モーグルの主な大会は?
フリースタイルモーグルの主な世界大会として、先ずは、毎年開催される国際スキー連盟(FIS)主催のワールドカップが挙げられます。
ワールドカップに出場するには、日本の場合、FISに所属する全日本スキー連盟(SAJ)公認の大会に出場し、FISポイントを一定数獲得しなければなりません。
ワールドカップは順位に合わせたポイント制になっており、数か国で開催されるワールドカップを転戦して獲得したポイント数によって総合順位を競います。
2年に1度開催される世界選手権も大きな大会です。こちらもFIS主催の大会で、毎回奇数年に行うことで、冬季オリンピックと重ならないようにされています。
4年に1度の冬季オリンピックは、これらの大会の成績・ポイントをもとに、FISとオリンピック組織委員会によって選ばれた選手が出場します。
オリンピック前にケガをしてしまった有力選手が、オリンピック本番で結果を残せなかったりしたときに、棄権して他の選手に出場権を譲るべきだったのでは?と議論になることがありますが、FISのポイントをクリアした選手でないと出場権がないため、棄権しても枠は埋まらないということも起きるのです。
モーグルのルールと採点基準はどんなもの?
モーグルのルールには、フォールラインを外さないことや、エアの回転数の制限などあります。
フォールラインを外したら減点対象となりますし、エアも回転数を上げ過ぎると着地がリスキーになるため、失敗したときにエア点だけではなく、ターン点にも響いてしまいます。
モーグルは採点競技なので、高得点を狙おうとすると、必然的にルールに従う形となるわけです。モーグルの採点基準は、2018年現在、ターン60%、エア20%、タイム20%です。
ターンでは、カービング技術、上半身の安定性やボディポジション、体の伸縮等を総合的に採点します。停止、転倒、お手つき、フォールライン変更、ストックの2度つきなどが減点の対象となります。
派手な動きで注目を集めるエアですが、採点基準としては2割だけで、1エア10ポイント×2、技のそもそもの難易度と、回転回数や方向、グラブの有無、ポジション等、技の完成度で採点されます。
タイムについては、コースの長さに合わせて基準タイムが定められ、このベースタイムのポイントに各選手のフィニッシュタイムを加減して最大20ポイントで採点します。
つい華麗なエアにばかり注目してしまいますが、出場国によってターンの仕方に特徴があったり、教科書的な美しいターンの選手がいると思えば、スピード重視でとにかくまっすぐ攻めてくる選手がいたり、ターンに注目してみるのも面白いですね。
大きいエアは見栄えもよく、会場では歓声を誘いますが、飛び過ぎて次のコブでターンする準備が遅れ、点数が伸びなかったり、それでも果敢に挑戦してくる選手がいたり、採点競技ならではの色々な駆け引きが見られるのもモーグルの楽しみです。
世界のモーグル事情
日本はこれまでに有力選手も多く輩出しており、モーグル強豪国ともいえる国ではありますが、一般的には4年に1度の冬季オリンピックのときに話題に上がるくらいで、マイナースポーツの部類かもしれません。
でも、国によっては、有力選手は国内において知らない人はいない!というくらいのセレブだそうです。
特に盛んな国としては、モーグル発祥の国アメリカ、最近特に強いカナダ、オーストラリア、北欧ノルウェーやデンマーク、フィンランド、フランスやロシア、カザフスタン等です。
以前はあまり盛んではなかった韓国や中国の選手も、強豪国からコーチを呼び、どんどん実力をつけてランキングを上げています。
フィンランドのヤンネ・ラハテラや、ノルウェーのカーリ・トローは、いっとき絶対王者として君臨した伝説のスター選手ですが、どちらの国もその後彼らほどのスター選手を出しておらず、王者の国も次々と入れ替わりを見せています。
モーグルコースはどのように整備する?
大会で使用するモーグルコースには、長さや斜度、エア台の位置などに決まりがあります。コース全長235m±35m、平均斜度は28度±4度で、最大37度、最小20度。
エア台2つを設置する位置は、第一エア台はスタートから15%の位置、第二エア台はフィニッシュから20%の位置に作ります。
均一のリズムで刻まれたコブは、圧雪車で互い違いのウェーブを作成しフォールラインを決めてから、コブ部分をスコップやスキー板で整えて作成します。
コブ部分に雪を盛ったりポールを立てたりしてから、人々が同じ場所を丁寧に滑って作成する方法もあります。
エア台は雪を積んで作成し、選手がランディングするエリアには雪を撒いてならし、穴が開いたりしていない状態に整備します。
モーグルコースは、フォールラインが途切れたりせず、均等なコブで、斜面が急に変化したりしない、均一なコースを作成しなくてはならないのです。
ライター
Greenfield編集部
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