ヘチマは、意外にもプランターひとつで育てられる植物です。広い庭がなくても大丈夫。ベランダなどの限られたスペースでも、元気につるを伸ばします。この記事では、「ヘチマ栽培に興味はあるけれど、何から始めていいかわからない」という人に向けて、必要な道具や育て方の手順、栽培スケジュールなどをわかりやすく紹介します。ヘチマとともに、手の届くところから自然とつながる暮らしを始めてみませんか?

ヘチマはプランターで育てられる?家庭菜園でも始めやすい理由

ヘチマ 育て方 プランター

「ヘチマ=広い畑や庭が必要」と思われがちですが、じつは家庭用のプランターでも十分育てられます。

しかもヘチマは、暑さや病害虫に強く、こまめな手入れをしなくても元気に育ってくれる頼もしい存在。水やりと日当たりにさえ気をつければ、ぐんぐん成長していく様子を間近で楽しめます。さらに、夏には葉が茂ってグリーンカーテンとしても大活躍。窓辺の強い日差しをやわらげ、自然の力で涼しさを取り入れられるのも、ヘチマならではの魅力です。

ヘチマは初心者でも育てやすく、栽培方法はシンプル。トマトやピーマンなどの夏野菜と一緒に育てるのもおすすめですよ。

ヘチマのプランター栽培に必要なもの

ヘチマ 育て方 プランター

ヘチマのプランター栽培に必要な道具は、大きく分けて5種類。以下の道具を揃えておきましょう。

  • 大型プランター(深さ30cm以上、容量15L以上)
    ヘチマは根を深く張るため、しっかり深さのあるプランターを選ぶのがポイント。
  • 野菜用培養土
    市販の野菜用培養土が利用しやすくおすすめです。元肥入りのものを選ぶと、別で肥料を混ぜる手間が省け、手軽に始められるので便利です。
  • 肥料
    元肥が入っていない土を使うときは、植え付け時に元肥を加えるようにしましょう。成長途中には追肥も準備しておくと、より元気に育ちます。

  • 園芸店やホームセンターで、4月〜6月頃に出回ります。
  • 支柱・ネット・棚など
    ヘチマはつるが伸びるので、成長を支える支柱やネットが必要です。ベランダの柵や壁を活用するのも手軽でおすすめです。

必要なものが揃えば、すぐにでもヘチマ栽培を始められます。まずはプランターと培養土、苗を準備しましょう。元肥入りの培養土を選べば、そのまま植え付けができて手軽にスタートできます。

紹介したものはすべてホームセンターで手に入るものばかりなので、まずは道具をそろえるところから、スタートしてみてくださいね。

ヘチマの栽培スケジュール

ヘチマ 育て方 プランター

4月下旬〜6月  苗の植え付け
6月        棚作り、水やり強化
7月〜8月           開花・結実、追肥、収穫準備
9月                    収穫、たわし作りのための自然乾燥

ヘチマの苗は、4月から6月の間に植え付けるのが一番適しています。この時期に植えることで、初夏にかけて根をしっかりと張り、夏の成長期に元気に育ってくれます。

6〜7月になると、つるがどんどん伸び始めるので、支柱やネットを使ったヘチマ棚を作り、つるを誘引しながら育てましょう。特に暑い時期は、水やりも忘れずに。土が乾かないようにこまめにチェックすることが大切です。

8月は、ヘチマの花が咲き、実がつき始めるうれしい季節です。追肥をして栄養を補い、収穫に向けてしっかりと準備を進めていきます。

そして、9月には、いよいよヘチマの収穫期を迎えます。苗の植え付けから、収穫期まで約3〜5ヶ月ゆっくり焦らず、丁寧に育ててあげましょう。

ヘチマの育て方。プランター栽培での基本手順

ヘチマ 育て方 プランター

ヘチマは、苗の植え付けから収穫期まで、生育状況に合わせた手入れが必要です。難しいことはありませんが、基本の手順を把握しておきましょう。

苗の植え付け

4月下旬〜6月頃、気温が安定してきたら植え付けのタイミングです。プランターに培養土を入れ、元肥を混ぜたうえで苗を植えます。苗を複数用意した場合は、苗と苗の間は30〜40cmほどあけて植え、風通しをよくしましょう。

苗を植えたあとは、根元を軽く押さえて土としっかりなじませます。その後、たっぷりと水を与えて、根付きやすい環境を整えてあげましょう。

水やり

土の表面が乾いたらたっぷりと水をあげましょう。夏場は朝と夕方の2回、特に乾燥しやすい日は注意が必要です。水切れしないよう、こまめなチェックを心がけましょう。

特に開花期や実がなり始めた時期は、水分が不足しないよう注意を。乾燥が続くと、花や実が落ちる原因にもなります。

棚作り

ヘチマはつる性植物なので、植え付けから1〜2週間後には、支柱やネットを設置してつるを調整してあげましょう。ベランダの手すりや壁を活かして棚を作るのもおすすめです。しっかりと絡ませておけば、強風でも折れにくくなります。

つるが伸び始めたら、こまめに向きを調整してあげると、全体にバランスよく広がって育ちやすくなります。

収穫

実が大きくなり、ずっしりと重く感じられるようになったら、収穫のサインです。

食用にする場合
実が小さく、まだ若いうちに収穫するとやわらかく食べやすい状態です。収穫後はできるだけ早く調理しましょう。新鮮なうちに食べるのがおいしくいただくポイントです。

たわしにする場合
実が茶色くなり、中がスカスカになるまで待ってから収穫します。収穫後は数日間しっかりと乾燥させることで、皮がむきやすくなり、たわし作りがスムーズになります。

ヘチマのプランター栽培を成功させるコツ

ヘチマ 育て方 プランター

ヘチマを元気に立派に育て、無事に収穫期を迎えるためには、いくつかのポイントを意識しながらお世話していきましょう。

日当たりの良い場所を選ぶ

ヘチマは日光が大好きな植物です。日陰になりやすい場所は避け、よく日の当たる場所で育てましょう。

1日5時間以上の日照が確保できる場所に置くと、いきいきと育ちます。日当たりの良さは、花や実のつき方にも大きく影響するため、場所選びはとても大切です。

つるの管理も忘れずに

つるが伸び始めたら、支柱に結びつけて向きを整えてあげましょう。放っておくとつる同士が絡まり、風通しが悪くなって病害虫の原因になることもあります。

また、グリーンカーテンを作りたい人は、「摘芯(てきしん)」に挑戦してみてください。目安としては、ヘチマのつるが70cmほどに育ったころ。先端をハサミで摘み取ることで、わき芽が増え、横にも広がりやすくなります。

害虫対策をしっかり

害虫対策としては、葉の裏を中心に定期的にチェックするのがおすすめです。小さな虫のうちに見つけて対処することで、大きな被害を防げます。

「できればナチュラルな方法で対策したい」という人は、有機成分を使った防虫スプレーがおすすめ。植物にも環境にもやさしい原料で作られていて、安心して利用できます。

ヘチマを育てるために特別な技術は必要ありませんが、元気に育つためのちょっとしたサポートは欠かせません。ポイントをしっかり押さえて、ヘチマを大切に、丁寧に育てていきましょう。

ヘチマは、手の届く範囲で自然の豊かさを感じられる、身近な植物です。プランターと少しの工夫があれば、ベランダでも元気に育ち、季節の移ろいを楽しめます。ぜひこの機会に、「ヘチマのある暮らし」を日常に取り入れてみませんか?次回は、育てたヘチマを使った「ヘチマたわし」の作り方をご紹介します。初心者でも手軽に挑戦できる、簡単な方法とコツをお届けしますので、どうぞお楽しみに。
毎日の「洗う」を見直す。暮らしが変わるヘチマたわしの使い方
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AYA

ライター

AYA

静岡県出身。海と山に囲まれた自然豊かな環境で育ち、結婚後に、タイ・バンコクへ移住。病気がきっかけで、ヴィーガンのライフスタイルに目覚める。現在は、2児の母として子育てに奮闘しながら、人と環境にやさしいサステナブルな暮らしを実践中。自身の経験をもとに、ヴィーガン、環境問題、SDGsについて情報を発信している。