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ウィンドサーフィンのカテゴリーの中で、実践するだけでなく見ることにおいても高い人気を誇るウェイブパフォーマンス。名前の通り波を利用して波乗り(ウェイブライディング)やジャンプ(ウェイブジャンピング)を楽しむスタイルです。今回は、ウェイブライディングについて解説していきます。

ウィンドサーフィン:ウェイブパフォーマンスの誕生

ウィンドサーフィンのウェイブパフォーマンス

出典元:PWAWORLDTOUR.COM

 

ウィンドサーフィンという名称からも分かる通り、サーフィンと同じように波乗りを楽しむことができます。

1968年に誕生してからしばらくは、波に乗ることではなく、あくまで風や波が穏やかな入り江などでセイリングすることが目的でした。

最初の道具名であるウインドサーファーという言葉は、ウィンドサーフィンという言葉とともにそのとき商標登録されたこともあり、このスポーツの名称として定着していきましたが、決して波乗りをするための道具ではなかったのです。

ウェイブライディングやジャンピングを楽しむようになったのはそれから10年後、強風や荒波のコンディションになることが多いハワイ・オアフ島で始まりました。

それと同時にサーフボードにセイルを取付けたり、セイルの引き込みを補助するために着用するハーネスが誕生するなど、ライディングやジャンピングにふさわしい道具や技術の開発もスタートしました。

この頃のウィンドサーフィンのテーマは、強風・荒波というコンディションの克服です。

そしてこのテーマをウェイブパフォーマンスが牽引する形で、この後のウィンドサーフィンの本格的な拡大・発展が始まったのです。

 

 

サーフィンとは違うウェイブライディングにおけるメリット

ウィンドサーフィンのウェイブパフォーマンス

出典元:PWAWORLDTOUR.COM

 

ウェイブライディング(波乗り)を楽しむスポーツの代名詞はサーフィンですが、ウィンドサーフィンで行うそれと、どのような点が違うのでしょうか?

ウィンドサーフィンでのウェイブライディングの最大の特徴は、セイルというエンジンがあることです。

風のパワーは使いますが、感覚的に“波に乗っている感”を損なうことはありません。

セイルがあることで、風が強ければ高い推進力を持ちます。

そのため、波だけでなく風のパワーも使えることになり、ライディング中のスピードがアップします。

これによりマニューバー(波乗り中の軌跡)の質が大きく向上し、サーフィンでは難易度が高いエアリアル(ライディング中に空中に飛び出すこと)が楽に過激に行えるようになるのです。

また、テイクオフ(波に乗せること)の回数も増え、失敗も少なくなります。

さらに、海面の広い範囲を自由に速いスピードで移動でき、SUPと同じように立ち姿勢のため広い視野が確保されるため、波の選択にも高いアドバンテージがあります。

そして何よりもサーフィンでボード上に腹這いになって行うパドリングの必要がないことです。

パドリングからの解放は、沖に出ることが簡単になるだけでなく、頭から濡れる確率が低くなるメリットもあります。

 

ウィンドサーフィンのいろいろなウェイブライディングのマニューバー

ウィンドサーフィンのウェイブパフォーマンス

出典元:PWAWORLDTOUR.COM

 

マニューバーとは、前述のように波乗り中の軌跡という意味だけではなく、フリースタイルにおけるトリックと同じように技という意味で使う時もあり、ここではその意味で使います。

 

基本的なマニューバー

ウィンドサーフィンのウェイブパフォーマンス

出典元:PWAWORLDTOUR.COM

 

まずはサーフィンと共通の、基本的なライディングのマニューバーです。

  • トップターン、ボトムターン……波の上部(トップ)、波の底部(ボトム)でのターン
  • オフザリップ……波の最上部の切り立った縁(リップ)でのターン。リッピングともいう
  • ローラーコースター……オフザリップのときに、波のブレイク(崩れること)といっしょに下りてくること
  • カットバック……ライディング中に離れてしまった波のパワースポット(リップやブレイクポイント)に戻ること
  • スラッシュバック……大きくスプレー(飛沫)を飛ばすオフザリップ
  • スリーシックスティ……トップターンやオフザリップ時に360度回ること
  • エアボーン……オフザリップやローラーコースターのときに空中に飛び出すこと

 

オリジナル マニューバー

ウィンドサーフィンのウェイブパフォーマンス

出典元:PWAWORLDTOUR.COM

 

次はウィンドサーフィンならではのマニューバーです。

  • ジャイブテイクオフ……風下回りの方向変換(ジャイブ)をして波に乗り始めること。
  • 他に多くのバリエーションがある
  • ツイステッドエアー……エアボーンのときに空中でボードを捻ること
  • グースクリュー……スリーシックスティのこと、ウィンドサーフィンの場合はボードだけでなく同時にセイルも回転させる必要がある
  • ゴイター……グースクリューの逆回転版。グースクリューは波に乗り、ボトムターンからリップに上がる流れ(ここまでで180度回転)の延長で、さらに半回転して360度回るが、ゴイターはリップに上がったところから逆方向にセイルとともに360度回転しながら波を下りてくる
  • リップループ……エアボーンのように空中に飛び出し、前方1回転して下りる
  • シャーベット……バックサイド(波を背にして乗る方向)でのトップターンやオフザリップのときに、セイルを大きく前に倒してセイルの裏面に風をはらませて鋭いターンをすること

このほかにもマニューバーはまだ存在します。

また、コンディションによってはフリースタイルのトリックをライディング中に披露することもあるため、マニューバーのバラエティは非常に豊富です。

 

 

一番大きな波に自力で乗ることができるスポーツは、風さえ吹いていればウィンドサーフィンであると言われています。また10mクラスの大波の中で最も安全な乗り物とも言われています。ご紹介したようにサーフィンでは不可能なマニューバーも多く存在し、ウィンドサーフィンは波乗りの常識、広くはセイルスポーツの概念そのものも大きく覆しました。まさにセイルスポーツ究極の進化形のひとつの姿が、ウィンドサーフィンにおけるウェイブライディングなのです。

ライター

Greenfield編集部

【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。