塩の町サリーナス・デ・トレビアハでのチームタイムトライアル、第1ステージ
今年のブエルタ・エスパ―ニャはバレンシア地方の南部のアリカンテ周辺が序盤の舞台となりました。
第1ステージの舞台となったトレビエハの名物は塩。
雪山と見間違うような、白く巨大な塩山の足元が、選手たちのスタート地点となります。
この日のチームタイムトライアルのコースは街中を走るもの。
見通しのきかないカーブが、立て続けに選手たちの前に現れます。
加えて、この町は海辺の町。
風の影響は避けられません。
とくに最後の直線は、選手たちに強烈な向かい風が襲いかかります。
こうしたコース条件ため、選手たちは数日前から試走を繰り返していました。
そして、レース当日。
念入りな試走にもかかわらず、UAEエミレーツと、この日の優勝候補と目されていたジュンボ・ビズマの2チームがレース中に転倒します。
それに加えて、選手の転倒こそなかったものの、エウスカディ・バスク・カントリー・ムーリアスのチームカーがコースアウトし、道路脇の壁に激突するという事故も発生しました。
波乱の幕開けとなったこの第1ステージを制したのは、いつも通り実力を発揮したアスタナ。
登りに強いスペイン人主体のチームでしたが、まず、この第1ステージで勝利を手にしました。
なお、この日レースがスタートしたのは、スペイン時間の午後7時。
その時点で気温は30度越えという気温でした。
総合上位を狙う選手たちが動いた第2ステージ
第2ステージは、アリカンテからほど近いリゾート地のベニドルムから東のカルペに向かうコース。
2日目にして、すでに200㎞近くの距離のコースとなります。
加えて、この日は山がちの道を走るコース。
選手たちのスタートは昼の12時。
ベニドルムには、数多くの観客が詰めかけます。
この日のコースは前半に2級及び3級山岳があり、後半にも3級山岳がそびえるというもの。
レース前は、ステージ優勝を狙うクライマーがレース展開のカギを握ると考えられていましたが、積極的にレースを動かしたのは総合優勝を狙う選手たちでした。
ゴールまで20㎞を切った時点で、総合優勝を狙うナイロ・キンタナ選手やリゴベルト・ウラン選手が先頭集団を形成します。
最終的にこのステージで優勝したのは、モービースターのキンタナ選手。
第2ステージにして、さっそく総合優勝を狙う選手がステージ優勝を遂げました。
リーダージャージを手にしたのは、サンウエブのニコラ・ロッシュ選手。
スペインのレースは何度も走っているベテランなので、観客からも大きな拍手が送られます。
この日のゴール地点は少し風があったものの、選手たちが到着した時点で気温は40度近くをさしていました。
加えて海辺でのレースのため湿度が高く、選手のなかには若干の呼吸困難になっている人も見受けられました。
数少ないスプリンターの勝利のチャンス、第3ステージ
第3ステージは内陸のイビから、アリカンテ市内に向かうコース。
前日の第2ステージのコースのような厳しい登りもなく、スプリンター向けのコースです。
今年のブエルタ・エスパ―ニャは別名「スプリンター殺し」と呼ばれているほど、山岳が主体のコース設定です。
そのため、この日のような平坦ステージは、ステージ優勝を狙うスプリンターにとって非常に貴重な機会でしょう。
この日、各チームのスプリンターは気合十分でレースに挑みました。
しかし、そうしたスプリンターの中で、唯一さえない表情でスタート前のサイン台に現れたのは、UAEエミレーツのスプリンターである、フェルナンド・ガビリア選手。
初日のチームトライアルで落車した影響が今だに残る同選手は、この日チームメートに支えられながら終始集団の後方でレースを進めました。
しかし、この日のレース自体は順調に進みます。
総合上位を目指す選手が不必要な力を使わないまま、アリカンテの市内に集団が入り、そこで迎えた集団スプリント合戦。
この日のステージを制したのはボーラ・ハンズグロエのアイルランド人スプリンターのサム・ベネット選手でした。
この日もリーダージャージを守ったニコラ・ロッシュ選手もアイルランド人。
アリカンテステージの最後は、アイルランド人サイクリストの活躍で幕を閉じることになりました。
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ライター
Greenfield編集部
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