今回は、潮の影響が釣果に直結するタイダルリバーの特徴や魚を釣るためのポイントを解説します。
汽水域(タイダルリバー)とは?
海水と淡水が入り混じる港湾部などの地域、ならびにそれに連なる流入河川下流域など、潮の影響をもっとも受けやすいフィールドは汽水域(タイダルウォーター)と呼ばれています。
淡水魚であるラージマウスバスやスモールマウスバスの生息も確認され、多くのアングラーが足を運ぶエリアとして知られていますが、その反面、非常に難しい釣りを強いられる場面もしばしばあります。
大型の個体が多く釣れたり、多種多様な魚を狙うことができることからゲーム性が高く、ソルトゲームに近い感覚で釣りを楽しむことができるフィールドです。
汽水域で見かける魚たち
汽水域には、ブラックバス以外に外来魚であるソウギョやレンギョといった超大型の淡水魚も生息しており、一部のコアな釣り人を楽しませてくれます。
また、ボラやシーバス、アカエイ、コノシロといった海水魚も混在して生息が確認できることから、パターンフィッシングの立証が難しく、それだけ奥の深い釣り場であるということがアングラーにとって魅力といえるのではないでしょうか。
タイダルリバーの特徴
一般的な野池や河川など純淡水域のフィールドにくらべ、タイダルリバーのバス釣りは、プラスαで釣れる要素を考えることにより好釣果を出すことができます。
「汽水域」と呼ばれるフィールドでは、以下の点を考察しながらパターンフィッシングに当てはめていきます。
潮の満ち引き
海水が一定濃度入り混じる汽水域は、潮の満ち引きが釣果に大きく影響します。
ソルトフィッシングと同様にタイドグラフを参考にして、干潮や満潮の時刻を把握することがもっとも大切です。
いちばん釣りやすいタイミングは、満潮に達する時刻の上げ止まり付近前後。下げ潮になるにつれ徐々に魚の活性が下がりはじめ、次第にルアーへの反応が悪くなる傾向があります。
ベイトフィッシュ
タイダルリバーでバスに捕食されている主なベイトフィッシュ(エサとなる小魚など)は、イナッコ(ボラの稚魚)やコノシロ、ザリガニやテナガエビなどの甲殻類、霞ケ浦水系などではシラウオや淡水サヨリなどが有名です。
ベイトフィッシュの生息状況や生態を知ることにより、時間帯や時期を絞って使うルアーのカラーやシルエットを選択し、ゲームを組み立てていきます。
エリア選択
汽水域のバス釣りを攻略するうえで、フィールド選択はもっとも重要な課題となります。
ルアーをキャストするエリアでは魚が少ないエリアなのか、それとも潮の満ち引きに影響して食わないだけなのか、といった判断に迷うのがタイダルリバーの特徴です。
一般の純淡水域のフィールドよりも「潮」といった要素が絡んでくるため、魚の動きやコンディションがつかめず、まったく反応を得られないことも多々あるでしょう。
ベイトフィッシュの動き+潮の動きを考えながらバスの居るエリアを絞り込んでいく作業が汽水域のバス釣りには必要です。
スポーニング
余談ですが、一般的には大潮の春にバスのスポーニング(産卵)が多いとされています。春先の汽水域狙いでは、桜の花が散りきる頃がスポーニングの合図と捉えておくと役立ちます。
潮汐上の「大潮」を境にバスの荒食いを予測し、大型の個体に出会えるきっかけを見つけてみてください。
汽水域でブラックバスを釣るための3要素
関東では、利根川下流やそれに連なる霞ケ浦水系の流入河川(北浦含む)、東京近郊では、新中川や江戸川水系もバスが生息している汽水域として有名です。
それぞれのフィールドによって違いがあり条件は異なりますが、バスが釣れる3要素をまとめると大まかに以下のことが挙げられます。
時合い
時合いとは、魚の捕食行動が活発になる朝や夕方のマズメ時間帯のこと(よく釣れる時間帯)。
とくに魚の反応が喰い渋る厳寒期では、数少ないチャンスをモノにできるかが釣果の分かれ目となります。
日の出直後の明るくなる瞬間や暗くなる日の入り間近の時間帯を集中して狙うことで、大型の個体に出会える確率がグッと高まります。
潮汐/潮位
潮の満ち引きによりバスのエサとなるベイトフィッシュの動きが変化し、それらを追ってバスのポジショニングも大きく変わります。
ポイントによっては、居着き型や回遊型のバスが存在し、一度入って反応の得られなかったエリアでも改めて入り直すことにより大爆釣する例も多々あります。
それくらいタイダルウォーターが絡むエリアでは、潮位の変動が釣果に直結する重要な要素となります。
流れ
潮位の変動や人的条件などがもたらす潮の流れもまた、ルアーに対する魚の反応に変化をもたらします。
とくに機場などで閉鎖された運河のような汽水域では、水門の開閉と同時に流れが発生し、干潮時であるにもかかわらず水位の変動がみられ魚が活発にエサを追う場合があります。
適度な流れは水中のプランクトンなどの微生物を活性化させ、ベイトフィッシュやバスの動きに多大な影響をもたらすことを覚えておきましょう。
汽水域におすすめのルアー
2020年もいよいよ終盤に差し掛かり、残すところあとわずかな期間となりました。初冬の汽水域でもっともおすすめのルアー、新作や今年人気のあったルアーを筆者目線で厳選しご紹介します。
シーバス狙いでも活用できるものもありますので、ぜひ参考にしてみてください!
ジャッカルブラストボーンSF
ジャッカルより新しく発売されたドッグウォーク特化型ビッグベイト。
移動距離をおさえ、ピンスポットで流れのヨレやカバー周りをタイトに狙う際にテクニカルな動きでバスの捕食本能を刺激する唯一無二のジャイアントベイト。
初冬からの厳寒期には、ボラパターンを想定して水門や縦ストといった限られた閉鎖水域を狙うことで、今まで取ることのできなかった大型の個体も視野に入るはずです。
ジャッカル ダウズビドー
確実に1本を手にしたい時、結果に応えてくれるのがロングビルミノー「ダウズビドー」。
高速リトリーブながら、そのボディーから繰り出されるハイピッチローリングアクション&巻き心地のよさには圧巻。
抜群のキャスタビリティーと潜行深度2メートルを超える操作性の良さは、近年タフ化するメジャーフィールド攻略になくてはならないルアーとなることでしょう。
O.S.Pルドラ
1〜2mのミドルレンジを広範囲に探れるパイロットルアーとしておすすめ。
強烈なフラッシング効果と超ハイピッチなローリングアクションにより、汽水域のモンスターを一撃で仕留めるポテンシャルを持ちます。
明滅効果とビッグミノーイングという新たな切り札で、今までにない集魚力を体感してみてください。
ジャッカル ソウルシャッド
厳寒期のハイプレッシャーなバスを仕留めるなら、シャッド系ルアーは欠かせません。
ジャッカルのソウルシャッドは、潜行深度の異なる5サイズがリリースされており、さまざまなシチュエーションで応用可能。
ボトムにコンタクトさせながらトゥイッチやジャーキングを織り交ぜることで、消波ブロック帯に隠れたシャローのバスを根こそぎ引き出せます。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。