中央アルプスはどんなところ?3つの特徴
中央アルプスは、別名「木曽山脈」とよばれ、長野県飯田市から岡谷市にかけて伸びる中央構造線の西側にそびえる山脈です。中央構造線をはさんで東側には南アルプスがそびえています。
以下では中央アルプスの特徴について項目別に紹介します。
①3,000m級の山がない
中央アルプスの最高峰は標高2,956mの木曽駒ケ岳です。南アルプスや北アルプスに比べて、3,000m級の山が存在しないところが中央アルプスの特徴。別名を木曽山脈と呼ぶように、東西の幅が狭く単一な山脈の地形をしているところも大きな特徴です。
②大規模な高山植物の群生地がある
中央アルプスには、高山植物の種類が多く、いたるところに群生地があります。とくに駒ヶ岳ロープウェイで登ることができる千畳敷カールが有名で、夏には150種類以上の高山植物が一斉に開花します。
③南部エリアは登山者が少ない
越百山(こすもやま)より南の山脈にある奥念丈岳・安平路山・摺古木山などの山々は登山者の数が少ないため、ゆったりとした気分で静かな登山を楽しむことができます。
山脈の縦走ルートは比較的なだらかなため、登山初心者のかたにもおすすめです。
初心者でも登れる中央アルプスおすすめの山
中央アルプスの登山初心者のかたでも登れるおすすめの山を紹介していきます。
木曽駒ケ岳
木曽駒ケ岳の標高は2,956mで、中央アルプスでいちばん高い山です。尾根伝いに宝剣岳や木曽前岳、三沢岳などがあり、迫力のある縦走登山を楽しむことができます。
おすすめポイント:千畳敷カール
標高2,600mの千畳敷カールは夏の時期、美しい高山植物の花が開花し、見ごろを迎えます。
千畳敷カールには高山植物を鑑賞するための遊歩道が設置されており、夏場には高山植物の宝庫であるお花畑を散策できます。
登山ルート | 駒ヶ岳ロープウェイを使って標高2,600mの千畳敷カール駅まで登り、宝剣岳や中岳を経て尾根伝いに北へ1㎞ほど(所要時間は約2時間)行くと木曽駒ケ岳の山頂に到着します。 |
アクセス方法 | JR飯田線の駒ヶ根駅前にある駒ヶ根高原バスターミナルからバスとロープウェイを乗り継いで約50分で千畳敷カールに到着します。 |
空木岳(うつぎだけ)
空木岳は標高が2,864mあり、中央アルプスでは木曽駒ケ岳に次いで標高の高い山です。南北に走る中央アルプスの主稜線上にあり、シーズンにはたくさんの登山客でにぎわいます。
おすすめポイント:空木平カール
氷河に削られた独自の地形を持つ空木平カールは、森林限界にあたり、高山植物の宝庫として知られています。
登山ルート | 中央アルプスの主稜線上に山頂があるため、千畳敷カールから木曽駒ケ岳に登頂し、南方向へ空木岳まで縦走したあと、池山尾根を下るルートがよく利用されています。 |
アクセス方法 | JR飯田線 駒ヶ根駅を下車し駒ヶ根高原バスターミナルからバスとロープウェイを乗り継ぎます。千畳敷カールから木曽駒ヶ岳へ登頂したあと、南へ中央アルプスの主稜線に沿って縦走して空木岳へ到着。そのあとは池山尾根の登山道を使って下山する登山客が多いようです。 |
南駒ケ岳
南駒ケ岳(標高2,841m)は、中央アルプスの主稜線にあり、空木岳(うつぎだけ)と越百山(こすもやま)の中ほどに位置しています。
おすすめポイント:摺鉢窪カール
南駒ケ岳の東側にあるカール(圏谷)。夏には、ハクサンイチゲやシナノキンバイなどの高山植物の花が見ごろを迎えます。摺鉢窪カールの下部には百間ナギと呼ばれる崩落個所がるため、立ち入りはできません。
登山ルート | 南北に走る中央アルプス主稜線の縦走ルートのほか、南駒ケ岳への最短ルートとして、伊奈川ダムから尾根伝いに登るルートが一般的です。 |
アクセス方法 | 中央アルプスの主稜線を縦走する場合は、駒ヶ岳ロープウェイを使用して主稜線に登り、南へ縦走します。伊奈川ダムから尾根伝いに登る場合は、伊奈川ダム駐車場に車を停めて、尾根伝いに南駒ケ岳の山頂を目指します。所要時間は約3時間。 |
摺古木山(すりこぎやま)
摺古木山の標高は2,169mで、中央アルプス主峰の最南端に位置しています。
おすすめポイント
摺古木山の南斜面には、なだらかな湿原がひろがり、モウセンゴケが見られるポイントが点在しています。展望台からは御嶽山のほか、中央アルプス主稜線を見渡すことができます。
登山ルート | 摺古木自然園休憩舎の駐車場から中央アルプス主稜線の縦走ルートを使って山頂を目指します。 |
アクセス方法 | 大平宿から東沢林道を使って摺古木自然園休憩舎の駐車場までマイカー移動になります。公共交通機関はありません。 |
安平路山(あんぺいじやま)
安平路山(標高2,363m)は、越百山(こすもやま)よりも南の中央アルプスの主稜線にある山です。中央アルプスの南側にあたり、登山客が少ないので、静かな登山を楽しみたいかたにおすすめです。
おすすめポイント
中央アルプスの最南端に位置するため、中央アルプスの主稜線が見渡せます。
登山ルート | 摺古木自然園休憩舎の駐車場から摺古木山を経て、中央アルプスの主稜線を北東方向へ縦走して安平路山を目指します。 |
アクセス方法 | 大平宿から東沢林道を使って摺古木自然園休憩舎の駐車場までマイカー移動になります。公共交通機関はありません。 |
夏山登山・服装と装備
夏山登山の服装や装備について紹介します。
夏山の服装について
冬山ではないので、アイゼンやピッケルはいりません。しかし、夜間には真冬並みの気温になることがあるので、防寒対策は万全にしておきましょう。
具体的には、気温が下がったときに上に着られるダウンジャケットやダウンパンツをザックの中にしのばせておき、ポンチョなどの雨具も忘れないようにしてください。
具体的な装備の一覧
- 登山用のアウター(防寒着)
- 登山用のポンチョ(雨)
- 非常食(2日分)
- 携帯用ツェルト
- GPS端末
- マップ(濡れても使えるもの)
- スマートフォン