キャンプで飯盒を使ってご飯を炊いてみませんか?飯盒で炊くご飯はハードルが高いと感じてしまいますが、水に浸す時間や火力調整など、コツを抑えれば炊き立てのおいしいご飯が味わえます。今回はおいしいご飯の炊き方を筆者の経験を交えながらご紹介します。

飯盒の基礎知識

はじめに飯盒の基礎知識についてふれておきます。

飯盒の歴史

飯盒の歴史は浅く、ヨーロッパで鉄よりも軽いアルミニウムの量産がはじまる、1886年以降に開発されました。19世紀末頃には、スイス軍やドイツ軍の装備品として使用されるようになります。

日本に飯盒が伝わり、米が炊きやすく、携帯に便利なものに改良されたものが、いまのソラマメの形をした兵式飯盒です。

旧日本軍が飯盒を使用するようになったのは、明治時代の日清戦争(1894年7月25日~1895年)のときだと言われています。

戦時中に使用されていた兵式飯盒も現在一般的に普及している飯盒も、形や仕様が変わることなく受けつがれています。

飯盒の構造と仕様

今回は丸型飯盒とソラ豆の形をした兵式飯盒について説明します。構造や仕様は、丸型飯盒も兵式飯盒も同じです。

蓋はどちらも二重蓋になっていて、中蓋では2合のお米が、外蓋では3合のお米が計量できるようになっています。

本体には、水を入れるラインのしるしが刻印されており、下のラインは2合のお米を炊くときの水のライン。そして上が4合のお米を炊くときの水のラインです。

3合のお米を炊く場合は、2合のラインと4合のラインの中間まで水を入れて炊きます。また、ご飯を炊く際に中蓋に材料を入れておかずを同時に調理することも可能です。

今回は、シンプルな形をしていて対流にすぐれている丸型飯盒で、ご飯を炊いてみました。

 

飯盒でおいしいご飯を炊く方法

筆者はソロキャンプはもとより、普段の暮らしでも、毎日のように飯盒炊飯をしています。どうしたら美味しく炊けるのか、毎回試行錯誤を繰り返すこと1000回以上。

何度もチャレンジして蓄積された経験をもとに、飯盒でおいしいご飯を炊く方法について紹介します。

飯盒でおいしいご飯を炊く方法①浸水

お米をふんわりツヤツヤに炊くためには、浸水(お米を水に浸す)をさせる必要があります。夏の季節は30分程度、寒い季節は1時間〜2時間程度の浸水をおこなってください。

飯盒でおいしいご飯を炊く方法②弱めの中火にかけて沸騰させる

飯盒を弱めの中火にかけて、8分〜12分くらいで沸騰させるのが理想です(8分より短いと硬いご飯になり、12分より長いとべちゃべちゃしたご飯になる)。

そのためには、火力調節が重要。底力のある火力のほうがおいしく炊けるようです。焚火の場合は火力を強めて調節するようにしましょう。

火力のない状態で火を強くするのは難しいですが、火力のある状態でしたら、弱めることも強めることも比較的簡単だからです。

また、焚火で飯盒炊飯する場合は、焚火に熟練していないと火力調節が難しいかも知れません。はじめのうちは、火力調節がしやすい、ガスバーナーなどがおすすめです。

飯盒でおいしいご飯を炊く方法③沸騰したら中火で8分炊く

沸騰して白い蒸気がでてきたら、中火でさらに8分炊きます。このとき火が強すぎると、焦げてしまうので、中火を維持するようにしましょう。

飯盒でおいしいご飯を炊く方法④8分炊いたら火からおろして10分間蒸らす

沸騰から8分炊いたら火からおろして、10分程度蒸らします。このとき、飯盒をさかさまにするのが一般的ですが、筆者はそのままの状態で蒸らした方が、おいしく感じました。

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Greenfield編集部

【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
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