ザックカバーは荷物を濡らさないために必要
ザックカバーが必要な理由は、ザックの中の荷物を濡らさないためです。とくに山の天気は変わりやすく、突然雨に降られることもあるので、ザックカバーがあると雨対策として役立ちます。
近ごろ防水のザックも出ていますが、完全防水ではないものもあるので注意が必要です。たとえば、生地自体が防水になっていても、ジッパーが止水ジッパーでなかったり、シームテープ処理をしていなかったりすると浸水するおそれがあります。
また、ザックの中に防水の袋があるモデルがありますが、雨に降られると生地自体が保水して重くなります。そのため、ザックの中が防水であってもザックカバーが役立つケースもあります。
ザックカバーを選ぶときのポイント5つ
ザックカバーは100円均一のお店などでも売られていますが、適当に選んでしまうと濡らしたくない荷物などを濡らしてしまうおそれがあります。以下では、ザックカバーを選ぶときのポイントを5つ解説します。
サイズ・フィット感
一番大事なのが、ザックカバーのサイズやフィット感です。ザックとザックカバーのサイズが異なっていると、すきまから雨が浸水してしまうおそれがあります。
そのため、ザックカバーはザックと同じサイズのものを選びましょう。そして、実際にフィッティングしてすきまができないことを確認しておくとよいでしょう。
防水性
ザックカバーの耐水圧は2,000~5,000mm程度のものが一般的です。この数値は、中程度の雨に対応できる防水性になります。しかし、長時間雨にさらされると浸水してしまう可能性があります。
そのため、縦走コースのような長い行程で登山する方は、防水性の高いザックカバーを選ぶとよいでしょう。
水抜き穴の有無
ザックカバーは構造的に完全防水にはなりません。背中側に雨がつたってザック底面に水が溜まり、そこから浸水する可能性があるのです。ザック底面からの浸水を防ぐために、ザックカバーには水抜き穴の有無を確認しておくとよいでしょう。
耐久性
登山道では、ザックが木の枝に引っかかったり、岩場でこすれる場面があったりするので、ザックカバーはある程度の耐久性が求められます。ザックカバーの耐久性は、生地の素材やデニール数(糸の太さ)によって変わります。
ザックカバーの素材は主にナイロンやポリエステル製です。耐久性・軽さを重視するのであればナイロン製、長く使用したいのであれば耐候性の高いポリエステル製の生地がおすすめです。
ザックカバーの素材における利点・欠点
素材 | ナイロン | ポリエステル |
利点 | 軽い、伸縮性がよい、濡れてもすぐ乾く | 熱や摩擦に強い、濡れてもすぐ乾く |
欠点 | 熱に弱く、日差し(紫外線)に当てると劣化しやすい | 強度がナイロン製に比べ少し劣る |
備考 | 格子状に織られたリップストップ加工があると、薄手でも破れにくくなる | ナイロンよりもリーズナブル |
重量・コンパクト性
登山ではできるだけ荷物をコンパクトにしたいもの。ザックカバーもできるだけ小さくまとまり、かつ軽いものを選ぶとよいでしょう。
おすすめのザックカバー3選
ザックカバーの選び方5つのポイントを踏まえ、おすすめのザックカバーを3つご紹介します。
ザ・ノース・フェイス| レインカバー
軽量な素材を使用したザックカバーです。背面にドローコードとズレにくくするための固定用ストラップを装備し、携行に便利なポーチが付いています。20Lまでの小型ザックにフィットするサイズです。
モンベル|ジャストフィットパックカバー
耐久性と耐水圧に優れた超軽量ザックカバーです。独自のジャストフィットシステムで荷物の量によって変化するのでパックの形状にぴったりとフィットし、強風時のばたつきを最小限に抑えます。万が一水が浸入した際もボトム部に設けたドレインシステムにより効率的に排出します。
モンベル | オンラインショップ | ジャストフィット パックカバー 30L (montbell.jp)
イスカ|パックカバー
最大の特徴は安全性を考慮したフィット性の高いシルエットです。ザックの形状に沿った裁断はフィット性が高く、稜線や強風時に風をはらんでしまう危険性を減らしています。
合わせて持ちたい防水のスタッフバック
絶対に濡らしたくない着替えや寝袋などは、ザックカバーと合わせて「防水のスタッフバック」を併用し携行するのがおすすめです。
ザックカバーをして万が一浸水してしまっていても、荷物をスタッフバックに入れておけば濡れずに済みます。二重に対策をすることで、より効果的に水濡れを防げます。
ザックカバーを忘れた際の応急処置方法
ザックカバーを忘れてしまっても、代用品で対処する方法があります。それは、ビニール袋やエマージェンシーシートをザックにかぶせて、紐で縛る方法です。
あくまで簡易的な対処法になりますが、覚えておくと役に立つことがあるかもしれません。
ザックカバーの選び方のポイント、おすすめのザックカバーについてご紹介しました。ザックの大きさに合ったザックカバーを選ぶことが一番のポイントです。また、念のために防水のスタッフバックを併用することで、より効果的に水濡れを防げます。もしザックカバーを忘れてしまった場合は、大きめのビニール袋やエマージェンシーシートで対処することもできるので、覚えておくとよいでしょう。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
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