「食品ロスには興味があるけれど、何から始めればいいのか分からない」「日常の買い物でも、お得に地球に優しいことができたらいいな」と、自分にできることを探している人も多いはず。今回は、2026年1月にアジアで日本が初めてのサービス開始国となった、食品ロスに貢献できるアプリ「Too Good To Go」をレポートします。お宝を受け取るようなワクワクと社会貢献!最後までお楽しみください。

「Too Good To Go」ってどんなアプリ?

Too Good To Go、食品ロス

「名前は聞いたことがあるけど、実際はどんな仕組みなの?」「本当にお得なの?」そんな疑問を持っている人もいるかもしれません。

「Too Good To Go」は、単なる割引きやクーポン付与アプリではなく、日常のお買い物を通して食品ロス削減に参加できる新しいフードシェアリングの仕組みです。まずは、その基本的な仕組みから見ていきましょう。

北欧発のサステイナブル

Too Good To Goは、2015年にデンマーク・コッペンハーゲンで誕生したフードシェアリングアプリです。まだおいしく食べられるのに廃棄されてしまう食品を、アプリを通して消費者とマッチングします。

日本では、クリスピー・クリーム・ドーナツや大手コンビニチェーン・ファミリーマート、ニューデイズに加え、焼きたてパンの専門店チェーン・ドリームオンも参入しています。

そのほか、ホテルやレストラン、スーパーマーケットなどの「サプライズバッグ」を定価の25〜50%オフ※で提供しています。お店を探す際には、登録した自宅や職場の住所や現在地など、選択したエリアのお店がアプリ内に表示され便利。

さらに、日本では「料理・惣菜」「パン・菓子類」「食材・生鮮食品」「花・植物」「ペットフード」「ベジタリアン」など、ジャンル別に検索できるので、自分のライフスタイルや好みに合わせてサプライズバッグを効率よく探すことができます。

忙しい日でも、食べたいものや家族向けの商品を見つけやすいのがうれしいポイントです。

※参考:Too Good To Go

アジアでは日本が初の展開国

「Too Good To Go」がアジアで最初の展開国になった背景には、複数の要因があります。日本の年間食品ロス発生量は約464万トン※1にも上り、賞味期限よりも前に商品を入れ替える商習慣なども、廃棄率を上げる一因とされています。

こうした課題を抱えるなかで、日本では食品ロス削減に対する社会的関心が年々高まっています。国や自治体、企業が具体的な数値目標を掲げ、対策を進めていることもその現れです。

食品ロス削減を事業の中心に捉える同社にとって、取り組みの意義が大きい環境だといえます。

また、日本に根付く「もったいない」とういう価値観も重要な要素です。この考え方は、「まだ食べられる食品を無駄にしない」というToo Good To Goの理念と一致しており、サービスとして受け入れられやすい土俵があると考えられます。

さらに、スマホ・キャッシュレス普及率が高く、モバイル注文に慣れているという点も、導入ハードルを下げる理由になったでしょう。こうした社会背景を踏まえ、アジア初の展開国として、2026年1月に日本でサービスが開始されました。

現時点では、渋谷・新宿・目黒を中心に80店舗以上※2の事業者が「Too Good To Go」に参加しています。今後さらに店舗数は増え、地方都市部へも広がっていくことが期待されています。

参考:
※1 環境省 我が国の食品ロスの発生量の推計値(令和5年度)の公表について
※2 Too Good To Go

実際にスイスでレスキューしてみた

Too Good To Go、食品ロス

スイスでも人気のアプリ「Too Good To Go」を実際に使用してみました。ここからは、リアルな体験談を紹介します。

食品ロスアプリを使おうと思ったきっかけ

アプリを使い始めたきっかけは、スーパーの閉店間際に値引き商品がずらりと並ぶ光景を目にしたことでした。このまま売れなければ、行く末は廃棄かもしれない。

そう思うと、「もったいない」と感じるだけで終わらせていいのだろうかと考えるようになりました。残った商品をうまく活用しながら、消費者である自分にも何かできることはないのか。そんな思いが芽生えたときに出会ったのが、このアプリです。

日々の買い物を通して”もったいない”を具体的な行動に変えられる仕組みは、食品ロス問題を「自分ごと」として捉えるきっかけになりました。

地元のSPAR(シュパール)で初挑戦

Too Good To Go、食品ロス

最初に利用したのは、近所のスーパー「シュパール(SPAR)」です。購入方法も簡単。アプリでお店を検索し、数タップで予約と支払いが完了。操作がとてもシンプルでした。

サプライズバッグの中身は、支払い時にはわかりません。しかし、低価格で購入できるので、どんなお宝が入っているのかワクワクしながら支払いも完了できました。

上記の写真の内容にプラスして、にんじん1キロ、ジャガイモ600g、レタス1袋が入って合計金額は、5.9フラン(約1,190円)。お店で半額商品を購入するよりも、アプリを使用した方が、お買い得感は高かったです。(2026年2月時点のレート)

受け取りは、指定時間に店舗へ行き、予約画面を提示して受け取りボタンをスワイプするだけ。スタッフと確認が取れると、用意されていたサプライズバッグを受け取ります。

シュパールのサプライズバッグは買い物カゴに入っていました。中にはヨーグルトやフルーツ、にんじん、サラダ、ジャガイモなどが数点。合計金額を考えると、かなりお得です。

「今日はこの食材で何を作ろうかな?」と夕食のレシピを考える時間もまた楽しいもの。予定外の食材が入っているからこそ、料理の幅が広がる感覚がありました。

街のベーカリーは宝の山

Too Good To Go、食品ロス

次に利用したのは地元のベーカリー。パン屋さんのサプライズバッグはクオリティも高く、満足度も抜群でした。基本的に中身は選べませんが、このパン屋さんでは残っている2種類のパンのうち、どちらかを選ぶことができました。

アプリを使用しての支払い金額は、7.5フラン(約1,510円)。食パン1斤の値段が、通常だと4.8フラン(約970円)、サンドイッチは1個5.6フラン(約1,130円)なので、家計にも優しいお値段設定です。我が家もパンが大好きなので、アプリ内のお気に入りに登録しておきました。

店員さんによると、私のほかにもこのサービスを利用している人がいるそうで、実際に私よりも早い時間にパンを受け取りにきたお客さんもいたとのことでした。

食品廃棄の削減と売り上げ確保の両立ができる点は、店舗側にとっても大きなメリットだと感じました。

「Too Good To Go」を120%楽しむコツ

Too Good To Go、食品ロス

実際に使ってみて感じたのは、単に安く買えるだけのサービスではないということ。 少し意識を変えるだけでも、楽しさも満足度も変わります。

せっかく始めるなら単なる節約アプリとしてではなく「宝探し」と「社会貢献」を同時に楽しむ感覚で使ってみてほしいです。私がスイスで使いながら見つけた、より充実した体験にするためのコツをご紹介します。

お気に入りのお店を登録しておく

人気店のサプライズバックは売り切れてしまうこともあるので、先にお気に入り登録しておくのが便利です。

行ってみたい場所、友人におすすめされた店舗、一度利用してよかったお店などを、すぐに検索できるように、お気に入り登録しておくと、見逃し防止対策になりますよ。

「何が入っていてもOK」の気持ち

サプライズバッグは、基本的に何が入っているのかわかりません。だからこそ、「今日はどんな宝物が入っているのかな?」というワクワク感が生まれます。

完璧を求めるのではなく、偶然を楽しむ姿勢で楽しみましょう。

家族と一緒に体験する

スーパーで値引き商品を見るたびに「売れなかったらどうなるの?」と聞いてきた息子と一緒にレスキュー体験することで、食品ロス問題を体験として学ぶ機会になりました。

単なる節約ではなく、「もったいない」を救う行為。その行動が地球環境を守る一歩につながっているというメッセージが、自然と伝わったように感じています。

Too Good To Goは、日常の買い物という身近な行動を通して社会貢献ができるアプリです。食品ロス削減と家計の節約を同時に叶えられる点が大きな魅力。一方で、閉店時間に合わせて取りに行く必要があるという側面もあります。それでも「お宝をレスキューする」という前向きな気持ちで利用すれば、買い物の時間がより豊かになります。提供する側も購入する側も地球に優しくなれる。ぜひ皆さんも、買い物しながら社会貢献を楽しんでください。

アルパガウス 真樹

ライター

アルパガウス 真樹

スイス在住の40代主婦。息子とスイスの自然を楽しみながら、さまざまなアクティビティに挑戦。夏は森の中でのBBQやハイキング。海のないスイスでは、湖水浴が定番なので、夏季は湖沿いで過ごしたりSUPを楽しんだりしています。現地からスイスの自然との触れ合いをお届けします。