EPSリペアの注意点
PU素材のボードに使用する樹脂は、EPS素材のボードには使用できません。EPSは繊細なので、素材に合わない樹脂をつかうとフォームが溶けてしまいます。
試しにEPSフォームの切れ端にPUボードで使用するレジンに硬化剤を入れた状態で塗ってみた画像がこちらです。
自分の愛用するサーフボードが、こんな風になってしまっては大変です。
この記事では、そんなことにならないよう正しい手順をご説明いたします。
EPSリペアで用意するもの
PU同様、修理方法によって異なりますが、
- ソーラーレジンセット
- エポキシ樹脂セットとガラスクロスとサンドペーパー(80番、120番、240番)
どちらかを用意しましょう。
ソーラーレジンを使用した修理方法はPUボード同様ですので、詳しくはそちらをご覧ください。
ソーラーレジンを使用する際も、フォームが露出するような傷に対して、多く樹脂を塗ってしまうとフォームが溶けてしまうことがあるので少量ずつ使用しましょう。
この記事ではエポキシ樹脂を使用した修理方法をご説明いたします。
エポキシ樹脂でEPSリペア方法
今回使用したのはDECANTのエポキシレジンセットと4ozガラスクロスです。
PUで使用する樹脂と違って、エポキシ樹脂はA液とB液を2:1の分量で混ぜることで硬化する樹脂です。
分量が違うとうまく硬化しなかったり、必要以上に熱をもってしまったりするので計量スプーンなどを使って正確な分量で混ぜるようにしましょう。
樹脂とクロスの使用方法に関してはPUボードと同じ要領で大丈夫です。
①サーフボードの傷のまわりをサンディングします。
②ガラスクロスに樹脂をしみこませながら、傷よりも大きめに貼り付ける
③数時間立つと硬化するので、かるくサンディングして樹脂だけを追加で塗る
④最後に240番から400番ぐらいで面を整えれば綺麗に仕上がります。
エポキシ樹脂の注意点
PU樹脂と違い配合の分量に注意するのはもちろん、いくらエポキシ樹脂とはいえ使う樹脂の量を一度に多く使うとフォームを溶かす可能性があります。
PUフォームのボードの修理では、大きめの傷に対してマスキングテープなどを使って樹脂を溜めたりしますが、市販されているエポキシ樹脂でそのような修理をするとフォームを溶かします。
市販のエポキシ樹脂のセットで樹脂を溜めるような工程はしないようにしましょう。
また、硬化させるときの気温にも注意しないといけません。推奨されているのは20~25℃前後の温度で硬化させるのが理想です。
冬場の低い気温だとゲル状になるだけで完全硬化しません。
冬場は硬化させる工程の時だけ暖房を効かせた室内でおこなったり、硬化させる前の樹脂をドライヤーなど使用して温めたりするとといいでしょう。
塗装されたモールド系ボードEPSリペア方法
モールドボードとは型で形成する量産型のサーフボードで、サーフテックやプレセボのような表面塗装がされているサーフボードの事です。
そういったモールドボード系も芯材はEPSの場合がほとんどで、修理ももちろんエポキシ樹脂を使用しないといけません。
モールド系でも上記でご紹介した修理の流れとなります。
その後、表面の塗装をおこないます。
セルフリペアの塗装では、コストを押さえられるので安価なラッカースプレーがおすすめです。
できるだけボードの色とあっている塗料を塗った後は、クリアのラッカースプレーを吹いておくと塗料が取れにくくなります。
塗料硬化後は、コンパウンドなどで磨いて光沢を出すと見た目も綺麗に仕上がります。
EPSボードの大きな修理箇所は専門店へ
エポキシ樹脂での修理はデリケートな部分が多くPUボードと比べると正直面倒です。
ですので、大きめの箇所の修理は専門にお任せるのが間違いないです。
筆者も過去にEPSボードの修理のフォームを溶かしてしまったり、予想よりも時間がかかったりと苦労した経験があります。
手間もかかるだけに、専門店にお願いすると高額な修理になる場合もありますが、手間とボードがだめになってしまうリスクを考えると、大きい修理箇所はお願いしたほうが無難です。
サーフィンの最中に修理したい場合は?
サーフィンをしている最中に、ちょっとした傷や割れが生じることもあるでしょう。サーフボードが破損した場合はサーフィンを中断し、修理に出したり、自宅で修理するのが1番ですが、その場で応急処置をとりたいときもあるかもしれません。
その場合には、補修テープを使って修理することをおすすめします。粘着力が強く、耐水性の高いテープを使えば、当日中に限って問題なく使える場合があります。
こちらの記事では、登山やアウトドアで役立つ強力補修テープ「ウルトラハードパーフェクトテープ」を紹介しています。ぜひご確認ください。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。