レシャペベルというレースについて
レシャペベルは、毎年8月末に開催されるトレイルランニングのレースです。
このレースでは、フランス南東部・オーヴェルニュ・ローヌアルプ地方のイゼール県と、サヴォワ県にまたがるフレンチアルプス、ベルドンヌ山脈を縦走します。
ちなみに、レシャペベルのレシャペ(échapper) という動詞には、「逃げる・逃れる」といった意味があります。
そして、フランス語の定型表現で、L’échapper belle (レシャッペベル)と「なんとか助かる」、「無事になんとか切り抜ける」、といった意味があります。
この他にも、L’échappée(レシャッペ)には、「 旅行」という意味もあります。
さらに、大会の主催者によると、レシャッペベル(L’échappée belle)のベルには、ベルドンヌ山脈の意味もこめているそうです。
大会名には、たくさんの意味がこめられているんですね。
たしかに、100キロをこえるような長いトレイルを走るのは、なんだか旅をするのに似ています。
レシャペベルという大会名は、「あ~、なんとかこの厳しいコースを切り抜けた!助かった!ベルドンヌ山脈の旅は、いい旅だったなぁ!」という完走者達の気持ちを見事に表しています。
この大会は、2013年に第1回目が開催され、今年2018年は、第6回となります。
日本の著名なトレイルランナー、トレイルランナーの中でも山岳志向の強い、山本健一さん・望月将悟さん等もこのレースに参加しています。
山本健一さんは、第3回(2015年)に、29時間11分で 2位、望月将悟さんは、昨年(2017年)に、30時間12分で 5位に入っています。
参考サイト
L’échappée belle – ultra traversée de belledonne –
コース概要
レシャペベルのコースは、全長144km、累積標高は11,000mになります。
標高250m から2950mに広がるコースを、15の峠、氷河などをこえながら、山小屋から山小屋へと進みます。
シャモア(野生のヤギ)ブクタン(エイベックス)、マーモット、雷鳥などが見られる、とても自然豊かなコースです。
ウルトラトレイルのレースとして有名なモンブランのレース「UTMB」 は、コースの全長は171km、累積標高は10,000mなので、それと比較してみると、レシャペベルは、距離がより短く、累積標高がより多くなっていることが分かります。
レシャペベルは登山の要素が多く、なかなか走れない、という特徴があると言えます。
ちなみに、UTMBの制限時間が46時間30分で、男子の1位が20時間くらいで推移しているのに対し、
レシャペベルは、制限時間が56時間で、男子の1位が27-28時間くらいで推移しています。
レシャペベルは、Ultra mountain national tourの9つのレースのうちの1つになっています。
参加者に配られるROADBOOKには、コースの地図のほか、地点から地点までの距離や標高、そして地形等の難易度が色分けされて細かく書かれた表が載っています。
レース中のペース配分や、選手の応援の際にタイムを予測したりするのにも役立ちます。
参考サイト
L’échappée belle ROADBOOK : 144km / 85km / 57km
現地までのアクセス
レースでは、周回ではなく、ベルドンヌ山脈を南から北へ縦断するため、スタート地点とゴール地点が違います。
ゼッケンを受け取るために、選手はまずゴール地点のエイグベル(Aiguebelle)に行って、レースの前日に受付を済ませる必要があります。
エイグベルはとても小さな町ですが、エイグベルから、電車で30分ほどにシャンベリー(chamberry)という町があります。
電車で来る場合は、シャンベリー経由がおすすめです。
また、ヨーロッパでは、ブラブラカー(blablacar)という相乗りのシステムがとても普及しています。
電車やバスなどの公共交通機関では行きづらい場所も、このシステムを使うと安く早く行くことがきるので、興味のある方はチャレンジしてみてください。
エイグベルには体育館があり、眠る場所やシャワーが完備されています。
スタート前はそこで休んだり、近くの公園にテントを張って休んだりできます。
当日の早朝は、スタート地点のVizille(ヴィジーユ)まで送迎バスがでます。
ライター
Greenfield編集部
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