レンジャー(自然保護官)とは?!
レンジャー(自然保護官)は、アメリカやカナダなどの国立公園で自然保護活動を行うために設けられました。
日本でも、昭和28年(1953年)に自然公園法が制定され、全国の国立公園にレンジャー(自然保護官)を配置して、公園や公園内の施設の認定、管理などを行っています。
現在、レンジャー(自然保護官)は、全国に33カ所ある国立公園の自然保護官事務所に約100人が配置されています。環境省では、現在の100人の人員を2020年までに倍の200人まで増やす方針を固めています。
レンジャー(自然保護官)を増員させることで、自然体験ツアーなどを充実させ、訪日外国人の誘致に結び付けようという狙いがあります。
2020年に国立公園を訪れる訪日外国人の数を1千万人の大台に乗せることを、環境省はもくろんでいます。
レンジャー(自然保護官)の具体的な仕事内容!
さまざまな許可申請に関する仕事
国立公園内は自然保護の観点から、公園内の開発、樹木や植物の採取、ならびに動物の狩猟などが禁止されています。
調査などやむを得ない場合に限り許可を認可する審査を行っています。
公園計画の作成
国立公園内では、自然公園法に基づいて自然環境が保護されています。保護されている区域には規制のゆるいエリアと厳しいエリアがあり、公園計画によって区分けしています。
この区分けは、定期的に更新されており、入念に調査して計画案を作成するのがレンジャー(自然保護官)の仕事です。
公園内における保護管理のための巡回活動
国立公園内において、動物の密猟や植物の不法採取などを取り締まるパトロール活動などを行っています(動物の密猟や植物の不法採取は、自然公園法違反となり、厳しく処罰されます)。
また、登山道や遊歩道の安全点検なども行っています。
公園内にある設備の整備や管理運営
国立公園に訪れた観光客の方に自然に親しんでもらえるように、ビジターセンターや休憩所、トイレ、展望台などの施設整備を行っています。
施設整備のための業者への依頼、監督などがレンジャー(自然保護官)の仕事です。公園内にある施設の管理運営も行っています。
自然保護や美化活動
ボランティア活動を行っているグループや民間の組織などと連携して、自然環境の保護やもとの状態に戻す修復活動などを推進しています。
また、「全国一斉クリーンデー」などを定めて、国立公園内の清掃活動にも力を入れています。
ビジターセンターなどでの環境教育に関する取り組み
ビジターセンターなどを中心にして、国立公園の豊かな自然を訪れる方に知ってもらう活動を行っています(環境教育の推進)。
自然観察会や自然に親しんでもらえるようなさまざまなイベントを開催しています。
自然環境保全地域や世界自然遺産地域の保護管理、希少野生生物の保護や外来生物の規制、里山里地の保全・再生なども大切な業務です。
参照:環境省
どうしたらレンジャー(自然保護官)になれるの?
レンジャー(自然保護官)になるためには、国家公務員採用試験に合格して環境省に入り、I 種自然系技官もしくは II 種自然系技官の職員として採用され、レンジャー(自然保護官)に任命される必要があります。
環境省ではなく、林野庁から出向するルートもあります。
I 種自然系技官は、国家・種試験区分「農学」にパスしなくてはいけません。
学歴などの規定はありませんが、22歳から33歳までの年齢制限が設けられています(II 種自然系技官の年齢制限は22歳から29歳まで)。
国家・種試験区分「農学」試験は1次試験と2次試験があり、1次試験では、一般教養試験と専門試験があります。
1次試験に合格したら、2次試験があり、論文と記述式専門試験、面接が実施され、この試験にパスして環境省に採用されたら、晴れてレンジャー(自然保護官)となれます。
レンジャー(自然保護官)などんな人が向いている?
自然やアウトドアが好きなことはもちろん大切ですが、自然保護についての強い使命感を持っている人が向いています。
試験はかなりの難関、強い意志が必要です。公園内の巡回業務などもあるので、登山の知識や体力にも自信があるという人がいいでしょう。
レンジャー(自然保護官)は、大自然の中でアクティブに活動しているイメージがありますが、実はデスクワークが多く、書類作りや資料作り、関係する部署の調整役といった作業があります。
貴重な動物の生息状況を調査するための捕獲に必要な作業員の手配や、調査したデータをまとめる作業などもあります。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
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