エシカルヴィーガンは、自然環境や動物の命を尊重し、大切にするライフスタイル。健康や環境問題への意識の高まりから、エシカルヴィーガンを取り入れる人が増えています。今回は、エシカルヴィーガンの特徴や考え方を紹介します。
エシカルヴィーガンとは？
「倫理的な」という意味を持つエシカルと「菜食主義者」を意味するヴィーガンを合わせた言葉です。食べ物だけでなく、衣類や日用品にも、動物由来の製品を使わないライフスタイルを指します。
エシカルヴィーガンの生活は、自然環境を守りながら、動物の命を尊重するという考え方にもとづいています。たとえば、ファッションでは、レザー・ダウン・ウールといった、動物由来の素材を使用した衣類を使用しません。
また、シャンプーなどのヘア用品やコスメにも、動物実験を行った製品を避け、植物由来のものを使います。衣食住のすべてにおいて、動物由来の製品を使用しないエシカルヴィーガン。数あるヴィーガンの種類のなかでも、厳格なライフスタイルといえます。
エシカルヴィーガンとダイエタリーヴィーガンの違い
そもそもヴィーガンとは「完全菜食主義者」の意味。肉や魚、卵、乳製品、はちみつなど、動物由来の食品を避け、野菜や穀物中心の食生活を送ります。ヴィーガンの主な種類には、エシカルヴィーガンのほかに、ダイエタリーヴィーガンがあります。
ダイエタリーヴィーガンは、健康維持やダイエットを目的としたヴィーガンです。衣食住すべてに動物由来の製品を使用しないエシカルヴィーガンに対して、食生活のみでヴィーガンを実践するスタイルを指します。
ファッションやコスメ、日用品に関しては、動物由来の製品を排除しません。
ダイエタリーヴィーガンやエシカルヴィーガンのほかにも、ヴィーガンにはさまざまな種類があります。それぞれの考え方を踏まえて、自分に合ったスタイルを選択することが大切です。
エシカルヴィーガンが広まった背景
エシカルヴィーガンは、エシカルでサステナブルなライフスタイルということから、注目を浴びています。エシカルヴィーガンが広まった背景にある、個人や企業の取り組みを紹介します。
動物愛護の考え方
エシカルヴィーガンを始める人が増えた理由として、動物愛護の広まりがあります。動物愛護とは、家畜や実験動物といった、人間のために飼育されている動物を大切にする考え方です。
動物実験をなるべく減らしたり、動物由来の成分の使用を避けたりと、動物愛護に配慮した研究や開発を進める企業が増えています。エシカルヴィーガンが広がった背景には、こうした動物愛護の考え方があるのです。
エシカルファッションの普及
エシカルやサステナブルといった視点から、ファッションの製造に取り組む企業が増えています。エシカルファッションが手に入りやすくなったことは、エシカルヴィーガンが広まった理由の一つといえるでしょう。
また、エシカルファッションだけでなく、エシカル消費が注目を集め、わたしたちが生活で使用する日用品や食品にもエシカルな商品が増えています。誰でも手軽にエシカルな商品を買える環境の変化が、エシカルヴィーガンの広がりを後押ししています。
エシカルファッションについては、以下の記事でも詳しく解説しています。
エシカルヴィーガンの始め方
エシカルヴィーガンの基本には、まず前提として動物由来の製品を使用しないことがあります。エシカルヴィーガンを実践するためには、日常で使用している製品や食生活について、よく知ることが大切です。
食事の採り方
わたしたちの身近にあるスーパーやコンビニは、動物性食品で溢れています。一方で、ヴィーガンに対応したレストランやカフェが各地でオープンし、ベジタリアンやヴィーガンに向けた食材も増えています。
ヴィーガンの食生活を始めるためには、まずヴィーガンに関する知識が必要です。初心者の方は、ヴィーガン向けのレシピ本やインターネットの情報から少しずつ知識を取り入れ、実践していきましょう。
いきなり全てを菜食に替えるのではなく、少しづつ肉や乳製品を減らすなど、無理のない範囲で始めていく方法がおすすめです。
日用品の選び方
動物実験をしていないことや、動物性由来の成分を使用していない製品が、数多く販売されています。商品を選び、購入する時には、成分や製品が作られている背景、コンセプトを確認することが大切です。
エシカルヴィーガンの生活では、正しい情報を収集して、判断することが重要。また、商品の一つひとつを丁寧に選び、大切にするスキルも求められます。
エシカルな消費を意識することで、動物や自然にやさしいエシカルヴィーガンの暮らしを実現できるようになるでしょう。
ライター
AYA
静岡県出身。海と山に囲まれた自然豊かな環境で育ち、結婚後に、タイ・バンコクへ移住。病気がきっかけで、ヴィーガンのライフスタイルに目覚める。現在は、2児の母として子育てに奮闘しながら、人と環境にやさしいサステナブルな暮らしを実践中。自身の経験をもとに、ヴィーガン、環境問題、SDGsについて情報を発信している。
