この作業をスムーズにしてくれるのが「サルカン」で、さまざまなシーンに対応するよういろいろな種類があります。
今回は釣り用サルカンの種類とそれぞれの活用方法を解説します。
釣り用サルカン:ベーシックな「タル型サルカン」
サルカンのなかでも、もっとも一般的なものがタル型サルカンです。
おもにラインをラインの結束で間にかませる使い方で、ラインがよじれてしまうのを防ぎ、劣化やラインブレイクを防ぐ効果があります。
海釣りの仕掛け作りでは「ヨリモドシ」と呼ばれる場合もあります。
完成仕掛けに組み込まれている場合も多いので、見たことがあるかたも多いですよね。
価格も安く、サイズも小さいものから大きいものまであるので、使いやすいのも特徴です。
タル型サルカンの選び方
タル型サルカンは、おもに大きさと強度から選びます。
大きさは20種類以上あるので、ラインとの相性を考え、結び目がしっかり作れるものを選びましょう。
とくに重いおもりを使ったり、大物がかかるシチュエーションであれば強度も重要になります。
号数によって強度が変わり、もっとも大きいサイズであれば100㎏以上の強度もあります。
大きいものは高くなり、コストもあがってしまうので、適切な重さのものを選ぶ必要があります。
釣り用サルカン:高強度で大物釣りにも「スイベル型サルカン」
形はタル型サルカンとほぼ同じで、使い方もタル型サルカンと同じですが、使われるシーンが違います。
一番の違いは強度で、内部の構造が破断しにくいよう設計されており、タル型サルカンが苦手とする斜めからの引張強度にも長けています。
また、タル型サルカンよりも回転性能の優れているものが多いので、軽い重りでうねりのあるポイントに仕掛けを投げる場合にも有効です。
おもに強度が必要になる大物釣りや船釣り、重い仕掛けを使う投げ釣りなどで使用されるサルカンですね。
ただしタル型サルカンに比べて価格が高いため、シーンに合わせてタル型サルカンと使い分けましょう。
スイベル型サルカンの選び方
スイベル型サルカンを使うべきシーンは、おもに強度が必要なシーンです。
スイベル型サルカンでもメーカーによって設計強度が違い、基本的には強度が高いものは価格も高いので、用途に応じてサイズが小さくても強度があるものも検討してみましょう。
また、構造上スイベル型サルカンは回転がしやすく、ヨリモドシとしての性能も高いです。
フッ素加工によってさらに回転しやすく、耐久性も高いものもあるので、より繊細なラインを使うようなシーンにおすすめです。
釣り用サルカン:自作仕掛けも簡単に「トリプルサルカン」
その名の通り3方向にラインを結ぶことが可能で、いわゆる枝スを使う仕掛けづくりに役立ちます。
初心者では自作仕掛けを作るときに、枝スの結びでつまづくことが多いので、トリプルサルカンを用いればスムーズに仕掛けを作れますね。
T字にラインがつなげられるのものや、手裏剣状のものなどがあるので、用途によって使い分けましょう。
トリプルサルカンの選び方
ほかのサルカンと同じく大きさと強度で選ぶのはもちろん、トリプルサルカンには、ラインの方向によって種類があります。
T字で、力糸からまっすぐ下に一方、力糸に対して直角に一方出せるものがよく使われています。
同付き仕掛けの枝スなどが具体的な使い道ですね。
夜釣り用ならサルカン自体にビーズが組み込まれているものもおすすめです。
三方サルカンはメインラインから足を生やすように2方向に向かって枝スを伸ばせたり、リングがそれぞれ自由に動くようになっているものもあります。
枝スを自由に動かしたい泳がせ釣りなどでも有効ですね。
釣り用サルカン:仕掛けチェンジを効率的に「スナップ付きサルカン」
釣りでは、実際に仕掛けを投げてみて、魚の反応によってより有効な仕掛けに取り換えるというシーンもよくありますよね。
そんなときに使うと助かるのがスナップ付きサルカンです。
タル型、もしくはスイベル型のサルカンの片方に、ワンタッチで開閉できるスナップが装備されているので、メインラインにスナップ付きサルカンを結んでおけば、ラインの交換がスムーズに完了します。
完成仕掛けに標準装備されていることも多いですね。
ルアーとの結束にも使えますが、サルカンの抵抗でルアーの動きを邪魔してしまうこともあるので要注意です。
スナップ付きサルカンの選び方
スナップ付きサルカンは、スナップの強度が比較的低いため、ほかのスナップより耐荷重が低いことが多いです。
このためサイズで選ぶと結果的に強度不足になりがちなので、しっかり強度を確認したうえで購入するのがおすすめです。
汎用性を考えれば8号を中心に選ぶといいですね。
特殊なものですが、もしスナップでウキを交換したい場合には、ウキ用のスナップ付きサルカンがあります。
不要なラインを減らしてラインがらみも減らせるので、スナップ付きサルカンでウキを結束したい場合にぜひ検討してみてくださいね。
釣り用サルカン:複雑な仕掛けも簡単にチェンジ「ダブルスナップサルカン」
片方がリングになっているスナップ付きサルカンに対し、両方にスナップが装備されているのがダブルスナップサルカンです。
例えばトリプルサルカンに集魚灯やコマセかごを付けるなど、複雑な仕掛けを組むときに非常に便利ですね。
関節が多く、スナップの強度も使うたびに落ちてしまうため、重いものを取り付けるときには強度をよく確認して取り付けましょう。
ダブルスナップサルカンの選び方
ダブルスナップサルカンの使い方はさまざまなので、具体的にこれといった選び方はありません。
ラインを結束する場合にはもちろん強度は重要ですが、やはり強度に劣るので注意が必要です。
強度が重要な仕掛けに使う場合には、スナップが抜けにくい設計になっているものがおすすめです。
集魚ライトなどを取り付ける場合には、あまり強度は必要ないものの、長さが重要になります。
短いと動きが悪く、長すぎると糸がらみのリスクも上がるので、取り付けるものの目的も考えてサイズを選びましょう。
それぞれ利用シーンが違うので、自分の釣りのスタイルや、使う仕掛けに合わせたサルカンを選びましょう。
消耗品なので注目されないパーツですが、こだわることできっと釣りを快適にし、釣果にも繋がってくれるはずです。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。