シャワークライミングとは
「クライミング」と言えば岸壁を自力で登っていくスポーツですが、これに「シャワー」が付いた「シャワークライミング」は、文字通りシャワーを浴びるように、水に濡れながら沢や谷など天然の岩肌を登っていくスポーツです。
登るだけでなく、思い切り水に濡れることも目的の1つです。
似たようなアクティビティに「キャニオニング」があります。
シャワークライミングが沢や岩肌を下から上に登っていくのに対して、キャニオニングは同じ沢や岩肌を上から下に下っていくスポーツです。
時には水が流れる岩を、ウォータースライダーのように滑って降りることもあります。
また、「沢登り」という言葉もあります。
シャワークライミングと沢登りとの違いは何でしょう?
沢登りは山登りの一行程です。
目的の山の頂を目指す途中で水や沢がある場合に、なるべく水に濡れることなくその場を切り抜けて先に進むための登山の一技法です。
登山においては体表面を極力濡らさず、体温低下を防ぐことが重要です。
その配慮が安全と効率的な登山につながります。
最初から水に思い切り濡れることを前提としたシャワークライミングと沢登りでは、目的とゴールが違うのです。
しかし、近年この3つの境目はあいまいになって来ています。
レジャーとしてツアーサービスを提供する主催団体によって、様々な解釈があるようです。
シャワークライミングといっても下りの要素を含んでいたり、沢登りというイベント名であっても、水に濡れることをいとわないシャワークライミングや、キャニオニングの要素を含む内容であったり、といったことはよくあります。
ツアーを申し込む時にはツアー名だけでなく、内容をよく見て、自分の希望するものかどうか見極めてから申し込むようにしましょう。
シャワークライミングの魅力
単にウォータースライダーや水に濡れることを楽しむのであれば、遊園地や大きなプールの設備でも体験することができます。
しかし、シャワークライミングの魅力は、天然の造形・自然の中で、大人が子供に帰ったように真剣に水遊びを楽しめるところにあります。
滝を登ったり、沢をロープで下ったりするので、気分は探検隊です。
まるで自分がインディージョンズかトム・ソーヤになって、冒険の旅に出るような、ワクワクした気持ちになれるのが魅力です。
シャワークライミングに適したシーズン
やはり、気温が高くなる4月から10月がオンシーズンです。
特に7月〜9月はあちこちでツアーが開催されており、最盛期となっています。
東京近郊でシャワークライミングにうってつけの場所
奥多摩や丹沢、秩父といったエリアは東京、神奈川、埼玉などの大都市から近く、電車や自家用車でも行きやすくて便利な場所です。
これらの地域は、東京近郊に住む人がシャワークライミングを試してみるには最適な場所と言えますね。
この辺りには、シャワークライミングに最適な沢や岩を備えた自然があり、距離的に都心から日帰りすることもできます。
奥多摩の森林と渓谷の美しさはとても素晴らしいです。
これが東京?と驚くような深い森と緑、そして水があります。
また、秩父の長瀞は、川の流れが比較的穏やかな場所なので、初心者やお子様、経験の少ない人でも無理なく楽しめる環境です。
水の中に生息する魚や昆虫との出会いにも期待できます。
丹沢は小田急線で新宿から容易にアクセスできるロケーションです。
沢も滝もあり、丹沢の清流の水量はちょうどシャワークライミングにぴったりな量と言われています。
初心者におすすめなのはシャワークライミングツアー参加
始めてシャワークライミングに挑戦するなら、おすすめはツアーに参加することです。
コースの難易度や面白さをツアー参加者のレベルに合せて調整していますので、慣れていない人も、慣れた人も、両者とも楽しめます。
ガイドが付き、スタートする前に注意点の説明もありますので、安全面でも安心です。
シャワークライミングに必要なツール類はレンタルすることができますので、初期費用がかからず試せるのもツアーならではのメリットですね。
お子様と一緒に楽しみたい方は親子向けのツアーもありますし、シャワークライミングだけでなく、アウトドアクッキングやキャンプも楽しめるツアーなどもあります。
こちらは滋賀県のシャワークライミングツアーですが、1泊2日で内容が濃く、シャワークライミングの真髄を体感できると好評です。
直近で開催されるので、興味のある方は思い切って新しい世界へ飛び込んでみてはいかがでしょうか。
シャワークライミングツアー費用の目安
現地集合のシャワークライミングツアーは、ツアー時間により、違いがあります。
半日のもので7,000円くらいから、昼食をはさんだ1日コースで13,000円くらいからとなっています。
シャワークライミングに必要な装備
シャワークライミングは水に濡れるので、装備は濡れてもよいもの、濡れた後に乾きやすいもの、濡れても体をなるべく冷やさないもの、滑ったり転んだりした時に体を守るもの、という観点で選びます。
シャワークライミング用の靴
水の中の石や岩には苔が生えていることもあり、滑りやすくなっています。
こういった状態の場所では通常の登山靴では対応できません。
沢を歩くのに適した素材はフェルトです。
シャワークライミング専用のフェルト底のシューズを準備しましょう。
シャワークライミング用のヘルメット
滑って転倒した時に頭を守るヘルメットを着用します。
ヘルメットは登山用のものが使えます。
水着
水の中を歩いてずぶ濡れになりますので、一番内側には水着を着ます。
ウェットスーツは体が冷えにくいので、用意できるのであれば水着よりもおすすめです。
沢用リュック
沢用リュックは水の中に入って濡れても保水しないようにメッシュ構造になっています。
重くならないので安全ですし、体力を奪いません。
ドライバッグ
濡れては困るものをリュックに入れて運ぶために必要です。
例えば昼食など。
コンビニやスーパーの買物袋でも良いですが、専用ドライバッグが防水力では信頼できます。
冷えない化繊のウェア
綿のウェアは濡れると乾きにくく、どんどん体温を奪うので決して着用してはいけません。
水着やウェットスーツの上に着るのは乾きやすく、濡れても体が冷えにくい登山用素材のTシャツ、短パンがおすすめです。
水に入った時の水抜けを重視したリバースポーツ専用のウェアもありますので、そういったものから選ぶと良いでしょう。
アフタースポーツ用着替え
シャワークライミングで使用したウェアは完全に濡れていますので、終わった後のための着替えを別に用意する必要があります。
長時間水に入った体は冷えています。
着替えには夏でも体を温めるものを持っていきましょう。
フリースやレインウェアなどがおすすめです。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。