冬の水分補給はアウトドアやスポーツでも重要です。冬だからといって水分補給をしないと脱水になることも。本記事では、冬のアウトドアやスポーツにおける水分補給について解説します。

冬でも脱水症状になる理由

水分補給 アウトドア

 

冬のアウトドアやスポーツだからといって、水分補給を怠ってしまうと脱水症状に陥ることは十分にあり得ます。

たとえば、皆さんがご存知の冬に行われる箱根駅伝。

ここでも、脱水症状に陥る選手は少なくありません。

アウトドアやスポーツなどでは、喉の渇きよりもスポーツの楽しさに意識が向きがちなので、知らないうちに脱水になっていることが多く見受けられます。

冬でも脱水症状を引き起こす理由については、人がなぜ汗をかくのかについて触れる必要があります。

ここからは、人が汗をかくメカニズムについて解説していきましょう。

 

水分は体温調節に深く関係している

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水分補給が必要な理由として、体の水分が体温調節に深く関係していることがあげられます。

人間の身体は、42度以上体温が上昇すると死んでしまいます。

スポーツにより、体の中で糖や脂肪、たんぱく質などが燃焼してすることでエネルギーになります。このとき、同時に体温が上昇するのです。

この上昇した体温が42度以上にならないように、脳の視床下部から刺激が起きて人は汗をかいて体から熱を逃がしています。

 

“身体活動は体内の化学的エネルギーを運動エネルギーに変換して営まれる。

そのエネルギー効率は全体の約20%であり、残り80%は熱となる。”

出典:長谷川博(2018).スポーツにおける実践的暑さ対策とその応用 Strength& Conditioning Journal, 25(6):2-6.

 

上記のように、エネルギーを生み出すために多くの熱が作り出されて、熱と一緒に水分を放出してしまいます。

体から熱を逃がすとき、夏は外の気温が高く体温が上昇しやすいので汗になりますが、冬は目に見えないだけで蒸気として体から熱が逃げていっているのです。

皮膚表面や息から出る水分量は1日900mlにもなるとされていて、スポーツをしている場合は種目と時間によって失われる水分量はもっと多くなることもあります。

 

 

冬のアウトドアやスポーツで必要な水分量

水分補給 アウトドア

 

冬でも夏と同じように2.5L/日の水分補給量が目安になりますが、それに加えてアウトドアやスポーツで失われた水分補給をすることが好ましいでしょう。

スポーツを行うときの水分補給量は、下記のように推奨されています。

 

 “正確な水分摂取目標量を定めることはむずかしいが、消費エネルギー1000kcalあたりで1Lの水分摂取が一般的に推奨されている量である。”

出典:呉泰雄(2001).新版コンディショニングのスポーツ栄養学 樋口満(編) 水分補給 市村出版 pp.114-126.

 

これは、エネルギーを1,000Kcal消費する場合には、1Lの水分を補給しなければならないという意味です。

マラソンなどで3,000kcal消費した場合には、日常の水分補給に加えて3Lの水分補給が望ましいということです。

運動で1,000kcalというと20km程度のランニングに匹敵します。なかなかそんなハードなスポーツをすることはないかもしれませんが、スキーやスノーボードなどでは、長時間滑ることもあると思います。

長時間の運動では知らず知らずのうちに、体内の水分が蒸発している可能性があるのです。

スキーやスノーボードといったウィンタースポーツの消費カロリーから算出した水分補給の目安は、下記のようになっています。

 

スキー・スノーボードの水分補給量目安は2時間半あたり1L

スキー・スノーボードでは、水分補給の目安は5時間あたり1Lが推奨されます。

これは、運動で安静時の何倍のカロリー消費をしているかを計算する指標であるMETs(メッツ)から導き出されたものです。

スノーボードでは運動強度が約5METsで1時間当たりの消費カロリーは、約350kcalで安静時の5倍消費していることになります。

スキーでは、安静時の7倍ものカロリーを消費し、1時間当たり約450kcalのエネルギー消費をします。

ここから計算すると、スキーやスノーボードの際の水分補給の目安は、2.5時間あたり1Lの消費が望ましいといえます。

1日滑るときのスキー・スノーボードでの水分補給スケジュールは下記を参考に取り組んでみてください。

  1. 滑る前に250mlの水分補給をする
  2. お昼までに750mlの水分を3回程度に分けて水分補給をする
  3. 15時前後までに1Lの水分を4回程度に分けて水分補給をする
  4. 滑り終わった後に500mlの水分を2回程度に分けて部位分補給をする

水分の吸収は15分で250mlが限界とされています。

250mlの水分補給をこまめに行うと水分損失を補うことができますよ。

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Greenfield編集部

【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。