アルペンスキーとノルディックスキーはまったくの別もの
アルペンとノルディックといわれて、すぐに「ピン」とくる人は、かなりスキーについての知識がある人でしょう。
どこが違うのかわからないという人が多いとおもいますが、実はこの2つは、スキースタイルだけでなく、スキー板やブーツにいたるまで異なっています。
詳しい違いについて説明する前に簡単にいうと、アルペンは普通に斜面を滑り降りるスタイルで、一般的に「スキー!」というと、大抵はアルペンのことをいいます。
それに対しノルディックというのは、雪原を歩いたり登ったりすることと、覚えておくとわかりやすいと思います。
では、2つのスキーについて、もう少しくわしく説明していきましょう。
スピード感あふれる滑降が楽しめるアルペンスキー
アルペンスキーは、Alpineと書きアルプス山脈のという意味で、もともとは急斜面の多いヨーロッパのアルプス山脈を安全に滑降するために生まれました。
ノルディックとの大きな違いは、ブーツのかかとが固定されているかどうかと、スキースタイル、スキー板やストックの3つがあげられます。
ポイント1:かかとを固定
アルペンスキー用のブーツは、つま先からかかとまで、ビンディングでスキー板に固定されています。
しっかりと固定されているので、ターンのときも遠心力をつかって滑れますし、激しい動きも可能。
また、すねまで覆って足首をがっちり固定するブーツですから、40度以上の急斜面でも、足に負担をかけることなく、滑ることができます。
ポイント2:滑降に特化したスタイル
アルペンスキーは、急斜面をかけ降りることに特化したスタイルといえます。
実際にアルペン競技は、滑降(ダウンヒル)、回転、大回転、スーパー大回転やコンバイドといって、いくつかの種目の複合種目がありますが、特徴は急斜面とスピードです。
猛スピードでコースをかけ降りる滑降のほかには、回転や大回転があります。
旗門と呼ばれるコースを示す旗と旗のあいだを通り抜ける競技で、回転と大回転の違いは、距離と旗門間の距離です。
回転、大回転、スーパー大回転の順番で長くなっていきます。
ポイント3:幅があり短めのスキー板
ターンが効率よくできるように幅広で、トップとテイルに比べてセンター幅が少し細くなっています。
またノルディックの板に比べると、長さも短く、基本的には身長マイナス5〜10cmぐらいが目安です。
ストックは、滑走中やターンのときにバランスをとったりするもので、あくまでも補助としてつかわれます。
長さは立って持ったときに、ひじが直角より少し下にくるぐらいの長さが目安になります。
歩いたり登ったりのノルディックスキー
ノルディックスキーは、Nordicと書き北欧のという意味で、ノルウェーやスウェーデンなどでは、交通手段としてスキーがつかわれていました。
それが、だんだんと山や丘陵を楽しむスポーツとして発展して、今にいたっています。
平面が多いため、急斜面やスピードが怖いという人でも楽しめるので、健康維持や、自然を満喫するために行う人が多いという点も特徴です。
ポイント1:かかとが自由なヒールフリー
アルペンと違い、ノルディックスキー用のブーツは、つま先だけが固定され、かかと部分は固定されていない、ヒールフリーと呼ばれるタイプです。
斜面を降りるときは固定して、平坦な道や、登りのときには、かかとを固定せずにつかいます。
滑降だけでなく、いろいろな場所を移動するには、足首をがっちり固定するよりも、かかと部分を自由にすることで、ストロークを長くすることができ、歩きやすくなっているのです。
ポイント2:歩くスタイル
ノルディックスキーは、雪の上を歩いたり、走ったりということに特化したスタイルです。
競技は、クロスカントリー、ジャンプ、そしてこの2つを組み合わせたコンバインドがあり、平坦な長距離コースを走り抜けます。
ポイント3:細長いスキー板とストック
歩いたり、走ったりなど、前に進む動きを効率よくできるように、板は幅が狭く、そしてアルペンに比べて軽量です。
長さは、身長プラス10〜15cmぐらいが目安です。
ストックは、前進するために使用し、アルペンとは異なり大切な役割があります。
長さも、アルペンよりは長くて、身長マイナス20〜30cmぐらいが目安となります。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
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