エシカルフードとは?
倫理的な消費を意味する「エシカル(Ethical)」と、食品をあらわす「フード(Food)」。そこにはいったい、どんな関係があるのでしょうか?
すこし難しく聞こえる「エシカルフード」の謎を、紐解いていきましょう。
エシカルフードは地球や人にやさしい!
エシカルフードとは、生産者や製造環境、家畜の飼育環境などに配慮した食品を意味します。自分の欲求を満たすためだけに選ぶのではなく、地球や生産者のことも考えながら選択する食品。それがエシカルフードです。
自然に多大な影響を与えながらつくられてきた食品は、地球の温暖化などの環境問題を引き起こしてきました。一方、エシカルフードは、地産地消やオーガニック、フェアトレードなどの観点からつくられた食品です。
そのほかにも過度な生産を避け、食品ロスを減らすなどの活動からつくられる食品も、エシカルフードといえます。
世界中が注目するエシカルフード
エシカルフードへの注目は世界中で高まっています。国際貿易センターの2019 年の調査によると、ヨーロッパでは サステナブルな商品の売上げが5年間で85%増加しました。
日本では、 2016~2019年の3年間で、エシカル消費やサービスに対して、消費者の意欲が60〜80%増加しています。「エシカルなものを選びたい」という気持ちが、日本国内でも強くなっていることがわかりますね。
出典
・経済産業省「共通価値を取り込む新たな成長の要請 第2章」
・消費者庁「エシカル消費に関する消費者意識調査報告書の概要について/令和2年8月」
エシカルフードを食べるメリット
エシカルフードは、環境や社会に貢献できるだけではありません。オーガニックな食品をとることで、栄養価が高く、バランスのよい食生活を送れるのもよいところです。
エシカルフードには、肉や魚に替わる代替食品が含まれているものがあります。代替食品は栄養バランスのよさと、再現性の高さが特徴!海外では学校給食や病院食に採用されるなど、健康へのメリットが注目を集めています。
地球環境だけでなく、体にもやさしいのがエシカルフードを食べるメリットです。
エシカルフードを食べてみよう!
エシカルフードの定義は幅広いため、まずはオーガニック食品や地産地消のものを選ぶのがよいでしょう。
また、日本の大手食品メーカーも、手軽に食べられるエシカルフードを発売しています。街のスーパーやコンビニでも入手できて、売り場にエシカル商品コーナーがあるお店も増えてきました!
簡単で便利に食べられるエシカルフードとしては、以下の2つが挙げられます。
- 大豆ミート
- 代替ミルク
上記2つのエシカルフードはどのような食品なのか、具体的に見ていきましょう。
大豆ミート
大豆を使用してお肉の食感や味を再現した、植物性の代替食品です。「ベジミート」や「代替肉」とも呼ばれ、「第4のお肉」として注目されるようになりました。
味噌や醤油など、日本では当たり前のように存在する大豆食品。そんな大豆は、実はスーパーフードと呼ばれるほど栄養が豊富!食物繊維やカルシウム、鉄分などを摂取できるすぐれものなんです。
大豆ミートをつかったおすすめの商品をご紹介します。
パスタと和えるだけ!『根菜と大豆ミートのボロネーゼ』(カゴメ)
挽肉を大豆ミートで再現した、エシカルなパスタソースです。パスタの王道ボロネーゼを、エシカルフードとして温めるだけで手軽に食べられます。グラタンにしたり、野菜を加えたりして、アレンジを楽しめるのもうれしいですね。
簡単に一品ができあがるので、忙しい人や主婦の心強い味方になりますよ。
大豆で焼肉!?『NEXT カルビ2.0』(ネクストミーツ)
食感も見た目も、まるで牛カルビ!ヴィーガン対応食品で、香料や化学調味料、保存料、着色料も不使用の大豆ミートです。
普通のカルビの焼肉と比べて、脂質は半分以下とヘルシー。アスリートのプロテイン補給にもなります。冷凍食品なので、買い置きしておくのもよいですね。
挽肉を再現!『ダイズラボ 大豆のお肉 ミンチタイプ』(マルコメ)
さまざまな料理に使用できる大豆ミート!挽肉の代替品としてハンバーグや餃子につかえます。レトルトなので、湯戻しや水切りは不要です。肉感がほしい料理にサッと加えられて便利ですよ。
代替ミルク
牛乳などの動物性ミルクの代替品です。「オルタナティブミルク」や「プラントベースミルク」とも呼ばれています。畜産業の影響による気候変動を食い止める一手として、世界中の人やお店から人気を集め、成長中の市場分野です。
代替ミルクの原料は、主に大豆やオーツ麦などの植物性。地球環境への配慮はもちろん、牛乳アレルギーをもつ人々からも、牛乳の代替品として愛されています。カフェのメニューにも載っていることがあるので、ぜひチェックしてみてください。
以下の代替ミルクは、スーパーやインターネットで手軽に購入できます。
ソイミルク 『タニタ カフェ監修 オーガニック 無調整豆乳』(マルサン)
土壌に気を配ってつくられた、オーガニックなソイミルク。大豆からできるソイミルクも、代替ミルクのひとつなんです。
お店でも目にする機会が増えたソイミルクは、商品の種類が豊富ですが、以下は原材料が有機大豆のみでつくられた無調整豆乳。そのまま飲むのはもちろん、シンプルな味わいなので、料理に使いたい方にもおすすめですよ。
オーツミルク『有機バリスタ オーツミルク』(マイナーフィギュアズ)
イギリスのコーヒー専門会社がつくった、バリスタ専用のオーツミルクです。オーツミルクは、オーツ麦からできる代替ミルク。植物由来の自然な甘みが特徴です。
バリスタ専用だけあって、コーヒーに入れる代替ミルクを探している方にぴったりですね。
アーモンドミルク『有機アーモンドドリンク』(ブリッジ)
イタリアのレッシーニ山からくみ上げた、新鮮なわき水をつかったアーモンドミルク。おなじみのナッツ、アーモンドからつくられており、脂質やコレステロールが低いのが特徴です。
植物性ミルクのなかでもクセが少ないため、お菓子づくりなどにも使えます。牛乳の脂肪分が気になる方なら、ぜひチェックしてみてください。
「エシカルラベル」を売り場でチェック!
エシカルラベルとは、一定の基準をクリアした、エシカルな商品のみに付けられるラベルやマークのことです。一度は見たことがあるかもしれません。
しかし、エシカルラベルにはどのような意味があるのでしょうか?今回は、3つのエシカルラベルをご紹介します。
国際フェアトレード認証ラベル
生産者との公平・公正な取引を促進することを目指す、エシカルなラベルです。生産者へ安全な労働環境を提供する目的をもっています。また、差別や児童労働、強制労働の禁止も目指しているのが特徴です。国際フェアトレード認証された商品の購入は、発展途上国の生産者の支援につながっていますよ。
国際フェアトレード認証の対象食品には、コーヒー・生鮮果物・スパイス・はちみつ・ナッツ・お茶などがあります。手に取る商品の生産者のことを考え、応援もできるエシカルなラベルです。
海のエコラベル
MSC認証制度によるエシカルラベルです。MSC認証とは、持続可能な漁業への認証制度のこと。この海のエコラベルがつく商品は、資産・資源・環境に配慮されているのが特徴です。適切に管理されたサステナブルな漁業で獲られた、天然の水産物の証なんですよ。
過剰な漁獲や、気候変動による海への影響が問題視されるなか、売り場でエシカルなお魚が一目でわかるのはうれしいですよね。
有機JASマーク
農薬や科学肥料などの化学物質に頼らず、自然界の力で生産された農産物や加工食品、畜産物につけられます。この有機JASマークがついていないと、「有機〇〇」と商品に表示できないルールになっているんですよ。
ロゴは太陽・雲・植物をイメージし、デザインまでエシカルなマークです。