受講者からの声
このように自身のスクールから羽ばたいていったライダーを紹介してくれた中坂さん。そこで先ほど紹介してくれた世界で活躍する小野寺吟雲君にも、中坂さんについての話を聞いてみました。
小野寺:静岡にはおばあちゃん家があるので、スクールの度に横浜から新幹線でスクールに通っていました。中坂さんは個人の特徴に合わせて足の位置とか姿勢、かがみ方まですごく丁寧に教えてくれたので、それがとても印象に残ってます。
自分は感覚でやるというより、頭でじっくり考えて滑るタイプなので、動作分析に基づいた的確な身体の動かし方を言葉で伝えてくれる、中坂先生の理論的なアドバイスがすごく合っていたんだと思います。
だからそのタイミングでスキルがどんどん上達していったんですよ。今までの先生のアドバイスは全部役に立ってます!! これからももっともっと頑張って、もっともっと上手くなります!! これからも見守っていてください。よろしくお願いします!!
このように、小野寺くんは自らの意思で率先してスクールに通っていたそうです。
今時のスクールは保護者の方が一緒にスクールの様子を見ながら行い、保護者主導で進むことが多いようですが、自主的に練習していく姿勢がスキルの向上に繋がったのではないでしょうか。
それがスケートボードによりのめり込むきっかけになり、気付けばスケートボード中心の生活になり、なおかつ結果が出るようになっていったとのこと。
そういった生徒への心配りもしっかりしているスクールだからこそ、このように優秀な選手を輩出していると言えるのかもしれませんね。
今後やりたいことはデッキブランド立ち上げ
ー今後の展望を聞かせてください。
もっとスケートボーダーの育成を事業として独立させて、フリーランスで動けるようにしていきたいです。
静岡という地方都市では、現状なかなか難しいところもあるかもしれませんが、オリンピック競技に採用されたことで、今は競技目的で始める子どもの方が圧倒的に多いんです。だからこそ自分はケガの予防や身体のメンテナンス方法を伝えていく必要があると考えてます。
そこで、総合的なサポートのひとつとして、冒頭でも少しだけお話しさせていただきましたが、これから「excellent」というデッキブランドを立ち上げようと思っています。これはとにかく”上手くなるデッキ”をコンセプトに、自分が培ってきた運動学の知識をもとに設計してます。
ー運動学の知識をもとに設計したデッキというのはどういう特徴があるのですか?
具体的な話をすると、中国まで足を運んでプレスの型から作った完全オリジナルのデッキで、今までにない軽さになっているのが特徴です。6歳の子どもでもトレフリップのような脚力を必要とするトリックができる設計を目指しました。
ノーズもテールもなく両スタンスでいけるツインテールを採用しているので、テールが無くなったらノーズとテール入れ替えることもできてかなり省エネ。キックやコンケーブも強めにして操作性を向上させました。
また、テールを弾いた時の反発力も意識して、小さな力で大きなパフォーマンスが出せるようにプレスの時に用いる接着剤を、強度の高いものにして弾きを良くしてるんです。さらに乗った時に左右の重心移動がスムーズになるようなホイールベース設定をしているので無駄な動きがでません。
このように特徴は色々とあります。値段に関しては輸送費などのコスト面を含めて検討中ですが、皆さんに満足してもらえる価格帯にするつもりなので、とにかく乗ってみて下さい。新しいステージにいけると思います!
サンプルテストでは驚きの結果が
ーすでにそのデッキは乗り心地のテストなども済んでいるのでしょうか?
じつは一度キッズスケーターにサンプルに乗ってもらったことがあったんですが、フラットでトレフリップができなかった子がなんと5回も連続でメイクしたんです。本人もビックリしてましたが本人以上に僕がビックリしました。
そこからわかるように、そもそものデッキが良いものでないとできないんですよね。だから、環境的な面で変えなきゃいけなきゃと思って自ら動き出しました。
2021年中にはリリースする予定なので、その際はぜひ乗ってみてほしいです。詳細などは僕のInstagram( @nakasaka )でアップしますのでフォローして下さい!
後は静岡県スケートボード協会の方でも1月24日に屋外でミニランプの大会を開催します。詳細はFacebookページをご確認ください。
トリックができない原因である”癖”を見抜く
ー色々とありがとうございました! 最後にスケートボードのスクールを受けようと思っている人や、練習してもなかなか上達しない人にメッセージがあればお願いします。
自分がスケートボードを初めた頃、キックフリップが全然できない時期がありました。片足だけ乗ってしまう現象に悩まされましたが、今思うとダメなパターンで身体が覚えてしまっていました。
いわゆる”癖”というやつで、その癖がパターン化することでなかなか抜け出せない状態。最終的には乗れましたが、かなり時間をかけてしまってました。教えてくれる人もなく苦労したので、同じようなパターンでハマっている人はぜひスクールを受けに来てほしいです。
スケートボードって本当に楽しくて学びの多いスポーツであり、遊びなのでたくさんの人とそれを共有したいなと思っています!
Profile:
中坂優太(なかさか ゆうた)
1984年2月24日生まれ。静岡県浜松市出身。スポンサー:NESTA BRAND、éS skateboarding、the bearings、excellent、PCIS、S.L. PARK
複雑な回し系のトリックを得意とし、数々のビデオでスキルフルなライディングを披露している他、「éS Game of S.K.A.T.E.」では2年連続で優勝するなど、テクニカルスケーターの代名詞として活躍。現在はプロスケーターとして活動しつつも、理学療法士として身体に向き合う日々を送っている。またケガの予防を目的としたPCIS(インソールメーカー)の代表も務めている他、浜松市のS.L PARK、静岡市のf2O parkでスクールを行い、日本代表候補に選ばれる選手などの育成にも携わっている。
【中坂優太】プロスケーターから理学療法士へ〜論理的スケートボードスクール取材記①〜
【中坂優太】プロスケーターから理学療法士へ〜論理的スケートボードスクール取材記②〜
スケートボードカテゴリの最新記事
-
【織田夢海】伸び盛りでの五輪延期でメダル獲得も視野に。期待の中学生スケートボーダー〜取材記Part2
-
【織田夢海】伸び盛りでの五輪延期でメダル獲得も視野に。期待の中学生スケートボーダー〜取材記Part1
-
【笹岡拳道】世界ランク1位を育て上げたパークスタイル特化型スケートボーダー育成術〜取材記Part3
-
【笹岡拳道】世界ランク1位を育て上げたパークスタイル特化型スケートボーダー育成術〜取材記Part2
-
【笹岡拳道】世界ランク1位を育て上げたパークスタイル特化型スケートボーダー育成術〜取材記Part1
-
スケートボード界のライジングスタ―白井 空良が「Blind skateboards」から1st Pro Modelをリリース