再生可能エネルギーってなんだろう?
再生可能エネルギーとは、地球上で起きるさまざまな現象によって、自然に生み出されたエネルギーのことです。
電気やガスなど、私たちの生活に必要なエネルギーは、さまざまな資源から作られています。
たとえば、石炭や石油、天然ガスのような「化石燃料」は、植物やプランクトンが長い年月をかけて変化してできたもの。日本でつかわれているエネルギーのほとんどは、この化石燃料です。
一方で、再生可能エネルギーは、太陽や水、風、地熱のような自然の力によって生み出されます。今後の私たちの生活を支える心強い味方として、注目されているんですよ。
再生可能エネルギーにはどんな種類がある?
再生可能エネルギーの、主な種類をご紹介します。
発電の種類 | 仕組み | 特徴 | デメリット |
太陽光 | 太陽の光や熱を利用して発電する。 | ・日当たりのよい場所であれば、どこでも発電できる。
・住宅屋根や壁など、さまざまな場所を活用できる。 ・くもりや雨の日は発電量が少なくなる。 |
・夜間には発電できない。 |
風力 | 風でブレード(翼)を回転させて発電する。 | ・山岳部や海岸など、さまざまな場所が発電に適している。 | ・ブレードがむきだしになっているため、鳥の衝突や落雷への対策が必要になる。
・設置場所によっては、騒音が問題になる。 |
水力 | 水の流れを利用して水車を回転させ、発電する。 | ・小規模な設備でも、安定的な発電ができる。
・他の発電方法と比べて、管理や維持にかかるコストが安い。 |
・水車が回るくらいの流水量や勢いがある場所を必要とするため、発電場所が限られている。 |
地熱 | 地中の熱を利用して発電する。 | ・発電で発生する蒸気や熱水は、農業用ハウスや魚の養殖に利用できる。 | ・地中環境の調査に時間がかかる。
・建設場所が限られている。 |
バイオマス | 木くずや家畜のふん尿など、生物由来の資源を利用して発電する。 | ・廃棄物を利用するため、資源の有効活用になる。 | ・資源の種類によっては、収穫や運搬にコストがかかることがある。 |
再生可能エネルギーの具体的な取り組みについては、こちらの記事もご覧くださいね。
再生可能エネルギーへの取り組み!アウトドアブランドの事例や個人でできること
再生可能エネルギーはなぜ必要なの?
再生可能エネルギーは、将来にわたってつかい続けられる貴重な資源です。再生可能エネルギーの大きな特徴は、くりかえし何度も利用できること。つかい続けるといずれなくなってしまう化石燃料と違って、枯渇する心配がありません。
また、再生可能エネルギーには、つかったときに二酸化炭素をほとんど出さないという特徴もあります。石油や石炭などの化石燃料を燃やすと、地球温暖化の原因になるのはご存じのとおり。
地球温暖化が進むと、生き物の住む場所が失われたり、作物が育たなくなったりと、生活に影響が出てきます。環境問題が深刻化するなか、地球にやさしく、枯渇しない再生可能エネルギーが必要とされているんです。
再生可能エネルギーはどのくらい普及しているの?
私たちが暮らす日本で、2019年に再生可能エネルギーによって生み出された電気の割合は約18%でした。まだまだ化石燃料の利用が高いことがわかります。
海外に目を向けてみると、再生可能エネルギーによる発電量の割合がもっとも高いのはオーストリア、約77%にものぼります。なぜ日本では、再生可能エネルギーの普及が進んでいないのでしょうか。その背景には、2つの理由があります。
まず、再生可能エネルギーの導入にはたくさんのお金が必要です。日本では、発電機の材料を買う費用が、海外に比べて約1.5倍、建設費は約2倍かかるとされています。海外より、発電施設をつくるハードルが高いのです。
もうひとつの理由は、電力ネットワークが整っていないという点です。国同士が陸でつながっているヨーロッパでは、万が一、天候の影響で発電量が少なくなっても、送電線を通じて電気を供給しあうことができます。しかし、島国の日本では難しいですよね。
再生可能エネルギーの普及率の低さには、こうした日本に特有の事情が影響しているのです。
参考:NHK「脱炭素先進国・オーストリアと比べてみた!日本と何が違うの?」
再生可能エネルギーを普及させるための制度って?
再生可能エネルギーを普及させるために、日本ではいくつか取り組みが行われています。今回は、FIT制度とFIP制度についてご紹介します。
FIT制度
再生可能エネルギーでつくられた電気のうち、使わなかった分を、電力会社が一定価格で買い取る制度です。対象は事業所だけでなく、一般家庭でつくられた電気も含まれます。
しかし、FIT制度には、国民への負担がかかってしまうという問題がありました。電気を買い取るための費用の一部は、電気料金に上乗せする形でまかなわれます。再生可能エネルギーの導入が進むことで、国民の負担が増えててしまうのです。
そこで新たに再生可能エネルギーの普及に向けて始まったのが、次に説明するFIP制度です。
参考:資源エネルギー庁
FIP制度
2022年にスタートした、再生可能エネルギーでつくられた電気を時価で販売できる制度です。
電気の価格は決まっておらず、時期によって変動するもの。前述のFIT制度では、いつ、どんなときに電気をつくっても、販売価格は変わりません。一方、FIP制度では、変動する価格に合わせて販売できます。
FIP制度のねらいは、発電事業者のあいだに競争をうながし、 需要がある時により多く発電してもらうこと。効率的な発電によって、電気の買い取りにかかる費用を削減することが期待されています。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
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