「ひざ痛」の原因
「ひざ痛」にはいくつかの要因がありますが、ほとんどのケースで言えることは、「ひざの歪み」が原因です。
ひざは長時間立って仕事をしたり、長い距離をランニングしたり、ウォーキングしたりすることで体重がかかり、ひとりでに歪んできます。
ひざ関節の周囲にはたくさんの筋肉が複雑に絡み合っています。筋肉疲労を起こして硬くなった筋肉は、疲労や体重によって歪んだひざ関節を引っ張って、さらに歪みを増幅させます。
ひざ関節の歪みが、無理な方向に筋肉を引っ張ることで「ひざ痛」を発症させます。また、ひざ関節の歪みは、骨と骨の間で潤滑剤の役割を果たす軟骨の一部分を摩耗させ、歩けないほどの激痛を生じさせることがあります。
つまり、ひざ関節の歪みが、ひざ周辺のほとんどのトラブルの原因になっているのです。
「ひざ痛」改善には「リセット」が肝心!
どうしたらひざ関節の歪みからくるさまざまなトラブルを予防できるのでしょうか。まず、ひざ関節の歪みを解消することが先決問題です。
ひざ関節は、1日中立って仕事をしたり長時間歩いたり、ランニングしたりすることで体重がかかり歪んできます。人には寝ている間にひざ関節の歪みをリセットする機能が備わっています。
寝ている間に脳細胞を休ませてリセットさせるのと同じです。ただし、ひざ関節の歪みがあまりにひどかったり、寝相が悪くてひざを曲げたまま寝たりする人は、ひざの歪みがリセットされないまま翌朝を迎え、さらに歪みがひどくなっていきます。
この場合は、簡単なストレッチでひざ関節の歪みをリセットすることが可能です。ひざ関節の歪みをリセットする方法はいたって簡単。
お布団の中で寝ているとき、または、ソファーで横になってくつろいでいるときに足を伸ばすだけです。カラダを横たえて、背伸びをする要領で足をまっすぐ伸ばしてください。
足を伸ばしたときにヒザ周辺の筋肉に力を入れましょう。足を伸ばした状態で5秒ほどキープし、5秒したらゆるめます。これを5回から10回、気がついたときでかまわないのでやってみましょう。
ひざ伸ばし運動によって、歪んでしまったひざの関節が元通りにリセットされます。ひざに力を入れて緩める運動によって、ひざ周辺の筋肉がリラックスして、正しい位置にスタンバイします。
これで、ひざに無理な引っ張り荷重がかからなくなるはずです。運動したあとは、筋肉を正しい位置にもどして関節の歪みをリセットしておくことが大切です。
ランニングのあとは横になってひざ伸ばし運動をしてください。正しい位置にリセットしたひざ周辺の筋肉が、ひざ関節を正しい形で固定してくれます。
布団に入って寝る前にちょっと思い出して、ひざ伸ばし運動をやってみましょう。
「ひざ痛」を改善する効果的なストレッチ
運動のあとは硬くなった筋肉をほぐして柔らかく!
登山やウォーキング、ランニングをしたあとは、ひざ関節周辺の筋肉が硬くなっています。運動をしたあとは、簡単なストレッチで筋肉をほぐすようにしてください。
階段などのへりにつま先を置いて、ふくらはぎとアキレス腱を伸ばしましょう。腰まわりの特に骨盤周辺にある大きな筋肉もほぐすようにしてください。
大きく空に円を描くように上半身を回すだけでも効果的です。ラジオ体操の第1番や2番でもかまいません。お風呂上りのカラダが柔らかいうちにストレッチをするとより効果が期待できます。
タオルを使ったより効果的なひざ伸ばし運動
ひざの下に丸めたタオルを置いて、押しつぶすようにしてひざ伸ばし運動をすると、力が入りやすくまっすぐひざが伸びます。
また、足首の下に丸めたタオルを置いてひざ伸ばし運動をすると、ひざの裏側が伸びてより効果的です。
副骨筋を伸ばす30秒ストレッチ
膝関節をゆがめるい主な要因として副骨筋のこわばりが挙げられます。副骨筋が疲労して硬くなり、膝関節を引っ張って歪めることが膝痛の原因になっていることがよくあります。
この場合は、副骨筋を伸ばすストレッチが有効です。以下の動画でわかりやすく副骨筋を伸ばす30秒ストレッチが紹介されているので、膝痛で悩んでいる方はお試しください。筆者はこのストレッチで膝痛を解消することができました。
お皿のストレッチもオススメ
「ひざ痛」の患者さんに、お皿のストレッチを推奨している整形外科の先生もいます。
お皿のストレッチを行う前に、足をまっすぐ伸ばして力を抜き、膝蓋骨(しつがいこつ)(お皿)が水平に動くかどうか確認してください。
お皿のストレッチは、お皿のふちを両手の親指で押して、上下左右(8つの方向に)に動かしてみましょう。押す時間は1回5秒程度です。
お皿のストレッチは3分ほどがベスト。1日2回を目安に行いましょう。押して痛い場合は、関節包というひざ関節を包む袋状の被膜(ひまく)が硬くなっている証拠。
少しずつならしてゆっくり動かしていくようにしてください。