ヨーロッパで人気の北欧アウトドアブランド「ルンドハグス(Lundhags)」。アウトドアプロダクトグループ「BRAV(ブラブ)」が、正規輸入販売をはじめました。まだ日本ではあまり知られていない、ルンドハグスの歴史や製品をご紹介します。

ルンドハグス(Lundhags)の誕生

ルンドハグスは、さまざまなアウトドアシーンで活躍し、長く愛されているブランドです。靴職人のJonas Lundhag(ジョナス・ルンドハグ)によって、1932年に設立。スウェーデンのイェムトランドで、アウトドアを愛する人に向けたブーツづくりがはじまりました。

1960年代にセルラーゴム(発泡ゴム)を使用した、革新的なアウトドアブーツが誕生。このブーツは快適さ・機能性・品質に優れ、北欧で販売後すぐに多くのユーザーから支持を得ました。

それ以降、北欧ではアウトドアブーツのパイオニアといわれるまでに成長。機能と耐久性を重視しながら、さまざまなラインナップの製品を発表してきました。現在も知識と伝統が受け継がれ、ユーザーの声に耳を傾けながら、ものづくりに反映させています。

また、「流行に左右されない、生涯にわたって長く身につけてもらう」ことがルンドハグスのビジョンです。アウトドアをつうじて、人々の生活がよりよくなるように、情熱をもって製品をつくりつづけています。

ルンドハグス(Lundhags)の製品について

ルンドハグスは、優れた耐久性・高機能・環境に優しい製品づくりをしています。世界でも厳しい基準といわれているBluesign(ブルーサイン)に認証された、品質基準の高い製品です。

「ユーザーの健康・環境への配慮・資源の節約」を考え、1年を通してさまざまなシチュエーションに対応できるものづくりと、開発を心がけています。長く着られる上質な製品をつくりだすために、とくに力を入れている3つを詳しく見てみましょう。

①優れた耐久性

すべての製品が、長期間使用することを前提につくられているので、耐久性に優れています。素材は自然由来で高品質の素材を選び、職人の技術を高くして、長く愛用してもらえる製品を開発。万が一壊れてしまっても、可能な限り修理できるようにしました。

ルンドハグスのブーツは、リノベーションをして、親から子へ譲り受けることがあります。耐久性のある製品は、手入れと修理をすることで、世代を超えて語り継がれる思い出の品となるのです。耐久性を突きつめる理由がここにあります。

②高機能

ルンドハグスでは、長年の開発と改良を重ねて、独自に3層の防水ラミネート生地を開発しました。あらゆるアウトドアシーンで活躍できるように、高機能でデザイン性のある設計を常に目指しています。

また、厳しい基準に基づいてフィールドテストを行い、品質を保証。自社の製品が、ユーザーの高い要求と期待に応えられるように、世界に通用する技術力を培っているのです。

③環境保護への取り組み

自然破壊や資源の枯渇が深刻化するなかで、できるだけ環境に影響が少ない素材を選択しています。

たとえば、耐久性がある高品質のレザーやリサイクル素材・オーガニックコットン・ミュールジングフリーのメリノウール(ミュールジングとは、羊への虫の寄生を防ぐため、子羊の臀部の皮膚と肉を切り取ること)などです。

また、環境破壊をもたらすフッ素炭化物の使用をやめました。化学仕上げなしで、アウトドア製品に防水性や撥水性・通気性を備えて製品化するのは簡単なことではありません。

しかし、環境保護に繋げるために、次のことに注力しています。

リサイクル素材を使用している

世界各地で、大量に捨てられる衣服が問題になっています。捨てられた衣服には、石油を原料とする科学繊維がつかわれているため、分解されずに土壌汚染の原因になっているからです。

ルンドハグスでは、環境保護の活動に力を入れ、可能な限りリサイクル素材を使用しています。

自社で開発したLPC(Lundhags PolyCotton)生地は、100%再生ポリエステルとオーガニックコットンの複合繊維です。ストレッチ部分には、90%リサイクルポリアミドを用いています。

破棄する予定だったものを再利用することで資源を維持し、環境に負担をかけずに利用できるのです。

出典:サステナブルファッション|環境省

オーガニックコットンを使用している

ジャケットやパンツのメイン素材で用いられているLPC生地は、オーガニックコットンを100%使用しています。オーガニックコットンとは、厳しい基準をクリアした「有機栽培」による、肌に優しい綿のことです。

普通のコットン栽培では、害虫駆除や落葉剤など、多くの化学肥料と農薬がつかわれます。しかし、オーガニックコットンを育てることで使用する水が減り、危険な農薬や肥料をつかわなくなり、土壌や水質汚染が少なくなるのです。

フッ素炭化物を使用しない

ルンドハグスでは、2014年に発売されたハードシェルを機に、すべての製品と工程でフッ素フリーを達成しました。

フッ素炭化物とは、人工的につくられた有害な化学物質です。耐火性があり、油・シミ・水を弾く性質があるため、アウトドア製品の撥水剤としてつかわれてきました。

ところが、フッ素炭化物は分解されにくく、長期にわたり蓄積し、環境汚染の問題になっています。この問題をクリアしたルンドハグスは、環境保護にこれからも貢献していくでしょう。

出典:日本分析科学会

lundhags ルンドハグス

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この記事を書いた人

Yuki

幼少期からキャンプや釣り、スキーなどを楽しむアウトドアファミリーで育つ。10代後半は1人旅にハマりヨーロッパや北米を中心としたトラベラー期となる。現在もスキー、スノーボード、ダイビングなど海や山で活動中。「愛する登山」は低山から厳冬期の雪山まで季節問わず楽しむhike&snowrideなスタイル。お気に入りの山は立山連峰!Greenfield登山部/部長の任命を受け部活動と執筆活動に奮闘中。