ラフティングは激流の「いかだ下り」。全国各地の河川で盛んに行われています。人気が高まるとともにさまざまなラフティングの業者が登場してきました。ラフティング業界が自主的に安全対策を目指す認定制度、RAJリバーガイド認定試験について紹介します。
RAJラフティング協会について
ラフティングってそもそも何?
RAJラフティング協会について解説していく前に、そもそもラフティングとは何かについて説明したいと思います。
ラフティングのラフト(raft)とは「いかだ」のことです。つまりラフティングとは「いかだ遊び」や「いかだ下り」を指す言葉です。
ラフティングは主に8人乗りのゴムボートで激流を流れ下って楽しむアウトドアスポーツ。天然のジェットコースターと呼ばれており、清流を流れ下る際の激しさとスリルが味わえます。
RAJラフティング協会ってどんな組織?
日本でもアウトドアスポーツのブームが到来して、リバーラフティングの楽しさに注目が集まるようになりました。
ラフティングは、激流の中に身を置き、五感で大自然の醍醐味が味わえるアウトドアスポーツです。
1970年代頃から世界的なブームとなったアウトドアスポーツは、自然回帰への大きなムーブメントで、その中でもラフティングは大きな役割を担っています。
しかし、営利目的のラフティングを統括する団体や行政機関が存在しておらず、適切な安全管理が行われていないという問題点が浮上してきました。
このような状況下、ラフティング事業全体が社会問題化して糾弾対象になる前に、ラフティング業界として自主的に対策を講じる必要性があるのではないかという機運が高まり、1997年5月に「RAJラフティング協会」が設立されたのです。
RAJラフティング協会は、国内で唯一の全国組織の商業ラフティングの業界団体です。
RAJラフティング協会は、加盟業者の総意にもとづいた自主規制を設け、事業者間の情報交換や研修会の実施などを通して、安全管理体制の充実をはかり、ラフティング業界全体の質を向上させていくことを目標にしています。
ラフティング業界の総意にもとづく自主規制
RAJラフティング協会は、安全なラフティングを楽しむために、ラフティング業界の総意にもとづいた自主規制を設けて次のような事業を行っています。
① リバーガイド業を行うために必要な、国内外におけるリスクマネージメント
安全管理義務に関する情報収集と研究、及びその普及と指導を行う。
② リバーガイディングを安全、円滑に行うための安全基準を設定する。
③ リバーガイディングを安全、円滑に行うための技術水準を設定する。
④ ラフティング技術の研究・普及及び指導を行う。
⑤ 同様の趣旨をもつ国内外の関連諸団体への連携を行う。
⑥ 事故防止対策の研究、及び事故調査・分析を行い安全管理を徹底する。
⑦ 公認指導員の養成及び資格認定基準を設定して的確な人材育成を行う。
⑧ リバーガイド業に関連する社会的諸問題に対して、調和をはかる役割を果たす。
⑨ リバーガイド業に関する研究会、講習会、講演会及び関連する事業の主催や後援を行う。
⑩ リバースポーツに関連する装備の研究開発、及び推薦を行う。
⑪ リバーガイド業に関わる社会的労働環境の整備保全、改善提案を行う。
⑫ 目的を達成するために必要と思われる事業を行う。
引用:RAJラフティング協会
「RAJリバーガイド認定試験」とは
「RAJリバーガイド認定試験」は、これまで何の規制もなく野放図になっていたラフティング業界の総意で設けられた認定制度です。
リバーガイドとして認定されるためには、認定ツアー会社でトレーニングを受講し、「RAJリバーガイド認定試験」に合格しなくてはなりません。
ラフティング協会では、「RAJリバーガイド認定試験」に合格して、毎年その資格を更新している者だけがリバーガイドとしてリフティングに同乗運行できると規定しています。
「RAJリバーガイド認定試験」は、学科と実技の検定を実施します。受講者全員が必ず合格するとは限りません。試験内容には以下の項目があります。
【筆記試験】
- ラフティングの基礎知識
- 指導要領と安全管理
- 救急法
- 指導者行動基準
などがあり、採点方法は100点満点中80点以上で合格となります。
【実技試験】
- 基本技術検定
- 基本指導技能検定
- レスキュー技能検定(100点満点中80点以上で合格)
【実技チェックポイント】
- ロープワーク(もやい結び・クローブヒッチ・ダブルフィッシャーマンズノット・フィギュアエイトオンナバイト)
- 装備チェック
- ロープレスキュー
- 装備説明
- パドルトーク(フォワード・スイープ・リバース・ブレーキング)
- セルフレスキュー説明
- デモンストレーション技能(フォワード・スイープ・リバース・ブレーキング・サイドスリップ)
- タイム測定
- 牽引レスキュー
- サイン
経験が問われる「シニアガイド資格」
「RAJラフティング協会」では、厳しい試験と訓練を積んできた経験豊富なラフティングガイドだけが、安全なラフティング運行の管理を行っています。
2年以上の経験を積んだラフティングガイドに限って「シニアガイド資格」が取得できます。「シニアガイド資格」は2年ごとに更新講習を受講する必要があります。
参照:RAJラフティング協会
まとめ