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小さいお子様やまったく泳げない方は、海水浴に少し不安があるのではないでしょうか。今回は現役のライフセーバーが、みなさんに安全に海水浴を楽しんで頂く為に、水辺の事故原因に多い「離岸流」の影響や、安全ツールとなるPFDの予備知識と活用方法についてご紹介致します。

離岸流ってそもそも何ですか?

海水浴 離岸流 ライフジャケット

毎年後を絶たない水難事故ですが、海水浴シーズンとなる7月~8月にかけてはその発生件数が急増します。

そんな水難事故の中で、海で遊泳しているときに溺れてしまった原因のひとつが離岸流です。離岸流とは、波打ち際から沖合に向かう流れのことで、その速さは秒速1mを超えることさえあると言われています。

また、離岸流が発生している場所は水底が不安定で踏ん張ることができないため、足が着く深さであっても浜側へ戻るのは容易ではありません。

自分の意志とは裏腹に沖合へ流されることでパニックを起こしてしまい、溺れにつながるケースがほとんどです。

どんなに泳ぎに自信があっても、離岸流を甘く見てはいけません。逆にサーファーの方は、この離岸流に乗って沖に出るぐらい、強い潮の流れとなります。

 

見分ける方法教えます!!

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離岸流が危険であることは分かったけど、どのように離岸流を見つければいいのでしょうか?最も簡単な方法は、海水浴場にいるライフセーバーに聞くことです。

彼らは海況を見極める能力に長け、離岸流が発生している場所を見分けることが得意なので、自分で探すなんてできないかも・・・と思う方はぜひライフセーバーに聞いてみてください。

その日どの場所で離岸流が発生しているか丁寧に教えてくれるはずです。自分でも離岸流を見極めたい!という方のために、いくつかポイントをお教えします。

  • 周りの水に比べ、一か所だけ沖に向かって濁っている場所がある
  • 漂流しているごみが集まり沖合へ流れていく
  • そこだけ波が崩れにくい(もしくは崩れない)
  • 海水温が急に変化する場所(必ずではありません)

上記以外にも、サーファーが沖合へ出る際に使うルートとして離岸流を利用していることも多いので、サーファーの動きから見分けることもできます。

もし離岸流の発生が疑われる場所があれば、なるべく離れたところで遊ぶようにしましょう。

 

離岸流に流されてしっまたら?

 

離岸流に流されたときに気を付けなければならないのは、決してパニックを起こさず冷静であること。

手足をバタつかせると浮くことすらできなくなってしまうので、大きく息を吸い、身体に無駄な力を入れないで呼吸の確保に努めます。

がむしゃらに浜辺を目指して泳いでも体力を消耗するだけなので、まずは浮くことに専念しましょう。

離岸流自体は海岸から離れるほど弱まっていくので、流れがおさまってから海岸と平行に泳ぎ、離岸流から抜け出してから浜辺に戻るようにするのが望ましいでしょう。

 

PFDってナニ??

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PFDとは、Personal Flotation Deviceを略したもので、ライフベストやライフジャケットという名称で知られる上半身へ装着する浮き具の総称です。

海や川、湖などで行われるウォーターアクティビティで着用することが多いPFDですが、最近では海水浴で子どもに着せている方も増えてきています。

PFDの持つ性能としては、浮力を確保できること、保温能力があること、衝撃から身を守ってくれることなどがあげられます。

浮き輪やゴムボートといった浮き具とは違い、体にしっかりフィットさせて抜け落ちないように使用するため、子どもが突然浮き具から転落する心配もありません。浮き具のように膨らませる手間もいらず、持ち運びしやすい大きさなのも魅力です。

 

PFDを選ぶなら桜のマークが目印

最近では大型のホームセンターやアウトドアスポーツ用品店などに置かれることが多くなったPFDですが、いざ買うとなるとどれを選べばいいか迷いますよね。

そんな時に参考にしてほしいのが、国の定めた型式承認試験に合格した「型式承認品」です。「型式承認品」には桜をモチーフにしたマークが印字されます。

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型式承認試験の項目を簡単にまとめたものがこちらです。

  • 誤った方法で着用されないように作られたものであること

  • 浮力5kg以上(体重 40kg未満の小児用は浮力 5kg 以上、体重 15kg未満の小児用は浮力 4.0kg以上)

  • 非常に見やすい色のものであること

  • 顔面を水面上に支持できるものであること

  • 笛がひもで取り付けられていること

参照:国土交通省 海事局

それ以外にもいくつかの試験を通過できたものが「型式承認品」となることができます。製品の性能が保証されていないものを使用すると、すぐに破損する恐れもありますので購入時はぜひ桜のマークが付いているものを探してみてください。

オーシャンライフ 小型船舶小児用救命胴衣 Jr-1M型
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オーシャンライフ 小型船舶用救命胴衣 C-II型
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PFDを最大限活かすために

海水浴時、PFDを用いることで水辺の事故を未然に防げることは前述しましたが、PFDを着用している際に足が付かないところへ流されてしまった場合や、船の転覆などで海上へ投げ出されてしまった場合に、PFDを着用した状態で救助を待つ際に知っておきたいポイントをご紹介します

  • HELP(Heat Escape Lessening Posture)

HELPとは、PFDを着用した状態で体温を奪われにくくする浮き身の姿勢のことです。

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出典 gilana.org

膝を曲げあごを引き、両脇をしめて小さくなり、頭は水面に出して楽に呼吸ができるようにします。

  • ハドルポジション

ハドルポジションとは、複数人で救助を待つ際に用います。

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HELPの姿勢のままで円を描くように寄り集まり、互いの腰や肩、PFDなどにつかまり顔を見合わせながらお互いに励まし合って救助を待ちます。

PFDを着用していない人がいれば、PFDを着用している人の間に入れてあげることで浮力を確保してあげることができ、ひとりでいるよりも体温が奪われにくくなります。

また、目立つ色のPFDを着用して寄り集まっていれば、ひとりでいるよりも発見されやすくなるので、ぜひ覚えておいてください。

最近は海水浴場でPFDを着ている子どもたちを多く見るようになりましたが、サイズが合っていなかったり、ベルトの締め付けが甘かったりと正しい着用が出来ていない場面を多くお見受けします。

近くにライフセーバーがおりましたら、是非気軽に声がけしてみてください。正しい着用方法をサポートしてくれる事でしょう。

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毎年夏になると水辺の事故がニュースで取り上げられますが、おそらく自分事として捉える人は少ないのではないかと思います。しかし、海(自然)で遊ぶ以上は、安全面への予備知識や対策方法などにも興味を持って頂きたいと思います。大切な人を守ることが出来るように、安全を再確認した上で思いっきり楽しんで下さいね。

ライター

Greenfield編集部

【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。