冬の防寒対策に欠かせない、使い捨てカイロ。使用後にそのまま、ゴミとして捨ててしまっていませんか。実は使い捨てカイロは、さまざまな方法で再利用できます。「捨てる」から「活かす」へ、使い終わったカイロを活用してみませんか。
使い捨てカイロを再利用する方法4選
使い終えたカイロは、日常生活から環境保全の活動まで、さまざまな場面で活躍します。簡単にできる、4つの取り組みを紹介します。
①消臭剤として使う
使い終わったカイロは、そのままの状態で消臭剤として利用できます。靴箱や冷蔵庫などに置いておけば、気になるにおいを消してくれます。
消臭剤として利用できる理由は、使い捨てカイロの中身に活性炭が含まれているため。活性炭には、においの成分を吸着して、消臭してくれる性質があります。
靴やブーツなら、カイロを袋のまま差し込めば簡単に消臭できます。シューズクロークや冷蔵庫の消臭には、中身を取り出して使用するのがおすすめです。活性炭を直接空気にさらすことで、さらに消臭効果を高められます。
②除湿材として使う
使い捨てカイロは、消臭だけでなく、除湿にも活躍します。カイロに含まれている活性炭や鉄粉、バーミキュライトなどに、湿気を取る性質があるためです。除湿材としてクローゼットや靴箱にカイロを入れておけば、湿気を吸い取ってくれます。
使い捨てカイロを上手く利用して、湿気やにおいがこもりがちなクローゼットや靴箱を快適に保ちましょう。
③土作りに使う
植物を育てるための土作りにも活用できます。使い捨てカイロに含まれているバーミキュライトは、通気性・保水性に優れた成分。観葉植物やガーデニング用の肥料や土にも含まれています。また、使い捨てカイロの主成分である鉄粉も、土壌改良に効果的です。
ただ、使い捨てカイロのなかには、植物にとって有害な成分が含まれているものもあります。土壌改良に使用できる場合は、パッケージに表記があるので。使用前に確かめておきましょう。
商品によっては、カイロに含まれている塩分を取り除く必要があります。最も手軽な方法は、コーヒーフィルターを利用して、カイロの中身をドリップする方法。お湯で中身をドリップすることで、余分な塩分がろ過されます。
④企業に寄付する
使い捨てカイロを環境のために有効活用したい方には、「Go Green Group」の環境保全活動に参加する方法がおすすめです。使い終わったカイロを利用して、汚れた水をきれいにし、水質を改善するプロジェクトを応援できます。
カイロが水をきれいにするしくみ
Go Green Groupは、使用後済みのカイロを、個人や企業、自治体などから回収しています。集められたカイロは工場に送られ、特殊な技術で加工。指先でつまめるほど小さなキューブに形を変えます。
できあがったキューブには、汚染の原因になる物質と反応したり、水質を浄化する微生物を助けたりして、水をきれいにするはたらきがあります。このキューブが汚れた川や海などに投入され、水をきれいにするための活動に利用されるしくみです。
捨てられるはずだったカイロが水質改善に役立てる取り組みには、多くの企業や自治体が賛同。全国各地の、企業や小中学校、公共施設などで、カイロの回収が実施されています。
使い捨てカイロを寄付する方法
使い捨てカイロを回収ポストに入れるか、まとめて梱包し、指定の住所に向けて送る方法があります。2022年~2023年シーズンの使い捨てカイロの送付先は以下の通りです。
GoGreen物流センター愛知 行
052-444-5110
使用済みカイロを送付する場合は、温度が完全に下がってから発送しなくてはなりません。ビニール袋に入れて口を縛り、段ボールなどで発送しましょう。
出典:GoGreenGroup
使い捨てカイロを再利用するときの注意点
再利用方法が幅広い使い捨てカイロですが、いくつか注意点もあります。注意事項を守り、正しく利用しましょう。
持続時間が短い
使い捨てカイロを、消臭剤や除湿剤として再利用した場合、効果は長持ちしません。一時的な効果は感じられますが、長期利用には向いていないので、頻繁に取り替える必要があります。
また、季節や温度、湿度によっても、効果の持続時間は異なります。消臭や除湿の効果が感じられなくなったら、新しいものと取りかえる、量を調整するなど、利用方法や取替え時期を工夫しましょう。
正しく分別して捨てる
使い捨てカイロを再利用した後は、正しい分別方法で捨てることを意識しましょう。使い捨てカイロが、可燃ごみなのか、不燃ごみなのかは、各自治体によって分別方法が分かれています。処分する前に、各自治体がの分別ルールを確認しておくことが大切です。
使い捨てカイロは、体を温めるだけでなく、使用した後にも意外な再利用方法があります。消臭・除湿剤として利用する方法は、生活の中でだれでも手軽に取り入れられる方法としておすすめです。また、使い捨てカイロを集めて送るだけで、海や川をきれいにするプロジェクトを応援できます。一度使って捨てるだけではもったいない使い捨てカイロ。この記事を参考に、新しい使い道を見つけてみてはいかがでしょうか。
ライター
AYA
静岡県出身。海と山に囲まれた自然豊かな環境で育ち、結婚後に、タイ・バンコクへ移住。病気がきっかけで、ヴィーガンのライフスタイルに目覚める。現在は、2児の母として子育てに奮闘しながら、人と環境にやさしいサステナブルな暮らしを実践中。自身の経験をもとに、ヴィーガン、環境問題、SDGsについて情報を発信している。