フェアトレードとは?
フェアトレードとはいったいどんなものなのか、疑問に思うかたもいらっしゃるでしょう。
このフェアトレードは「公正な取引」、つまり正しい価値をつけて貿易をしようという取り組みで、他国と貿易を行ううえでとても重要なポイントとなっています。
その理由として大きくあげられるのが、貧困への対応です。フェアトレードというのは、その名のとおり貿易関係がフェアでなくてはなりません。
私たちの身近にあるもののなかには、発展途上国とされる貧困の多い地域から輸入しているものがあります。
その多くは、先進国が有利になるような価格設定になっていて、貧困地域へ適正なお金が行き届いていません。
価格設定を適正にすることで、商品の価値も上がり、お金が円滑にまわることを目標にしている取り組みなのです。
フェアトレードの効果
フェアトレードは、「Fairtrade International」という世界的な組織を1997年に設立したことで始まりました。
本部はドイツのボンという都市にあり、2002年に世界統一の「国際フェアトレード認証ラベル」を完成させ、一定の基準に満たす商品にこのラベルをつけることで、正当な商品価値をあらわすよう努めています。
この取り組みに対し2016年度の時点で、世界73国で1411以上のフェアトレード認証生産者組織が参加し、160万人以上もの小規模農家、労働者がここに属しています。
この国際フェアトレード認証ラベルによって商品価値をあらわすことで、各生産者に直接保証されるお金は日本円にしてなんと約180億円以上を達成したといわれています。
この取り組みにより、発展途上国で暮らす生産者や労働者などの生活や商品価値が見なおされ、さらに品質の向上にもつながっています。
その後、世界130カ国以上でこの国際フェアトレード認証ラベルがつけられた商品が販売され、約9470億円以上の売り上げを達成するという大きな成果をもたらしました。
私たちの身近にあるコーヒーやチョコレートなどは、発展途上国によって作られているものがたくさんあります。ぜひ、商品の裏にある国際フェアトレード認証ラベルをチェックしてみてください。
国際フェアトレード認証商品の基準とは
国際フェアトレード認証ラベルがつけられる商品には、ある一定の基準が設けられています。
一定基準には原則として
- 経済的基準(最低価格の保証、長期的な取引の促進など)
- 社会的基準(安全な労働環境、児童労働や強制労働、差別禁止など)
- 環境的基準(有機栽培、農薬や薬品使用の削減、土壌や水源などの保全など)
この3つの基準がベースとなり、そこに生産者の対象地域や生産基準などが加わり、国際フェアトレードラベル機構によって決められます。
基本的に、この国際フェアトレード認証商品としてのライセンスを取得するには、かならず審査が必要となります。
製品の認証申請、そして審査に通ることで、はじめてライセンスを取得することができるのです。
このライセンスは、1度取得すれば永遠の価値が保証されるわけではありません。生産者とトレーダーで、基準を守り続けるということが必要となります。
定期的な監査が入り、定期的に基準の見なおしもありますので、常に品質の向上が求められます。
フェアトレード商品の種類
国際フェアトレード認証商品は、上記の基準においてすべての商品が対象となるわけではありません。
対象商品の食品分野においては
- コーヒー(焙煎豆)
- 生鮮果物や野菜(バナナ・りんご・アボカド・ココナッツ・じゃがいも・ひよこ豆など)
- カカオ(チョコレート)
- 蜂蜜
- サトウキビ糖
などがおもな対象商品です。
このほかにもお茶やナッツ、スパイスにハーブなども国際フェアトレード認定の対象となる商品です。これらをスーパーなどで買うときは、ぜひ国際フェアトレード認証ラベルがついているかを見てみてください。
また、国際フェアトレード認証は食品だけでなく、ほかにもさまざまな商品が認定対象となっています。
- 繊維(コットン)
- 花(バラ・カーネーションなど)
- スポーツボール(サッカーボール・フットサルボールなど)
- 金
このようにフェアトレードでは、国際フェアトレード機構によって定められた対象商品がいくつもあります。
現在、この取り組みが世界的に広まりはじめていることで、一般企業によるフェアトレードへの申請、参加がしやすくなり、多くの商品が見なおされつつあります。
また、ラベルの提示により消費者にもわかりやすくなり、このラベルをきっかけに多くの人の目に触れるようになりました。
定期的な見なおしにより対象となる商品は、これからも増えていくでしょう。今後も、正当な価値がつくべき商品の公正な取引が期待されます。
フェアトレードとSDGsの関係
2030年をめどにあげられた17個の持続的な開発目標「SDGs」、その中にはフェアトレードとのつながりも多くみられます。
SDGsは、私たちが安全かつ平和に暮らしていくことへの目標となっています。
そのひとつとして私たちができるとこといえば、このフェアトレードをしっかりと理解し、フェアトレード認定の商品を購入することなのではないでしょうか。
簡単に世界貢献ができるフェアトレード商品の購入は、いつでも、誰でもできること。
自分のまわりにある食品や製品を、ひとつでもフェアトレードに変えることが、世界の貧困を救う一歩になるのです。