【AJSA取材記 Part①】日本スケートボード協会によるスケートボードを通じた社会貢献と人材育成はこちら
AJSA”らしい”オンラインコンテスト
ーパート2もまずは読者の方たちに協会の概要説明からお願いします。
一般社団法人という形をとって、スケートボードを通して社会貢献をしている団体で、皆さんからはAJSA(ALL JAPAN SKATEBOARD ASSOCIATION)という略称で親しまれています。
メインの発信事業はもちろんコンテストの開催なのですが、世の中のスケートボードに関する問い合わせにも数多く対応しています。
公共スケートパークの建設や企業のマーケティング、選手のメディアや広告出演など、仕事は実に多岐にわたります。
ー昨年はコロナ禍でメイン発信事業であるコンテストが開催されませんでしたが、今年はどのような形になるのでしょうか?
スタッフ含めていろんな人の意見も聞きましたが、今年も今までのように通常通り春の開幕は難しいだろうという結論になりました。そこでリアルな現場のコンテストは後半を軸に開催したいという方向で動いています。
しかし、今後も変異ウイルスの感染拡大で第4波も来るかもしれません。ですのでそこもはっきりとやるとはいい切れないのが現状です。
ただし何もやらないよりは良いだろうということで、AJSAらしいビデオコンテストをこの春に開催する準備に取り掛かっています。
一定のルールを設けさせていただく予定ですが、詳細はまだ未確定なので決まり次第ウェブサイトやSNSを通じて告知させていただく予定です。
オンラインコンテストの弊害とその対策
ーその「一定のルール」を設ける背景には何か理由があるのですか?
AJSAは会員組織ですし、会員の中にはショップはもちろんパークを持っているところもあるので、そういうところと一緒になってやっていこうということがひとつなのですが、じつはそれ以外にも大きな理由があるんです。
というのも、オンラインコンテストがメジャーになっていくにつれてある問題が発生して、それに対する苦情が協会に寄せられるようになったんです。それはビデオコンテストに出るためにパークを占有してしまうということです。
やはり出場するとなると、少しでも良い成績を収めようと何回も何回も撮り直して自身の最高の滑りを見てもらおうとしますし、その気持ちも十分に理解できます。
しかし、スケートパークにはコンテスト出場者以外の方も多くいますし、コンテストに出る人達のために他のお客さんが満足に使えないということは平等性に欠けてしまうので、あってはならないことであると考えています。
ですので、そこを協会が先導してやるのは、また問題が起こってしまう可能性が非常に高いです。そういった事態になることは避けなければならないので、一定のルールを設けさせていただく予定でいます。
この記事を書いた人
吉田 佳央
1982年生まれ。静岡県焼津市出身。高校生の頃に写真とスケートボードに出会い、双方に明け暮れる学生時代を過ごす。大学卒業後は写真スタジオ勤務を経たのち、2010年より当時国内最大の専門誌TRANSWORLD SKATEboarding JAPAN編集部に入社。約7年間にわたり専属カメラマン・編集・ライターをこなし、最前線のシーンの目撃者となる。2017年に独立後は日本スケートボード協会のオフィシャルカメラマンを務めている他、ハウツー本も監修。ファッションやライフスタイル、広告等幅広いフィールドで撮影をこなしながら、スケートボードの魅力を広げ続けている。