日本における代表的な高気圧
水上ボードスポーツをするなら、風のあるなしに関わらず、やはり晴れた日に楽しみたいものです。
そのためにも覆われると晴れる確率が高い日本における代表的な高気圧について、基礎知識として覚えておきましょう。気圧を知ることは、風を知る上でも大切な知識となります。
日本の代表的な高気圧:太平洋高気圧
四季が明確な日本は、春夏秋冬それぞれの季節ごとの高気圧に特徴があります。
日本の夏の高気圧の代表は太平洋高気圧です。気温が高く晴れますが、海洋性の高気圧なので湿った空気を持ち、非常に蒸し暑くなります
また湿気が多いので、高気圧の辺縁部や局地的に下降気流が弱まったとき(上昇気流が発生したとき)などは、激しい雷雨や集中豪雨なども発生します。
日本の代表的な高気圧:移動性高気圧
冬の高気圧の代表は中国大陸の奥地から広がってくるシベリア高気圧です。
シベリアの冷えきった大地が作り出す強い寒気の塊りで、吹き出す寒気がしばしは日本に流れてきて、日本海側に大雪をもたらし、太平洋側には乾燥をもたらします。
夏と冬の間の季節、つまり春と秋には中国大陸の南部から、移動性高気圧(天気図右)が日本に訪れ、かなり乾燥していて暖かく、カラッとした穏やかな晴天をもたらします。
春と秋の高気圧にはもうひとつあります。それはオホーツク海高気圧です。
日本が覆われることはまずありませんが、北から張り出してくると冷たく湿った空気を日本に送り込み、曇りや雨で気温も低くなりやすい高気圧です。
知っておきたい低気圧のタイプ
大陸の奥地でできるようなスーパー高気圧に覆われない日本では、風を生む気圧差の主役は、やはり低気圧です。
この低気圧にもいろいろなタイプがあり、その出現は季節によっても変わります。ここでは基礎知識として、低気圧のタイプを解説します。
低気圧のタイプ:温帯低気圧
日本は温帯に属しているので、普段天気予報での低気圧は、この温帯低気圧になります。
温帯低気圧は南の暖かい空気と北の冷たい空気が大きく渦を巻きながら混ざり合う現象で、低気圧には反時計回りで空気が流れ込みます。
南の暖かい空気と北の冷たい空気の接するところには、低気圧の東には温暖前線、西には寒冷前線ができます。
低気圧のタイプ:熱帯低気圧と台風
熱帯低気圧とは、亜熱帯や熱帯で出来る低気圧のことです。
風の弱いものから台風(風速が17.2m/s を超えると台風)やハリケーンのように強い勢力のものまであります。
暖かい空気だけで出来ているので前線は伴わず、等圧線が円形であることなどが特徴です。なお、温帯低気圧が発達して風速が 17.2m/s を超えても台風とは呼びません。
何hPaからが低気圧なのか?
低気圧の厳密な定義は一体どういうものなのでしょうか?
何hPa(ヘクトパスカル)を境目にして、低気圧と高気圧が分かれるのでしょうか?また、気圧が低い場所の表現で「気圧の谷」がありますが、これとの違いは何なのでしょうか?
低気圧と高気圧の境目とは
じつは低気圧と高気圧の境目というのは、厳密には定められていません。
大気圧の国際基準として標準気圧(1気圧)=1035hPaというのがありますが、それより低くても高気圧、高くても低気圧と呼んでいるケースはあり、高気圧/低気圧を分ける基準にはなっていません。
あくまで周辺の状態との相対的な存在と言えるのです。
気圧の谷とは?
低気圧(高気圧も)と呼ぶ条件のなかに、天気図上で等圧線が閉じているという条件があります。
低気圧にしても高気圧にしても、等圧線が閉じていないとそのようには呼びません。等圧線がくびれているだけの場合は気圧の谷と呼びます。
ちなみにあまり一般的ではありませんが、気圧が高く等圧線が閉じられていないところを、気圧の谷に対して「気圧の尾根」と表現することもあります。
前線の種類は4タイプ
前線には、温暖前線、寒冷前線、停滞前線、閉塞前線の4種類があります。
温暖前線は寒気より暖気の勢力が強く、暖気が寒気を押すようにして進む時にできる前線で、前線幅が広く、雨は比較的弱く、長く続きます。
逆に寒冷前線は、寒気が暖気を押しのけて進む時にできる前線で、動きが早く、雨雲も発達しやすいため、短時間に強い雨が降ります。
この前線が通過したあとは気温が下がります。
暖気と寒気の勢力が同程度で、前線がほとんど動かないのが停滞前線です。梅雨前線や秋雨前線はこの前線です。
閉塞前線は温帯低気圧内で、寒冷前線が温暖前線に追いついた時にできる前線で、どちらか強い方の前線の性質を反映します。
風と気圧の関係
風は気圧が高いところから低いところへ吹きます。
そして気圧の状態は天気図で知ることができます。具体的には同じ気圧の場所を線でつないだ等圧線の形と間隔、そして中心気圧の数値から推察します。
等圧線は1,000hPaを基準にして、太い実線で20hPa間隔、細い実線で4hPaごと、場合によっては2hPa間隔で細い破線が引かれます。
この等圧線の間隔が狭くなっていると、それだけ短い距離で気圧が大きく変化していることを現し、風は強く吹きます。
等圧線の間隔(4hPaごと)と風速の関係を計算した方のデータによると、100km:40m/s、200km:20m/s、300km:16m/s、400km:10m/s、500km:8m/sとなっています。
これは地上1000mで地上からの摩擦のない風での数値なので、実際はその半分として300kmでは風速8m/sといったところでしょうか。
SUPを楽しむには強すぎ、ウィンドサーフィンには楽しい風速と予想できます。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
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