雪中キャンプを楽しくするポイント
雪中キャンプを楽しむためにはどうすればよいのでしょうか。雪中キャンプの経験をふまえながらポイントをまとめてみました。
雪中キャンプを楽しむポイント①暖がとれるものを持っていく
雪のなかに張ったテントでいかにあたたかく快適にすごすことができるか、そこが雪中キャンプの醍醐味です。
テントの前室で焚火をしたり、バーナーや石油ストーブを焚く、またはテント内に持ち込める薪ストーブを焚いて暖をとるなど、雪中キャンプをあたたかく快適に過ごす方法はたくさんあります。
暖がとれるおすすめ装備:ファイヤーボックス
筆者も愛用しているファイヤーボックス。調理器具としてすぐれているのはもちろんのこと、雪中キャンプでは暖房器具としても使用することが可能です。
燃えにくいムササビタープの下で調理しながら暖をとるという使用方法がおすすめ。そのへんに落ちている枝きれが即燃料になるため、燃料を持っていく手間がはぶけます。
暖がとれるおすすめ装備:ジーストーブ(G-Stove) Heat View XL
Gストーブは、ソロキャンパーの間で人気の高いキャンプ仕様の薪ストーブです。氷点下の夜もテント内は20℃近い快適な温度になります。調理をしながら、ゆらゆらと揺れる炎に癒され雪中キャンプを最高に幸せな気分にしてくれるアイテムです。
暖がとれるおすすめ装備:ピコグリル 398
あのソロキャンパー「ヒロシ」さんも愛用している焚き火台です。収納時のサイズは33.5cm×23.5cm×1cmとコンパクトになり重量は約0.5㎏と軽量。
シンプルで軽い構造をしていながら、重たい薪をのせても耐えて良く燃えるという定評があります。
雪中キャンプを楽しむポイント②雪中キャンプ用のテントを使用する
雪中キャンプでは焚火をしたり薪ストーブを使用することが多いので、火に強い素材のテントを選ぶことが大切です。
薪ストーブを使用するときには、煙突の突き出し口のあるテントを選び、焚火やバーナーを利用する場合は、燃えにくい素材のムササビタープなどを使用するようにしましょう。
基本的にどのアウトドアメーカーもテント内で、薪ストーブを使用する事自体、推奨しているメーカーはありません。
完全自己責任になっていますので、その点を注意して使用する必要があります。薪ストーブをテント内で使用する際は、一酸化炭素中毒にじゅうぶん注意するようにしてください。
雪中キャンプ用おすすめテント:テンマクデザイン ムササビウイング
焚き火のために設計されたタープテント。素材はいわゆるポリコットンとよばれるポリエステル65%とコットン35%の混紡生地です。撥水加工が施されているので雨が降っても安心して設置できます。
雪中キャンプ用おすすめテント:テンマクデザイン サーカスTC
出入り口が2カ所、ダブルファスナーのため、薪ストーブの煙突口として使いやすい構造をしています。素材も燃えにくいポリコットン製(ポリエステル65%コットン35%)です。
雪中キャンプを楽しむポイント③ぐっすり眠るための装備を整える
雪中キャンプの成否は睡眠にかかっているといっても過言ではありません。寒くて眠れない状態では、非日常的な野外活動の疲れがとれないばかりか、体温の低下で風邪をひくこともあるので睡眠の装備は大変大切です。
ぐっすり眠るためのおすすめ装備: NANGA (ナンガ) オーロラライト 750DX レギュラー
雪中キャンプでぐっすり眠るための重要なアイテムとして、まっさきに挙がるのがシュラフ。このナンガオーロラライト750DXは冬山登山用に開発されたシュラフです。
750DXというのは羽毛の量を示す単位で、約750gの羽毛が入っています。快適使用温度は-8℃、下限使用温度は-16℃です。
ナンガオーロラライトシリーズにはほかに810DX(810gの羽毛を使用)、1000DX(1000gの羽毛を使用)などがあります。
ぐっすり眠るためのおすすめ装備:サーマレスト マットレス モンドキング3D R値7.0
このサーマレストのマットはR値7.0。R値というのは冷気を遮断する能力を示す単位です。雪中キャンプでは最低でもR値6.0以上が望ましいといわれています。エアーマットではなく断熱材が入っているので、寒い夜もあたたかい状態を維持してくれます。
ぐっすり眠るためのおすすめ装備:ヘリノックス コットワンコンバーチブル
直接地面にマットを敷いた場合、地面の冷気がじかにつたわってきます。コットのようなもので少し地面から離して寝ることで地面の冷気を遮断することが可能です。
コットといえば重くてかさばるイメージがありますが、このヘリノックス コットワンコンバーチブルは、長さ70㎝ととてもコンパクトで、重さは3㎏ほどしかありません。
雪中キャンプにおける緊急時のトイレについて
野外活動ではトイレの問題にしばしば直面することがあります。施設内や近隣にある公共のトイレを使用することが基本的なマナーです。
しかし、お腹が急に痛くなることもあるので、緊急時の対応についても少し触れておきます。緊急時のトイレ対応には「携帯トイレ」と「自然の中で直接おこなう」といった主に2つの選択肢があります。
緊急時の対応①携帯トイレを使用する
施設内のトイレや公共のトイレが間に合わなかった場合を想定して、携帯型トイレを持参しておくと便利です。排泄物は持ち帰って自分で処理すればよいので、だれにも迷惑をかけず環境にもやさしいトイレです。
緊急時の携帯トイレ:小久保工業所 緊急簡易トイレ (10回分)
排せつ物の最終的な処分まで考えて設計されている簡易トイレ。高い消臭力と凝固力を持つ人気の高い携帯トイレです。
緊急時の対応②自然の中で直接おこなう
緊急時のトイレ対応については、登山家の間では常識かもしれませんが、一般的にはあまり知られていないようです。やむを得ない野外での排便は、地面に深さ10㎝ほどの穴を掘っておこない埋めもどします。
お尻をふいた紙は持ち帰るのがマナーです。こちらの「Mr SYU」さんの解説がわかりやすいので参照させていただきました。
以下で紹介する伊沢 正名氏によると約1カ月で微生物が分解して跡形のない状態になります。
ヤマケイ文庫 くう・ねる・のぐそ 自然に「愛」のお返しを
自然の中での排せつを推奨している伊沢 正名氏が執筆している本。自身の土地に排せつをおこない、どのくらいの深さに埋めたらより早く微生物によって分解されるのかを、わかりやすく写真で解説しています。