宮古島のダイビング
宮古島は大小8つの島々からなる宮古諸島の中心となる島です。
そして、宮古島のダイビングと言えば、伊良部島や下地島周辺に集中しているケーブやアーチなどの地形ポイントを思い浮かべるダイバーも多いはず。
しかし、ダイナミックな地形が続く宮古島東南の東平安名付近では回遊魚も多く見られ、とくにパナリ島周辺ではイソマグロやマンタといった大物回遊魚も回ってきます。
さらに、宮古島北部にある池間島の北約5~16kmには、南北約10km、東西約6.5kmにも及ぶ日本のグレートバリアリーフと呼ばれる大小100余りのサンゴ礁も点在しています。
宮古島なら、地形、大物、サンゴと、まさに3拍子揃った沖縄らしいダイビングを楽しむことができます。
宮古島エリア別の潜り方
宮古島のダイビングスポットは大きく「伊良部・下地エリア」「東平安名エリア」「八重千瀬エリア」の3つに分かれます。
各エリアのダイビングの特徴を見てみましょう。
伊良部・下地エリア
伊良部・下地エリアには宮古島を代表する穴、ドロップ、ホール、トンネルとあらゆる地形が密集しています。
通り池や魔王の宮殿、トリプルスリーなどそれぞれに個性豊かな地形ポイントが約15個前後もあり、地形派ダイバーにおすすめのエリアです。
東平安名エリア
宮古島の東南にある観光名所・東平安名崎の豪快な地形そのままに、石灰岩地質特有の奇怪かつ楽しい地形ポイントが並びます。
岬を流れる強烈な流れと共に巨大なイソマグロやバラクーダなどがやってくるパナリ島は透明度も島内随一で圧巻の迫力です。
八重千瀬エリア
宮古島の北部に突き出る大サンゴ礁群が八重千瀬です。
年に一度、旧暦の3月3日に水面に突き出る幻の大陸は、総面積が宮古島そのものに匹敵するほど大きく、周囲は各種サンゴの品評会ができるほど美しいエリアです。
宮古島のトラベル情報とアフターダイブ
宮古島は東京から約3時間、大阪から約2時間半の直行便が出ており、ダイバーのみならず一般観光客の間でもその人気は高く、高級リゾートもあり、ビーチも美しく、繁華街も充実しています。
もちろん那覇から飛行機で行くこともでき、こちらは約45分で1日6~8便出ているので那覇を経由してもそれほど不便はありません。
また、那覇から船で行くこともできますが、この場合は約11時間かかるので観光で行くには不向きといえるでしょう。
沖縄本島に次いで人口の多い島であり、いつも活気に満ちあふれ、陸も海も実に魅力的な島です。
宮古島のシーズナリティ―
宮古島のシーズナリティを見てみましょう。
- 3~6月: スズメダイやベラなどの幼魚で海は満ちあふれ、コブシメの産卵も盛んになります。運が良ければハッチアウトシーンなども見られるシーズンです。
- 7~9月:7月はベタ凪、8~9月も台風さえ来なければ絶好のシーズンです。強い太陽光線が差し込み、地形のコントラストも鮮やかに楽しめます。
- 10~11月:10月いっぱいは水温28℃ぐらいと高めです。ツマジロオコゼなどの珍しい魚も現れるほか、そろそろマンタが期待ができるシーズンになります。
- 12~2月:マンタシーズン真っ盛りです。ポイントへ向かうボートの上でマンタの出迎えを受けることもあり、どのエリアでもマンタが現れる可能性があります。
とくに、秋から冬にかけて期待できるマンタは、大きいものでは横幅約8m、体重は約3tに達するそうです。
宮古島のアフターダイブ
宮古島市内には多くのホテルや民宿があり、果実園からドイツ村、クラブから居酒屋、郷土料理、ゴルフ場と街と観光の要素が一体になっているので、アフターダイブも楽しみが満載です。
レンタカーで伊良部大橋を渡りビーチを巡る島一周はおすすめです。
また、ブリーズベイマリーナや東急リゾーツなど、宮古島のゴージャスなリゾートホテルでまったりと南国気分を味わいながらのアフターダイブもおすすめです。
宮古島のダイビングポイント15選
つづいて、宮古島を代表する人気のダイビングポイントを見てみましょう。
通り池
通り池は宮古島を代表する地形ポイントのひとつで、アーチ状の形をした水中洞窟を水深25m辺りにキープしながら50mほど先に進んでいくと、陸にある二つの池に出られるという世界的にも珍しい地形を楽しめるポイントです。
中性浮力のしっかり取れる中級者以上のポイントになり、北風が吹かないと潜れないので冬場の11月~3月頃がメインになります。
牛さんありがとう
牛さんありがとうは、宮古一長いケーブダイビングを楽しめるポイントで、コースも色々あるので初心者から上級者までそれぞれ楽しむことができます。
また、ここは一番遅い時期までマンタが見られる場所なので、マンタに会いたいダイバーにもおすすめのポイントです。
パナリtoパナリ
パナリtoパナリはイソマグロの大群などかなり大物が期待できるダイナミックなポイントですが、潮の流れがかなり強く人もあまり入らないため上級者向けのポイントになっています。
風向きなどで時期によっては送れない場合もあるので事前に確認しておきましょう。
魔王の宮殿
魔王の宮殿は複雑に入り組んだ地形のところどころに穴があるとにかく警部が多いポイントです。
入り口から差し込む光が幻想的できれいなポイントですが、南西の風が吹くと潜れないため6月~7月以外の時期であればまず大丈夫です。
八重干瀬プロビデンス
多数のポイントが点在する八重干瀬は、初心者から上級者まで楽しめるバリエーション豊かなポイントです。
サンゴや魚はもちろんですが、潮の流れの当たるところではイソマグロやナポレオンといった大物を見ることもできます。
また、ゴールデンウィークの頃はちょうど産卵時期にあたり、テンジクダイやキンギョハナダイの大群を見ることができます。
七又アーチ
七又アーチは、海面の内側でえぐられた崖が、何本もの柱が立っているように見える奇怪な地形が楽しめるポイントです。
明るい海に差し込んでくる光は幻想的なコントラストを見せてくれ、水深も15~16mと浅いので初心者でもリラックスして潜ることができます。
ムイガー
ムイガーは、水深30mに広がる真っ白な砂地が見所で、天気の良い日に潜ると圧倒されるほどきれいです。
付近にはミニケーブルやトンネルもあり、サンゴが群生している棚もありハナゴンベ、イソギンチャクカクレエビ、ハナゴイの群れが見られ、たまにナポレオンが現れることもあります。
ガオーの宮殿
ガオーの宮殿は、北風の強い冬場によく行く代表的な地形ポイントで、入り組んだ地形が楽しくクマノミやスズメダイの種類も数多く見られます。
大きな岩の下がポイントになっており、その岩がちょうど大きく口を開けて叫んでいるように見えるためにこう呼ばれています。
牛さんコワイヨーホール
牛さんコワイヨーホールは、長い真っ暗なトンネルの中を水中ライト片手にひたすら進んでいきますが、幅も2~3mほどしかなく所々に割れ目があるため、まるで迷路に入り込んでしまったようなポイントです。
水深は深いところで25m程あり、スリルを求める地形派ダイバーにおすすめです。
サンゴホール
サンゴホールは、穴の壁面にソフトコーラルがびっしりついていることが名前の由来になっているポイントです。
大きく開いた出口の穴が角度によってハート型に見えるのが特徴で、岩場の陰にはキンチャクガニやツバメタナバタウオ、アオギハゼなどの魚も見られます。
ホワイトチップシャークが穴の中に住みつくこともあり、トンネルの中は真っ暗なので水中ライトを忘れないように持参しましょう。
一ノ瀬ドロップ
一ノ瀬ドロップは、水深3m辺りから垂直に切り立ったダイナミックなドロップオフが水深40mまで続いているポイントです。
5階建てのビルが立ち並んでいるような大きな岩を見下ろしながら中性浮力が上手く取れれば、まるで空を飛んでいるような感じが味わえます。
また、カスミチョウチョウウオの群れも見所のひとつです。
中の島ホール
中の島ホールは、まるで古井戸のような縦に長いL字型のケーブを潜っていくポイントです。
浅瀬と深場の両方に出入り口がありますが、おすすめは深場からのぞく外海で、光が織りなすさまざまなシルエットはとても幻想的です。
大きなアカククリやイソマグロなどが見られる時もあります。
ミニグロット
ミニグロットは、ケーブから浮上する時の光のシャワーが素晴らしく、その幻想的な世界を堪能するには午前中1本目に潜るのがおすすめです。
ケーブ浮上後に見られる魚は、夏から秋にかけてはカツオやキビナゴ、冬場だとタツウミヤッコやタツノハトコなどで一年を通してオールマイティに楽しめるポイントです。
アントニオガウディ
アントニオガウディは、宮古三大地形ポイントのひとつでスペインの建築家アントニオガウディの造形を思わせるような地形が楽しめるポイントです。
洞窟の至るところに蜂の巣状にボコボコと穴が開いていて、まるでドーナツのようにも見えます。
6月から梅雨明けまでのシーズンには、浅場で何万匹もの群れをなすキンメモドキも見られます。
トリプルスリー
トリプルスリーは、1つの大きな根が3つに分かれてアーチ状になっている面白い地形のポイントです。
ナポレオン、マンタ、ロウニンアジといった大物と出会える確率も大きいので、地形と共に楽しめるポイントです。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
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