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日本人がサーフィンを楽しむようになってから60年。サーフボードの進化と共に、フィンセッティングも進化をしてきました。ここではフィンの歴史と進化について触れましょう。
 

サーフィン:シングルフィン主流の時代

サーフィン フィンセッティング

 

日本にサーフィンが伝わる以前から、海外ではすでにサーフィンは楽しまれていました。

当時はロングボードでサーフィンを楽しむ時代であり、フィンも1本のシングルフィンが主流な時代でもありました。

1960年代後半に入るとロングボードから短いショートボードに移り変わって行きます。

ロングボードの流れから、ボードが短くなっても主流なフィンセッティングは、この頃はまだシングルフィンでした。

 

サーフィン:ツインフィンが注目される時代へ

サーフィン フィンセッティング

 

ツインフィンの起源

1960年代後半にはコンテストも盛んになり、サーフボードもショートボードと短くなっていきます。

この時まだ選手が使用するボードには、シングルフィンがセットされていました。

そんな中、当時まだ高速道路も通じていないメキシコ国境にあるサンディエゴのアジュールヴィスタという町がありました。

閉鎖的でよそ者を簡単には寄せ付けないローカル色の強い土地で、今でいうレトロフィッシュと言われるサンディエゴフィッシュが産声を上げました。

スティーブ・リズという若干15歳の青年が、拾ったロングボードをぶった切ったノーズ部を利用し、デザインされた座って乗るニーボードから進化させたこのボード。

ここに大きく2つに割れたピンテールを持つテールに、2つのフィンがセットされていました。

 

ツインフィンが広がるきっかけ

当時ボードの上に立たず座って乗るといったニーボードは差別され、馬鹿にもされるところがありました。

しかし、スティーブ・リズの作ったこのニーボードの優れた性能に、魅力やメリットを感じるサーファーも現れ注目を浴びるようになりました。

噂が噂を呼び、アメリカ国内をはじめ、ハワイやオーストラリアにもそのボードの魅力が広がります。

そんな1972年、カルフォルニアのオーシャンビーチで開催されたスモールコンディションとなった世界選手権。

このサンディエゴフィッシュにメリットを感じ使用した選手2名が優勝、準優勝と結果を果たします。

さらにマーケティングの力も経て、一気にそのデザインが広まりブームが起こることになります。

スモールコンディションでは、小さな波ではドライブ性は良いものの、回転性には乏しくパフォーマンス性に劣り、小さな波で走り抜けアクションを見せるといったことが困難なシングルフィンで出場していた選手より、流れるようなサーフィンを表現できるツインフィンの方が勝るといったことを証明した結果になりました。

これをきっかけに多くのサーフボードメーカーが、大量生産しブームに火が付きます。

しかし、新たなデザインとされるサンディエゴフィッシュボードのマーケティングの注目の裏では、地元発祥として本来のデザインやカルチャーを守るローカルコミュニティーによる多くの反感な意見や妨害もありました。

そのため、その後は脚光を浴びることはなく、マーケットから消えさることとなってしまいました。

 

サーフィン:コンテストでのツインフィンブーム

サーフィン フィンセッティング

 

この時期の世界大会では、多くの選手がシングルフィンのサーフボードを使用することになります。

しかし会場となるサーフポイントによっては、このシングルフィンでのサーフィンが、バーティカルなマニューバー性に欠け、選手によっては本領を発揮できないといったデメリットを感じるようになります。

ブームやツインフィンの特性のメリットもあり、多くの選手がツインフィンのボードを使用するようになるほど、コンテスト内でもツインフィンの認知度も高まっていきます。

そんなムーブメントの中、オーストラリアのトップアスリートでありシェイパーでもあったマーク・リチャーズが、表舞台からは消えたサンディエゴフィッシュのツインフィンをコンテスト向けにデザインし、ツインフィンサーフボードを開発しました。

この時すでにアスリート&シェイパーであるリノ・アベリアにより、サンディエゴフィッシュを改良したツインフィンを開発し、活躍を見せていました。

マーク・リチャーズは、リノ・アベラにボードを売ってくれないかと頼みましたが、このとき断られます。

そこで知り合いのシェイパーであるディック・ブリューワーと共に、シングルフィンの明快さとツインフィンの自由さを両立させたオリジナルなツインフィンの開発に至ります。

開発したそのツインフィンで4年連続の世界王者を達成し、アスリート向けのツインフィンブームが一気に始まります。

 

サーフィン:スラスターブームの時代へ

サーフィン フィンセッティング

 

アスリートサーフィンの中でもツインフィンブームが浸透していくなか、このツインフィンに相性の良さを感じていないサーファーがいました。

オーストラリアのトップアスリートでありシェイパーであるサイモン・アンダーソンです。

彼は大柄でパワフルなサーフィンを心情として活躍しているトップサーファーでしたが、ツインフィンのルースな反応が彼にはどうも合いませんでした。

そこでもっとドライブを聞かせられ、大きなラインのマニューバーでパワフルなサーフィンを表現できる、シングルフィンとツインフィンのメリットを両立させたセッティングはできないかと開発をはじめます。

当時からシングルフィンに小さなサイドフィンをセットするシングル+スタビライザーや、キャンベルブラザーズ開発のボンザーデザインといったボードはすでに存在していました。

このデザインをヒントに、3本すべてのフィンの大きさを同じにしたスラスターデザインを1981年に誕生させます。

このデザインが、コンテストシーンが盛り上がってきた時代にマッチします。

サイモン・アンダーソン自身、また多くのトップアスリートサーファーが、このスラスターデザインで多くの実績を残していきます。

それに伴い、マーケティングの影響と共に、今でも主流となるスラスター(トライフィン)ブームに繋がっていくことになります。

 

ネオクアッドブーム

1980年代のはじめ、トライフィン主流に入った時にも4フィンは存在していました。

しかしトライフィンブームにより、そのデザインは脚光を浴びることはありませんでした。

2000年に入り、新たにこの4フィン(クアッド)が見直されることになります。

昔の4フィンは、ツインフィンを4つに分けたレール側にフィンをセットしたセッティングが主流となっていました。

しかし新たなネオクアッドの発想は、トライフィンのセンターフィンをふたつに分けるといった考えのものになります。

現在では5プラグにして、トライでもクアッドでもマルチに楽しめるサーフボードを、多くのメーカーが販売しているほど人気を得ています。

ライター

Greenfield編集部

【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。