愛車を冬のトラブルから守るには?
冬の、それもスキー場があるエリアでは、想像以上の寒さや積雪量があります。雪や寒さだけでなく、氷柱や霜に吹雪といった厳しい環境は、車に大きな影響を与えます。
ここでは、雪道ドライブの往復だけでなく、雪国ならではの車の管理方法と、厳冬期のトラブルから愛車の守り方についてご紹介します。
雪に負けない駐車のコツ
スキー場やホテルの駐車場で、いつものように車を停車すると思わぬトラブルに巻き込まれることがあります。
たとえば、建物の近くに停めた場合、屋根から車に落雪することがあります。落雪には凍って塊になった雪や、氷柱を巻き込むこともあり車が傷つく可能性が大です。
そのため、豪雪地帯ではなるべく建物から離しての駐車をおすすめします。
また、駐車するときは、車の向きにも注意が必要で、できるだけ助手席側やリヤを風上に向けて停車します。これは、エンジンルームのバッテリーを保護するとともに、運転席側のドアが凍結しにくくするためです。
ワイパーは立てるの?立てないの?
寒さの厳しい時期に、ワイパーを立てて停める車がありますが、これはワイパーとウィンドウの凍結防止に有効な手段です。
また、雪国では、積もった雪の重みでワイパーが折れることがあるので、駐車時はワイパーを立てます。しかし、リヤワイパーに関しては、車のボディ形状と積雪量によって状況が変わります。
ハッチバックやワゴンのように、リヤウィンドウが傾斜している車は、雪の重みがかからないようリヤワイパーを立てますが、一晩に50㎝もの大雪が降るような場合は要注意です。
じつは、湿り気の多い雪は固まりやすく、降雪量が多いと立てたリヤワイパーやリヤウィンドウと雪が一体化します。翌朝、天気が回復して気温が上がると、大きな雪塊の重みがリヤワイパー一点にかかり折れてしまうのです。
その防止策は、車を停めるとき粘着テープでリヤワイパーをウィンドウに固定する方法がおすすめです。
車の凍結防止策
駐車時に、とくに夜間はパーキング(サイド)ブレーキをかけないようにします。
パーキングブレーキをかけると、ワイヤーが引かれブレーキが作動しタイヤがロックされますが、ボディ下のワイヤーに溶けた雪や水分が付着していると、夜間の冷え込みでワイヤーが凍り付きブレーキが解除できなくなります。
パーキングブレーキをかけないで駐車する方法は、平坦な場所を選び、AT車は「P」にシフトし、MT車は、1速(下り坂はR)にシフトして、タイヤ止めを使用して車を固定します。
ウィンドウやミラーの曇り防止策
雪道ドライブで、外気温が低下すると車のウィンドウが曇ることがあります。そこで、暖かく湿度の高い車内の空気が、冷たい外気にさらされているウィンドウの内側で結露したときの防止策をご紹介します。
まず、フロントウィンドウは、エアコンのデフロスタースイッチをオンにして乾燥した温風を当てて曇りを除去します。リヤウィンドウも、同様にリヤデフォッガーの熱で曇りがとれます。
それでも曇りがとれない場合は、ウィンドウを開けて車内の空気を乾燥した外気と入れ換えます。
また、空気中の水分はホコリに付着して曇りの原因になるので、ウィンドウ内側をきれいに磨いておくと曇りにくくなります。
ドアミラーに、水滴や雪が付着しやすい場合は、ミラー表面にウィンドウ用撥水コーティング剤を塗布して磨くと、水滴をはじき雪が付着しにくくなります。
雪道ドライブのコツ
雪道のドライブテクニックは、「雪道ドライブテクニック編」でご紹介しましたが、ここではスキー場の往復で「知らないと損するコツ」についてお伝えします。
こちらも合わせてご覧ください。
走行プランの立て方
雪のない道路でも、思わぬ渋滞に巻き込まれ到着時間を読み間違えるものです。一般的に、郊外の一般道の走行時間は平均時速30㎞/h、高速道路は80㎞/hとして計算します。
これに、休憩時間を加えますが、雪道の場合は3割から5割増しの所要時間と考え、時間に余裕のある走行プランを立てます。
とくに、金曜日の夜や土日は、スキー場の往復路で道路渋滞は激しくなるため、休憩時間を含めてゆとりのある走行プランを立てます。
カーナビに道案内お任せで大丈夫?
カーナビ装備の車が多くなっていますが、カーナビに道案内を任せきりで過信するのは禁物です。カーナビは、渋滞や通行止め情報を伝えてくれますが、急な上り坂など道の状況までは教えてくれません。
それに雪道ドライブでは、冬季閉鎖の道路もあるので道案内も注意が必要です。走行プランを立てるとき、事前に道路交通情報をチェックして、ルートの下調べを済ませておきます。
また、カーナビは、渋滞時に抜け道情報を伝えてくれますが、降雪時は道幅が狭くなり走行しにくくなることもあります。雪道に不慣れなうちは、除雪される幹線道路メインで走行しましょう。
仲間同士の事故を防ぐグループ走行のコツ
スキーやスノボに仲間と複数台で行くときは、グループで安全走行するコツがあります。先頭の車は、グループの中で雪道ドライブの経験者で、道を知っている人が向いています。
そして、後続車の様子に気配りでき、落ち着いて運転できるドライバーがおすすめです。2番目は、雪道ドライブの経験が浅い人が続きます。
ただし、先導車との車間距離を詰めすぎないように心がけます。
グループの最後尾は、もっとも雪道ドライブの経験豊富で、運転のうまい人が走行します。つまり、運転のうまい車で慣れないドライバーをはさんで走行し、サポートする体制です。
また、スタートする前に、全員で以下の取り決めを確認します。
・黄色の信号は無理しないで停車する
・先頭車は後続車と離れたら安全な場所で待つ
・最後尾は遅れた車をバックアップする
・合流してくるほかの車を妨害しない
・次の集合場所を決めておく
この取り決めで、はぐれた場合の対処方法や次の集合場所を決めておけば、グループ全員の心理的な余裕となり、全体の安全につながります。
雪道ドライブのベストドライビングポジション
雪道ドライブは、的確で機敏な運転と視界を広くとって走行します。そのために、以下の正しいドライビングポジションを確認しておきます。
- 座面の奥にお尻を押し込み、ペダルを踏み膝が少し曲がる程度にシート位置を調整する。
- シートリフターで、座面の高さを調整して良好な視界を確保する。
- シートは、ハンドルの上部を握り、シートに背中を強く押しつけて肘が軽く曲がる程度に角度調整する。
- ハンドルを、すべてのメーター類が見える高さと奥行きに調整する。
- ルームミラーはリヤウィンドウが一番広く見えるように、またドアミラーはボディの一部と地平線より下が2/3くらい見える角度に調整する。
このポジションを、きついと感じたらふだんの運転姿勢で楽をしている証拠です。
雪道ドライブは、急で強い横風やわだちでハンドルをとられることがあります。力を込めたハンドル操作が可能な、正しいドライビングポジションで雪道ドライブをしてください。
帰り支度のコツ
スキーやスノボを楽しんだあとは、渋滞にあわないように早く出発したいと考えるものですが、帰路の安全走行のための帰り支度のコツをご紹介します。
車に積もった雪はすべて落とす!
駐車中に、車に雪が積もった場合、ボディやウィンドウの雪をすべて落とします。
車に雪を載せたまま、雪を落としながら走行する車を見かけますが、後続車に危険がおよぶためボディの雪はかならず落とすよう心がけてください。
とくにルーフの雪は、信号などで車が停車したときや発進時の勢いで滑り落ち、ワイパーを破損することがあります。
また、雪下ろしするとき、ヘッドライトやテールランプ、ドアミラーに付着した雪や霜も確実に除去します。
車は温めてから走行する
厳冬期にエンジンをかけないまま数日経つと、バッテリー性能が低下している可能性があります。
そこで、ヘッドランプをはじめ、ルームランプやエアコン、カーオーディオなど、すべての電気系統のスイッチをオフにしてからエンジンをかけます。
エンジンがかかったら、アクセルを少し踏み回転を上げたのち、エアコンのスイッチを入れ、エンジンの暖機運転をします。
車内温度が上がり、ウィンドウの雪や霜が溶けたら、立てたワイパーを下ろし荷物を積み込んで帰り支度完了です。帰路も、時間に余裕を持ち、十分な休憩をとりながら安全運転を心がけて走行しましょう。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。