地球温暖化はなぜ起こるのでしょうか。本記事では地球温暖化の原因を説明し、その影響や個人ができる対策もご紹介しています。地球温暖化の現状を知って、今なにができるのか、考えるきっかけにしてみてください。

地球温暖化の原因とは?

地球温暖化

地球温暖化の原因は、温室効果ガスの可能性が高いとされています。主な温室効果ガスは、二酸化炭素・メタン・一酸化二窒素などです。とくに二酸化炭素は約76%、メタン約16%と、この2つで全体の約92%を占めています。

こうした温室効果ガスが増えつづけているのが問題です。なぜ増えているのか、3つの原因を挙げて説明します。

出典:気象庁「温室効果ガスの種類

原因①:工業化が進んだため

18世紀半ばの産業革命以降、生産活動は農業から工業に移りました。その結果、石油・石炭・天然ガスといった化石燃料が、大量に消費されることになったのです。何億年と時間をかけて生成された化石燃料を掘り出して燃やすと、たくさんの二酸化炭素が空気中に放出されます。

たとえば、発電やさまざまな産業、自動車や飛行機などで、化石燃料は使われつづけていますよね。人々は豊かさを求め、日常生活でもガソリンや灯油などの化石燃料を使用してきました。

とくに20世紀から大量生産・大量消費型の産業が定着したこともあり、大気中の二酸化炭素の濃度が急激に高くなったのです。

原因②:森林が減少しているため

伐採が進められて、世界中の森林が減少しています。人口が増え、森林が住まいや農地、生産拠点に変えられてきたためです。加えて、人口が増加すれば、木材が燃料として使われる量も増えますよね。大規模な森林火災も問題です。

植物は光合成で二酸化炭素を吸収します。しかし、森林の面積は減りつづけており、人類が放出する二酸化炭素を吸収しきれずにいるのです。

原因③:メタンも増えているため

前述のとおり、温室効果ガスにはメタンも含まれ、その排出量が増えています。原因については研究が進められていますが、もともとメタンは牛のげっぷなど、家畜からも排出されるものです。

また、水田でも稲わらなどの有機物が分解されて、メタンが発生します。ほかにも、化石燃料の生産や消費でもメタンは排出されますよ。

二酸化炭素だけでなく、メタンの削減についても、世界で取り組む必要があるのです。

出典:国立環境研究所「世界のメタン放出量は過去20年間に10%近く増加

 

地球温暖化によるさまざまな影響

地球温暖化

地球温暖化の影響は広範囲に及び、さまざまな状況を生みだしています。温暖化が地球に及ぼす悪影響を5つ挙げてご紹介しましょう。

海水面の上昇

地球温暖化は海面の水位の上昇を引き起こします。気温が上がれば、氷河や氷床が溶け出し、海に流れ込むからです。

環境省によると、1901年~2010年の110年間で、世界の海水面は約1.7mm上昇しました。とくに1993年~2010年の間は、1年あたり平均して約3.2mmと、海水面が急上昇していると報告されています。

海面が上昇すると、海岸の侵食や高潮などの災害が激しくなるのが問題です。また、沿岸の生態系が崩れるなど、さまざまな悪影響がでてきます。

出典:環境省「STOP THE 温暖化 2017

異常気象の増加

集中豪雨や熱波などの異常気象は、地球温暖化と密接な関係があるといわれています。温室効果ガスによって地球の平均気温が上昇した結果、降雨パターンが変わりました。異常気象が発生する頻度も高まったのです。

動植物への影響

地球温暖化は、さまざまな野生動物や植物を絶滅の危機に追いこんでいます。多くの動物や植物は、地球温暖化による急激な気候変動に対応できないからです。

WWFジャパンによれば、地球温暖化の影響を受けているジャイアントパンダなどの絶滅危機種は、約4,000種にものぼると報告されています。

出典:WWFジャパン「地球温暖化による野生生物への影響

食物への影響

農業や漁業も、地球温暖化の悪影響を受けています。以前は育っていた植物が育たなくなったり、漁獲量が減少したり、いろいろな問題が地球温暖化によって顕在化してきました。

健康への被害

地球温暖化は私たちの健康にも大きな影響を及ぼしています。日本でも夏場の高温で熱中症になりやすくなっていますが、ほかにも途上国では感染症のリスクが高まるなどです。

水温が上昇して大腸菌が増加すると、水の汚染が進みます。上下水道の設備が整っていない途上国では、大きな問題になっていますよ。

地球温暖化の今後

地球温暖化

気候変動についての政府間の組織「IPCC」の報告書によれば、今後も世界の平均気温は上昇するとされています。

具体的には、地球温暖化の対策をとらなかった場合、2081年~2100年の世界の平均気温は、2.6~4.8℃上昇するとのこと。厳しい対策をとっても、0.3~1.7℃の上昇は避けられないと予測されています。

さらに気温上昇にともなって、海面の上昇もより進行。地球温暖化の対策をとらなかった場合は、2080年代までに海面は約40cm上昇するとの報告も。そして、今世紀末には約80cmも海面の水位が上がってしまうとのことです。

同時に、海の酸性化や海氷面積の減少なども起こり、気候変動を加速させることになるでしょう。

出典:環境省「IPCC 第5次評価報告書の概要」2014年12月版

 

私たちができる地球温暖化への対策とは?

地球温暖化

地球温暖化を食い止めるために、私たち個人ができることもあります。具体的には以下のようなものです。

  • 自宅での節電
  • 買い物のときはマイバックを持参
  • 外出時はなるべく公共交通機関を利用

ちょっとしたことですが、すぐに実践できることでもあります。そのほかにも地球温暖化の問題に取り組んでいる団体に、寄付するという形でも貢献できるでしょう。地球温暖化が加速している現状に対して、今自分になにができるのか考えてみませんか。

地球温暖化はなぜ起こるのか。その原因は、二酸化炭素やメタンなどの温室効果ガスにあります。温暖化によって地球は疲弊し、さまざまな悪い影響が起こっているのが現状。地球や未来の子供の生活環境を守るために、グローバルな規模で政府や企業も地球温暖化の問題に取り組んでいます。私たち個人も、この問題に向き合わなければいけないでしょう。少しずつでも身近なところから、できることに取り組んでみてはいかがでしょうか。

ライター

Greenfield編集部

【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。