秋冬キャンプの寒い季節は、ストーブが欲しくなるものです。テント内でストーブを使うなら、一酸化炭素中毒に注意しましょう。少しの意識で防げる事故があります。本記事では、一酸化炭素中毒から身を守るために大切なポイントついて紹介します。
テントの換気をする
ストーブを使うときは、新鮮な空気をテント内に取り込み、しっかり換気するのがポイント。効率的な方法を詳しくみていきましょう。
ベンチレーションを全開にする
テントにあるすべてのベンチレーションを全開にし、新鮮な空気をテントの中へ取り込みましょう。
一般的なテントでは、冷たい空気をアンダーベンチレーションから取り入れ、暖かい空気をトップベンチレーションから排出する仕組み。この空気の流れを途切れさせないことが、換気のポイントになります。
風が強い日は、ベンチレーションが風に押されて閉じやすくなるので、こまめにチェックしてください。どうしても閉じてしまう場合は、ストッパーを利用するなど、工夫を施しましょう。
テントの出入口を開ける
テントの一部は開けておきましょう。寒いときはとくに、テントを完全に閉めたくなりますが、それはNG。密室状態になり、空気の流れが滞るからです。
ベンチレーションをすべて開放しているときでも、テントを完全に閉めきらず、フライシートの一部分は、常に開放しておきましょう。
ツールを活用する
換気が基本ですが、換気をしやすくする、また、目視できない一酸化炭素をチェックするツールがあると、重宝します。
サーキュレーターで空気を動かす
テント内の空気の循環のために、サーキュレーターがおすすめです。テント内に気流が発生すると、空気口の役目をしているベンチレーションから、空気が排出されやすくなります。
下部のベンチレーションが1つしかなかったり、上部のベンチレーションが小さかったりといった、空気が循環しにくい構造のテントでも、風を起こすことで、強制的に空気の流れをつくりだせます。
テントの大きさに関わらず、ストーブを燃焼させるなら、サーキュレーターもセットで準備するとよいでしょう。ストーブの近くに配置すると、より効果を発揮します。
②一酸化炭素チェッカーでモニターする
ストーブを使用するときは、テント内の一酸化炭素濃度を計測するチェッカーを用意しましょう。なぜなら、一酸化炭素は、においで気付けないうえ、中毒症状を引き起こす危険があるからです。
一酸化炭素は、密室状態や換気が不十分な環境などで、知らない間に充満します。とくに気を付けたいのは、薪ストーブを使用しているときです。薪ストーブに煙突があっても、一酸化炭素が空気中に充満する危険性はおおいにあります。
一酸化炭素は、人体に深刻なダメージを与える有害物質で、視覚や嗅覚で確認ができないガスです。しっかりと換気をするのが一番の対策ですが、チェッカーを使うと、換気がきちんとできているかどうかを確認できます。
就寝時は消火する
就寝時には、ストーブを消しましょう。一酸化炭素中毒の多くは、火の不始末によるものです。炎の見えない熾火(おきび)状態でも、一酸化炭素は発生しているので注意が必要です。炎が消えたからと、正しく鎮火せずにいると、一酸化炭素中毒のリスクが高まります。
寝るときの火の始末は徹底しましょう。就寝中の寒さが心配なときは、火を使わない湯たんぽや電気毛布などを活用すると暖かく過ごせます。
また、薪ストーブの場合、煙突が煤で詰まっている場合があります。煙突が詰まると空気の流れが悪くなり、テント内に一酸化炭素が充満しやすくなります。
煙突をはじめ、ストーブ本体や付属するものについては、安全対策はもちろん、暖房効果を高めるためにも、定期的なメンテナンスを心掛けましょう。
テント内で使用できる薪ストーブについての記事はこちらをご覧ください。
ストーブは寒い季節のキャンプを快適にするために活用したいアイテムです。暖かく、調理にも活用できて便利ですが、火気を使用するため、安全対策に気を配る必要があります。テント内で使用するなら、まずは換気を第一に考えて過ごしましょう。そして、就寝時は必ず消火してください。一酸化炭素中毒は死亡事故につながるほど危険度の高いトラブルです。換気や火元の管理を徹底して、寒い季節もキャンプを楽しみましょう。
ライター
Greenfield編集部
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