誕生したのはつい最近?!ウイングの歴史
出典:NAISH
ウイングが誕生したのは2019年はじめと、まだ生まれたてのシステムです。
かつてはウインドサーフィンのキングであり、レジェンド・ウォーターマンのロビー・ナッシュが、SNSで発信したのがその始まりです。
しばらくして自らが率いるブランドから製品が発表され、あっという間に各社が参入を表明。
まさにウイングは開発と発表の真っ只中という状況となっています。
とは言っても、厳密には過去にウイングを使った水上スポーツは存在しました。
しかし、それはハンググライダーと同じように金属や樹脂製の“骨”が使われたウイングで、今の形態とは異なっていたため、普及には至らなかったのです。
ウイングの推進力は揚力。セールやカイトと同じ原理が働く
ウイングは、ヨットやウインドサーフィンで使用するセール、あるいはカイトボーディングで使用するカイトと同様、受けた風のパワーを揚力という推進力に変換します。
揚力は飛行機の翼に発生することが有名です。
翼の表面に流れる風の速度の違いが圧力差となり、それが翼に対して直角方向の力を生み出します。
これが揚力で、ウイングにも同様の働きが備わっています。
非対称の断面形状を持つウイングの上面と下面に流れる空気のスピードは異なります。
上面は距離が長く、下面は短いため、上面の方が速く流れます。
すると速い上面の方が圧力が低くなるため、高い方から低い方へ直角に揚力が発生するというわけです。
ウイングはちょうどセールとカイトの中間に位置する
出典:NAISH
ウイングは、一見すると小さめのカイト、あるいは小さなハンググライダーのような形をしています。
しかしよく見ると、カイトのように風を受けて膨らむ部分(キャノピー)は、ひとつではなく2つに分かれ、ライン(紐)はありません。
骨組みはハンググライダーのような金属製でも、ヨットやウインドサーフィンのマストのような非常に硬質な材質でもありません。
空気を注入するインフレータブルタイプとなっているために軽量で、誰でも操作しやすくなっていることが大きな特徴です。
つまりウイングは、マストがないダブルキャノピータイプのセールとカイトのちょうど中間に位置する道具なのです。
ウイングは「フォイル」とのセットで真価を発揮
出典:F-one
ウイングより早く誕生し、最近急速に普及しているシステムにフォイルがあります(別記事参照)。
じつはこのフォイルの普及が、ウイングの誕生に大きく関係しています。
フォイルの浮上には、それほど速いスピードや大きな推進力を必要としないため、セールやカイトよりもっとコンパクトで扱いやすく、軽量なウイングで充分なのです。
フォイルの異次元の走行感は、ウイングとのセットによってより簡単に真価を味わうことが可能になったのです。
ウイングをはじめるには
出典:DOUTONE
ウイングは、SUP、ウインドサーフィン、サーフィンなどのボードスポーツ経験者なら1〜2時間で、それらが未経験の人でも穏やかなコンディションであれば、誰でも1日目に楽しめるようになる可能性があるウォータースポーツです。
簡単さで言えば、水上のボードスポーツの入口がSUPならば、セーリングスポーツの入口がウイングと言えるほどです。
ただし、誕生したばかりのウイングは、まだ多くの製品が発売されているわけではありません。
また、スクールが多く開校されているわけでもありません。
現在は、ウイングをはじめる環境は整備中という段階です。
それでもウイングのブランドは積極的に体験会を開催しており、さらに複数のブランドが製品上陸を果たしました。
スクールにおいても続々と各地のショップで始まっています。
来年の暖かくなる頃をターゲットに、今からチェックしておくことをおすすめします。
ウイングのブランド一覧
ウイングの登場は、セーリングスポーツの概念を大きく変化させたと言っても過言ではありません。
水上を走ることから空を飛ぶという未体験ゾーンへのエントランスがウイングなのです。
ここでは、現時点でウイングが発表されているブランドを紹介します。
◆ナッシュ:『ウイングサーファー』
ナッシュジャパン
◆デュオトーン:『フォイルウイング』
MK SURF
◆F.ONE:『ウイングサーフ』
F-one
◆CABRINHA:『クロスウイング』
CABRINHA
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。