全体朝礼とセッティング
西浜サーフライフセービングクラブは、片瀬東浜、片瀬西浜、江ノ島岩屋エリアで夏期のパトロール活動を行っています。
まずはクラブの事務局前に全員集合。
7:00頃より全体朝礼が始まります。
今日のコンディションや各担当配置を確認したら、それぞれ現場へ。
今回取材させていただいたのは、鵠沼海岸エリアです。
このエリアの警備本部となる詰所を開け、パトロールの準備をしていきます。
キビキビとした動きで救助用具や監視用具を浜にセッティング。
こちらのボードは迅速な救助対応の為に、事前に一定区間ごとに設置していきます。
セッティングが完了したら、今度はチームの朝礼が始まります。
それぞれの朝のパトロール担当をチーフが割り振ります。
このエリアは、朝8時から海水浴客専用のビーチになるので、まだ海に入っているサーファーへ声をかけ、移動してもらわなければいけません。
サーファーへの声がけチームと、地形調査のチームに分かれて、いよいよパトロール開始です!
サーファーや海水浴客への声がけ
「8時になりましたよ」とサーファーたちに知らせていきます。
声をかけられたサーファーたちはすぐに移動し、あっという間に海水浴客だけになりました。
また、海水浴客にも声をかけ、地形調査チームからフィードバックを受けた今日のコンディションなどを伝えています。
日々変化する砂浜に少しでも危険な箇所があれば、そのエリアにいる海水浴客に共有し注意を払っているほど詳細な業務に感心させられました。
ライフセーバーは、溺れた人を救助することはもちろんですが、「事故を未然に防ぐ」ということが最も重要な使命。
できる限りお客さんに声をかけ、コミュニケーションを取り、危険な場所や安全な遊び方を伝えているんです。
海に入っている人だけでなく、浜にいるお客さんにも積極的に声をかけていました。
こうした地道な活動が、無事故につながっているんですね。
朝の声がけと地形調査が終わり、報告をしたら、ここからは30分交代で監視活動をしていきます。
少しの変化も見逃さないよう、お客さんひとり一人に目を配ります。
トランシーバーを使い、浜にいるメンバーと連携しながら、事故を未然に防ぐ声がけを徹底していました。
高校生のライフセービング体験
この日は、昭和第一学園高等学校ライフセービング部の生徒さんが、ライフセービング体験に来ていました。
立川にあるこちらの学校では、海でのライフセービング活動を体験する機会はとても貴重だそうです。
まずは、西浜のクラブのメンバーが溺者役となり、水難事故を想定したレスキューの一部始終を学生たちが見学することになりました。
さっそく救助訓練開始!
溺者発見の連絡を受け、素早く的確な動きで隊員が救助に向かっています。
それに続き、救助補助者の隊員も駆けつけます。
補助者は詰所のメンバーにトランシーバーで状況を細かく報告し、溺者を救助者と協力して浜に上げます。
本番さながらの息を飲むシーンが続きます。
隊員の2人の連携プレーが素晴らしいです。
溺者を浜に運んだら、一次救命処置を実施します。
心肺蘇生からAEDまでの一連の流れを、学生たちも真剣な眼差しで見つめていました。
シュミレーション後は、先輩ライフセーバーからのフィードバック。
様々な状況で起こりうる水難事故に、臨機応変な対応が求められること、1分1秒を争う現場で、スピードや技術を高めていく方法など、的確なアドバイスを伝えています。
先輩方の救命に対する熱い想いを、横で聞いている私たちも身につまされるほどひしひしと感じました。
今日訪れた高校生たちも、そんな先輩方の姿に憧れて、ライフセービングのプロフェッショナルを目指すのかもしれませんね。
こうした体験学習などでライフセービングの意志を繋いでいくことも、今後のライフセービング界にとって非常に重要な活動のひとつです。
パトロールは続く
お昼が近づいてくると、海水浴客がどんどん増えてきました。
小さな子どもの姿も増え、パトロールも一層気を張らなければいけません。
交代を繰り返しながら、監視活動は17時まで続きました。
取材チームは暑さにやられてすでにヘトヘトでしたが(笑)、ライフセーバーのみなさんは疲れた顔などひとつも見せません。
ライフセーバーとして活躍するには、相当な体力が必要なのだと実感しました。
パトロールのあとは、その見事な体力、体づくりのためのトレーニングが始まります。
その様子は後編でお伝えしますね!
協力:Guard (櫻井興業)
協力:日本ライフセービング協会
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。