キャンプギアは食事用の防災グッズとして使える?
キャンプギアと防災グッズにはある共通点があります。それは、「限られた環境で一時的に生活を可能にするための道具」という点です。
例えば、電気やガスのインフラが寸断されてしまったら、料理やお湯を沸かすことができるような熱源を手に入れることは難しくなり、原始的な手段でしか火を起こすことができなくなります。
それを簡単に可能にしているのが、バーナーやストーブなどのキャンプギアです。
また、防災グッズに求められる機能として、軽くて小さく収納できるかという「携行性」も重要になってきます。
その点、キャンプギアは軽量でコンパクトに収納できるように作られていて、普段のキャンプで使うだけでなく、防災グッズとしての使用にも適しています。
防災グッズとしても使えるキャンプギアを5項目に分けて紹介!
災害時の食事では具体的にどのようなアイテムが必要になるのでしょうか?それぞれ代表的なものを挙げると、以下の5つのジャンルに分けられます。
- 水
- 熱源
- ナイフ
- 食材
- 調理道具
各ジャンルごとに分けて「なぜ必要なのか?」アイテムの選び方や使い方などをご紹介します。
命に関わる「水」の確保
人間は食べ物を食べなくても1~2週間は生きられますが、水を飲まないとわずか3~5日で命を落とすといわれています。
災害時での最優先事項は、飲める水の確保です。また、飲料水があれば食べられるものの選択肢が増えるので、非常に重要です。
ウォータータンク
水を確保するために大事なのは、水を大量に入れておけるものを用意することです。
バスタブに水を張りっぱなしにしておくというのも1つの方法ですが、万が一家が倒壊してしまったり、家に戻れないときのために、水を溜めることができる容器があると重宝します。
例えば、雨が降ってくれれば外に数時間置いておくだけで満タンの水が手に入りますし、災害時の給水ステーションからまとまった量の水を持ち帰ることもできます。
防災目線を優先して選ぶのであれば、使わない時は折りたたんで容易に持ち運べる携帯型のウォータータンクを選ぶようにしましょう。
携帯浄水器
雨が降らなかったり、給水施設が使えなかったりして飲み水が手に入らないということも考えられます。
池や川の水などの自然界にある水を飲まなければならない場合、煮沸しただけでは死なないウィルスや、細菌が混ざっている危険性があります。
そんな時に携帯式浄水器があれば、水を濾過して飲料水として使えます。
サイズもそれほど大きくなく、繰り返し何度も使えるものが多いので、ひとつ持っておくと安心です。
火おこしには欠かせない「熱源」
美味しい食事に欠かせない代表的なものといえば火を起こす「熱源」です。
火を使わなけれ食材に火を通さずに食べることになり、満足のいく食事ができないばかりか、水や食材の殺菌・消毒ができないので衛生的なリスクもあります。
火が起こせる熱源は、食事を摂るための必須アイテムです。
CB缶タイプのバーナー
バーナーはキャンプで食事を摂る際に欠かせないアイテムですよね。バーナーの他にもコンロやストーブとも呼ばれますが、基本的には同じものを指します。
バーナーさえあればどこでも短時間で火を起こすことができます。
バーナには使用する燃料の違いで、大きく分けてCB缶(カセットボンベ)とOD缶(アウトドア)のものがあります。
防災という点でおすすめするのであれば、CB缶がおすすめです。なぜならCB缶は安価でスーパーやコンビニで購入できるため、入手の難易度が低いからです。
入手の難易度が低いということは、災害時に燃料が無くなってしまっても、手に入る確率が高いということです。
これがOD缶タイプのものだと専門店にいかなければならないため、燃料の入手が難しくなってしまいます。
また、災害時には荷物の量が限られるので、軽量でコンパクトに収納できるものを選ぶようにしましょう。
防水マッチ・フリント式ライター
防水マッチはバーナーが使えなくなってしまった時のために持っておきたいアイテムです。水に濡れていても着火ができるので、悪天候でも頼りになります。
バーナーが使えなくても小枝や燃えやすいものを集めて、マッチの火を火種に焚き火をすることが可能です。
また、防水マッチは自分で作成することもできるので、もしもの時に準備しておくと安心です。
フリント式ライターはコンビニなどに普通に売っている使い捨てライターです。
使い捨てライターにはフリンジ式と電子式の2種類があるのですが、電子式は一度濡れると使えなくなってしまうので、フリンジ式がおすすめです。
フリンジ式は、フリンジと呼ばれる火打ち石を回し、こすって着火するタイプのライターのことで、濡れてしまっても乾けばまた使うことができます。
価格も100円程で買えるので、いくつかストックして持っておくと災害時の火種として重宝します。
あればなにかと役に立つ「ナイフ」
ナイフは食材を切るのに活用できますし、その他にも紐を切ったり木を削って燃えやすくしたりと様々な活用法があります。
防災からは少し飛躍しますが、サバイバルの教えでも、ナイフだけは自然界のもので代用するのが難しいので絶対に無くしてはならない、という教えがあるほど。
代用がきかず、汎用性の高いツールですのでぜひ用意しておきましょう。
シースナイフ
シースナイフとは、折りたたみ式の構造ではなく、ブレードとハンドルが一体型で基本的に専用のケース(シース)にいれて持ち運ぶタイプのナイフです。
一般的にナイフといえばこちらを指しますね。シースナイフの利点は折りたたみ式に比べて、丈夫に作られている点です。
刃圧の太いものを選べば、薪をバトニングで割って焚き付け用の細い木にしたりと、ハードな用途にも使うことができます。
折りたたみナイフ
折りたたみナイフは、その名の通り刃の部分をハンドル部分に折りたたんで、収納ができるタイプのナイフで、持ち運びしやすいのが利点です。
シースナイフに比べて頑丈さには欠けますが、災害時の防災グッズとして用意するのであれば、折りたたみナイフでもシースナイフで可能なことは一通りできるので、どちらを選んでも大丈夫です。
蓄えがあれば安心できる「非常食」
やはり災害時といえど、どうしても欲しいものは食料ですよね。長期保存が可能な非常食をご紹介します。
アルファ米
アルファ米とは、煮炊きしなくてもお湯や水を加えると軟らかく美味しいご飯が食べられるように加工された米のことです。
炊き上げられた米から水分をしっかり飛ばし、乾燥させることで作られます。水分が飛んでいるのでその分軽量で、腐りにくいため非常食に大変適した食材です。
水やお湯を加えて待つだけなので、その手軽さから登山やキャンプでも人気があります。
基本的に製造から5年間は常温で保存しても腐らないので、必要な分をまとめて購入し、キャンプのときに使うなどして、消費と補充を繰り返せば安心です。
ようかん
ようかんは、言わずと知れた日本が世界に誇る保存食であり、充分なカロリーを含んだエナジーバーです。
メーカー公表の賞味期限は約1年ですが、実際は2~3年保管しても腐らないといわれています。
長期保存が可能で、価格も安くサイズもかさばらないので、まとめて購入しておくと重宝します。少し古くなったらキャンプのおやつにもいいですし、登山の行動食にもおすすめです。
災害時でも無いと困る「調理道具」
災害時にお湯を沸かしたりするのに鍋は必要です。食事の際にはカトラリーも必要ですね。
クッカー
クッカーはキャンプ用の鍋です。1つあれば食材を焼くのも煮るのもできますし、お湯を沸かすこともできます。
キャンプや登山用クッカーは軽くてかさばらないサイズのものが多く、災害時の荷物に入れても負担になりません。
また、災害時は水が貴重ですので、使い終わった後に内側の汚れが落ちやすいコーティング加工がされているのものをおすすめします。普段も使いやすいですよ。
カトラリーセット
キャンプ用のカトラリーセットは、災害時にあると手を使わずに衛生的に食事ができますし、スープなどの汁物も食べやすくて重宝します。
箸も便利ですが、おかゆ系の非常食が食べにくいので、スプーンがあるカトラリーセットがおすすめです。
スプーンとフォークとナイフが一体になったものなど、キャンプ用のものは軽くて収納性に優れたものが多くありますのでお好みのものを用意しておきましょう。
カトラリーとあわせ、洗いやすいもの、使い捨てのものなど、食器もあると何かと重宝します。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。