ダイビングと体力の関係
ダイビングは、女性からシニアまで、健康な人であれば誰でも楽しめるレジャースポーツです。
泳ぎに自信がない方でも、水中で呼吸ができるので息継ぎの必要はありませんし、フィンがあるので水中の移動も簡単に行えます。
さらに、すべてを装備すると20kg近い重さがあるダイビング器材も、水中ではその重さを感じることもありません。
ひとりひとりのレベルに合ったダイビングポイントを選べば、ストレスを感じることなく水中世界を楽しむことができるでしょう。
しかし、もっと多くのバリエーションに富んだダイビングポイントを潜ってみたいのなら、最低限の体力づくりは不可欠になってきます。
たとえば、重たいダイビング器材を背負ってエントリーポイントまで歩いたり、カレントのあるポイントでは流れに逆らったりしながら泳ぐ必要があるからです。
もし、体力不足が原因となって水中で息が上がってしまったら、過呼吸になってパニックを引き起こしかねませんし、足がつってしまったら第三者の助けが必要になってくるからです。
よりレベルの高いダイビングを楽しむためには、体力づくりは大切な条件となってくるでしょう。
ダイビングに必要な体力とは?
ダイビングを行うにおいて、アスリートのような特別な体力をつける必要はありませんが、健康であることは絶対の条件です。
何をもって「健康」とするのかはさまざまな意見がありますが、ダイビングには必要最低限の基礎体力は必要です。
普段からデスクワークが多く運動習慣がまったくないという人は、基礎体力をつけるために「歩く」ことから体力づくりをはじめてみることをおすすめします。
たとえば、厚生労働省の定める「身体活動・運動」によると、健康を維持するためには10分程度の歩行を1日に数回行なう程度でも健康上の効果が期待でき、1日1万歩の歩数を確保することを理想としています。
長期的には10分程度の歩行を1日に数回行なう程度でも健康上の効果が期待できる。家事、庭仕事、通勤のための歩行などの日常生活活動、余暇に行なう趣味・レジャー活動や運動・スポーツなど、全ての身体活動が健康に欠かせないものと考えられるようになっている。
ダイビング中に足がつってしまったり、少し泳いだだけで息が上がってしまったりする場合は、運動不足による基礎体力の低下が原因と考えられます。
ダイビングはもちろん健康のためにも体力づくりをはじめましょう。
ダイビングの体力づくり
それでは、ダイビングに役立つ体力づくりの方法を見てみましょう。
有酸素運動で心肺機能を高めよう
有酸素運動とは、ウォーキングやジョギング、スイミングなど、長時間続けて行える運動のことです。
有酸素運動にはさまざまなメリットがありますが、もっとも注目すべきは心臓や呼吸筋の強化による「心肺機能の向上」です。
とくにダイビング中に息が上がってしまう人は、有酸素運動で心肺機能を鍛えましょう。
そして、有酸素運動をするならダイビング中のフィンワークや水慣れにも役立つ「スイミング」がおすすめです。
速く泳ぐ必要はありませんので、ゆっくりと自分のペースで長い距離を泳ぐように意識すると良いでしょう。
また、有酸素運動には体脂肪を燃焼させる効果もあるので、たるんだ身体を引き締めるのにも最適です。
筋トレでバランスよく筋力をつけよう
ダイビングで自由自在に水中を泳ぐには、脚力が大切と考えている人が多いと思います。
ですが、力まかせに強くフィンキックをすれば上手く泳げるというわけではありません。
正しい姿勢を維持したままスムーズに泳ぐには、体幹がしっかりしていなければ水を捉えることはできません。
つまり、脚力だけを強化するのではなく、体全体をバランスよく鍛えることが大切です。
そのためには、下半身、胸、背中にある大きな筋肉をターゲットにした筋トレがおすすめです。
自宅で手軽に行える自重トレーニングによる筋トレ方法を紹介します。
スクワット(下半身の筋トレ)
筋トレの定番メニューであるスクワットは、太ももにある大腿四頭筋をメインに鍛えることができます。
さらにスクワットは多関節運動になるため、腹筋や骨盤周辺などの大きな筋肉から小さな筋肉まで総合的に鍛えることができるのが特徴です。
- 肩幅よりやや広めに脚を開いて立ち、足先はやや外側を向けます。
- 両腕は胸の前で組むか前に大きく伸ばした状態で、膝を曲げてゆっくりと腰を落としていきます。
- 太もも裏側が床と平行になるまで下げ、お尻を後ろに突き出すようにして、膝がつま先より前に出ないように意識します。
- 10回×3セットを目安に行います。
プッシュアップ(胸の筋トレ)
プッシュアップ(腕立て伏せ)は、腕の筋トレと思われがちですが、胸の大胸筋や肩の三角筋、上腕などを総合的に鍛えることができる上半身の筋トレ方法です。
- うつ伏せになり肩幅の1.5倍くらいの位置にスタンスをとり、手先はまっすぐ前方に向けておきます。
- 体が一直線になるよう構え、肩甲骨を近づけながら肘を外側に折りたたむようにして曲げていきます。
- 胸が床に着く程度まで体を下ろしますが、お尻が浮いたり体がくの字に曲がったりしないように注意しましょう。
- 10回×3セットを目安に行います。
バックエクステンション(背中の筋トレ)
バックエクステンションは、背筋運動と呼ばれることもある、脊柱起立筋をターゲットにした背中の筋トレ方法です。
- 両手両足を伸ばしうつ伏せになって寝たら、反動をつけずにゆっくりと両肘と両膝を同時に上げて背中をエビのように丸めます。
- 反動をつけずに静かに背中を反らすようにするのがポイントで、無理をして上げようとすると腰痛の原因になることもあるので気をつけましょう。
- 10回×3セットを目安に行います。
体幹トレーニングでインナーマッスルを鍛えよう
最後は、体幹トレーニングでお腹のコアにある深層筋群を鍛えましょう。
ドローイン
ドローインは、深層部にある腹横筋を鍛える呼吸法で、下腹に力を入れてお腹を凹ませ、腹圧をかけた状態を維持することがポイントです。
日常生活でも、ドローインを常に意識すると姿勢が良くなるので、ぜひ実践しましょう。
- 背筋をまっすぐに伸ばしてリラックスして立ち、息を吐きながら下腹の奥(丹田)に力を入れてお腹を思いっきり凹ませます。
- このとき骨盤が後傾したり前傾したりしないように注意しましょう。
- 10回×3セットを目安に行います。
プランク
プランクは、体幹トレーニングの代表的な種目で、インナーマッスル全体を鍛えるのに最適です。
腹直筋を鍛えるクランチやシットアップは、腰を痛める可能性があるため、代わりの腹筋運動としてプランクに取り組む人が増えています。
- うつ伏せになり肘とつま先で体を床から浮かせた状態で、ドローインで腹圧をかけながら姿勢をキープします。
- 最初は30秒×2セットを目安に行い、1分間×2セットを目標にしましょう。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。