これから迎える寒い季節を前に、アウトドアウェア選びに悩んでいませんか?あたたかく快適に過ごしたいなら、天然のエアコンとも呼ばれる「メリノウール」がイチオシ。寒がりスキーヤーの筆者はメリノウールがない生活なんて考えられません!愛用者としてその魅力をお届けします。

メリノウールとの出会い

もう化繊に戻れない!メリノウール沼にハマった私のリアル活用術

最初にメリノウールに興味を持ったきっかけは、「汗をかいても冷えない」という評判を耳にしたこと。スキーヤーの筆者は冬から春までゲレンデに通っています。ハイシーズンは、滑走して汗ばみ、リフトでは寒さに震えていました。

また、寒暖差の大きな春には、1日のなかで、ジャケットのジッパーを上まで閉じて完全装備で挑むこともあれば、アウターなど脱ぎ捨てて半袖Tシャツで滑りたくなることもあります。

スキーで避けられない、汗をかいては寒くなる、の繰り返し。メリノウールはこのループを断ち切ってくれました。これは街でも起こりがちなことです。暖房の効いた屋内から外に出てはビル風に吹かれる・・・こんなシーンでもメリノウールなら安心です。

なぜメリノウール推し?3つの決定的理由

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一般的にいわれているメリノウールの強みは、実際に感じられるのでしょうか?筆者がすっかりファンになってしまった理由をお伝えします。

メリノウールとは?

メリノ種という羊の毛を素材にした最高級クラスのウールです。繊維が細く柔らかいので、他のウール製品と比べて肌ざわりがよく、チクチクしにくいという特徴があります。

天然素材のあたたかさ

あたたかさを売りにした商品は数多あるものの、身に着けてみると期待していたほどはあたたかくない、という経験はありませんか?寒がりの筆者は巷で人気の吸湿発熱素材などの「あったかアイテム」を試してみても、なかなか満足できずにいました。

ばっちり着込んでしまえば寒さはしのげますが、今度は動きにくさがついてきます。厚着して、マフラーを巻いて・・・冬は首や肩が重く、ともすれば出かけるのがおっくうになってしまうことも。

メリノウールは薄手でもあたたかくて着膨れせず、寒さに負けずに行動するための必須アイテムとなっています。

汗冷え知らずの快適さ

メリノウールには速乾性は期待できませんが、汗で湿っぽくなっても冷たく感じにくい特性があります。

スキーでは、激しい運動後のリフト乗車中に、ヒヤッとせず快適です。トレッキングでも、休憩のとき、とくに風に吹かれたときの汗で冷える寒さを軽減できました。

予想外に重宝したのが、高熱で寝込んだときです。発汗して、冷えたら着替える。体調が悪いなかではおっくうな作業です。思い立ってメリノウールのウェアにチェンジしたら大正解!1日着替えずにいても寒さを感じることなく、ゆっくり体を休めることができました。

驚きの防臭効果

予想以上の実力に驚いたのがメリノウールの防臭効果です。1日じゅう遊んだ日、それがスキーでも、登山でも、ショッピングでも、メリノウールを脱ぐときに「におわない!」ことが実感できます

筆者は寒がりなうえに汗っかきで、運動後のニオイが気になります。8月の三浦半島を横断ハイキングして絞れるほどの汗をかいた日、メリノウールの防臭力はすごい、としみじみ感じました。

メリノウールがもたらすライフスタイルの変化

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メリノウールは機能性もさることながら、それぞれのライフスタイルにフィットする素材といえます。筆者がメリノウールをチョイスする意味について感じたことを紹介します。

ミニマム思考にフィット

たくさんのモノがあれば、管理するスペースや手入れする時間が必要となります。それらを手放した「よいものを少し」、あるいは「必要なものを必要なだけ」の考え方にメリノウールはフィットします。

1枚であたたかいから何枚も着なくてよい。ニオイが気にならないから何度も着替えなくてよい。家のクローゼットがすっきりするだけでなく、移動の荷物も減らせます。

メリノウールの弱点のひとつが自然素材ゆえの「虫食い」ですが、筆者は経験なしです。これはクローゼットの奥深くにしまい込んでしまわなければ起きにくいと感じています。普段着としても使いまわして、常にアクティブな状態なら、虫にやられるヒマがない!のだと想像します。

天然素材を選ぶ意義

大雨被害など、異常気象の影響を無視できなくなってきている今、できるだけ環境にローインパクトなものを選びたいと考えるようになりました。その点からも、メリノウールはおすすめのチョイスです。

化学繊維と比べて耐久性があり、長く機能を維持してくれます。買い替え回数を減らせるのでゴミの削減にもなりますね。また、プラスチックが原料の化学繊維と違い、洗濯でマイクロプラスチックを出さず、最終的に廃棄するときも有毒ガスを出しません。

偏愛歴10年スキーヤーのメリノウール愛用アイテム

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今ではすっかり愛好家の筆者は、スキーだけでなく、日常的にメリノウール製品を使っています。どのようなシーンで何のアイテムが活躍するのか、実例を紹介します。

ベースレイヤー(薄手の長袖・半袖)

ベースレイヤーとしてのメリノウールは、もはやスキーの必須アイテムとなりました。チクチクせずさらっとした着心地で、汗冷えしにくく、ニオイ対策も◎です。ハイシーズンには保温性、春には防臭性がとくに心強く、重宝します。

薄手の長袖はインナーとして、冬の普段着にもぴったりです。表からは見えない部分なので、多少アウトドア風味が強めのデザインでも気にせず使いまわしています。

ミッドレイヤー(中厚の長袖)

中厚手の生地の長袖Tシャツをミッドレイヤーにしています。軽さと保温性が両立していて、薄手のフリース代わりにもなります。

寒さに対する守備範囲が広いので、ジャージ・フリース・インナーダウンなど、気温にあわせてジャケットの中に着るものをいくつも用意することがなくなり、荷物がすっきりしました。

アクセサリ

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メリノウールのビーニー(ツバなし帽)をヘルメットインナーとして使っています。通常のウールやアクリルと比べて肌ざわりが滑らかなうえ、薄手でヘルメットの着用感に干渉しないところが気に入っています。

以前使用していたチューブタイプのネックウォーマーは軽くあたたかく、悪くはないのですが、顔まで持ち上げてフェイスマスクを兼用するにはあまり向かないように感じました。呼気で湿っぽくなる部分は、速乾性がある素材の方が快適ですね。

Tシャツ

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メリノウールを使用したアイテムには、半袖やノースリーブのタイプもあります。夏こそメリノウール!といいたいくらい、汗のニオイ対策におすすめです。

そして、汗冷えを起こす寒暖の差は、夏にもあります。冷房の効いた屋内と暑い屋外を行き来するとき、いつもさらっとして快適です。筆者は着古したものはリラックスウェアとして、穴が開くまで、いえ、穴が開いても使い倒します。寝巻きとしても優秀です!

メリノウールを試したい人へ

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メリノウールを使ってみたいと思い始めた人に、初めの1枚としておすすめするなら何がよいのか、素材の弱点もふまえて考えてみました。

弱点をカバーするなら混紡素材が◎

メリノウールの弱点のひとつが、速乾性です。汗冷えしにくいという強みがあるだけに、普段はあまり気にならないポイントではありますが、乾きにくいのは困る!という場面もあるかもしれません。ポリエステルやナイロンなどとの混紡素材なら、この点をうまくカバーできますよ。

試しやすいブランド

メリノウールは、コスパでいうと決して悪くはないのですが、ファストブランドと比べると少々値が張ります。筆者がおもに愛用しているのは、モンベル、icebreaker(アイスブレーカー)、Smartwool(スマートウール)。取扱い店舗が多く、比較的リーズナブルなブランドです。

モンベルはアウトレットコーナーで掘り出しものに出会えることがあります。icebreakerはザ・ノースフェイス店舗で取扱いがあり、セールになることも。Smartwoolはアウトドアショップやネットショップで多く販売されています。

混紡素材なら選択肢はさらに広がります。メジャーなアウトドアメーカーがさまざまなアイテムを展開しています。いくつか試してみてメリノウールが気に入ったら、新たなブランドを開拓したり、アパレルメーカーのものを試したりするのも楽しいですよ。

まずは薄手のアンダーウェアがおすすめ

最初の1枚は、薄手のベースレイヤーを試してみてはいかがでしょうか?肌に触れるものだから、メリノウールの着用感を実感しやすいと思います。薄手なら乾きやすく、洗濯も容易です。アンダーウェアは比較的安価で手に入りやすいのもおすすめポイントです。

ネックラインが狭いものの方があたたかいですが、普段のアンダーウェアとしても使いたいなら、少し広めのものがおすすめ。シャツやセーターからはみ出さず、スマートに着られますよ。厚着してみえないのにあたたかい、これぞメリノウールマジック!です。

メリノウールは数ある素材のなかのひとつですが、アウトドアでのパフォーマンスだけでなく、QOLも高めてくれる「最高のパートナー」です。きっと手放せなくなりますよ。ぜひお試しあれ!

Kuriko

ライター

Kuriko

歴40年になるスキーヤー女子。コブが大好きなフリーライダーです。生まれ育ちは横浜の海の近く、幼少期には雪が降ると近所でもスキーしていました。冬から春まで新潟や長野のゲレンデに通っています。好きなスキー場はタングラム斑尾、リスペクトはTanner Hall。還暦過ぎて360するのが目標です。