中級・発酵食品マイスターの資格を持つ。