忙しい毎日で、料理に時間をかけられないことも多く、調味料を余らせがち。そんな悩みを解決するのが「麹」です。味付けがシンプルにひとつで決まり、時短・健康・サステナブルを同時に叶えてくれる万能調味料・麹。実際に私が暮らしの中で感じた魅力や活用法を、体験談を交えて紹介します。
麹とは?

麹とは、蒸した米や麦、大豆などに麹菌を繁殖させた発酵食品の基盤となるものです。日本では古くから味噌や醤油、みりんなどの製造に欠かせない存在として親しまれてきました。
麹の発酵過程で生まれる酵素は食材の旨味を引き出し、消化を助ける働きもあります。最近では健康志向やサステナブルな暮らしへの関心が高まり、自宅で塩麹や醤油麹を仕込む人も増えています。
麹を生活に取り入れることで得られるメリット

甘味や旨味を自然に引き出せる麹は、料理をよりおいしく整える力があります。ここからは、日々の調理や暮らしに役立つポイントを見ていきましょう。
時短で味付けがまとまる
共働き二人暮らしの我が家では、帰宅が遅く料理に十分な時間をかけられませんでした。調味料をいくつも組み合わせて味を整えるのは大変で、疲れている日は外食に頼ってしまうことも。
そんなときにで出会った麹は、まさに救世主!塩麹に漬けた鶏肉を焼くだけで驚くほどジューシーに仕上がり、醤油麹を加えた炒め物も自然に味がまとまります。調味料をあれこれ出さなくても「麹ひとつ」で十分。味付けの手間がぐっと減り、料理がシンプルになりました。
腸活・美肌など健康効果が期待できる
麹の酵素は消化を助け、腸内環境を整える働きがあるとされ、私は続けるうちに便通が良くなり、肌荒れも減りました。さらに、麹にはビタミンB群やアミノ酸が豊富に含まれ、免疫力アップや疲労回復も期待されています。
とくに甘酒の素となる甘麹には自然な甘みがあり、一口で甘みを感じられるため、ストレスによる暴飲暴食も抑えてくれます。
食品ロス削減と環境配慮
麹に塩と水を加えて発酵・熟成させた塩麹や、麹と醤油を混ぜて発酵させた醤油麹は冷蔵庫で2〜3か月保存できるため、調味料を使い切れずに賞味期限が過ぎてしまう心配が減りました。
また、麹を中心に使うようになってからは購入頻度も減少。プラスチック容器のゴミが減り、食品ロス削減と環境配慮の両面でプラスの効果を実感しています。
麹を使ったおすすめ活用法

色々なメリットが得られる麹。では実際にどう取り入れていけばいいのでしょうか。ここでは私がおすすめする活用レシピを紹介します。
忙しい日の救世主!「塩麹×お肉」
鶏肉や豚肉を塩麹に30分程度漬け込んで焼くだけで、柔らかくジューシーに仕上がります。冷めても美味しいのでお弁当のおかずにもぴったりです。
1.乾燥麹200gと水300ml、塩60gをポリ袋などアルコール消毒した容器に入れてよく混ぜる
2.(常温発酵の場合:)1日1回かき混ぜ、1〜2週間発酵させたら完成
(ヨーグルトメーカーを使用する場合:)温度を60℃に設定し、タイマーを6時間にセットし発酵したら完成
コク深く仕上げる「醤油麹×炒め物」
野菜炒めに醤油麹をスプーン1杯程度加えると、深みとコクがプラスされます。煮物やスープの隠し味としても優秀で、料理全体の味が引き締まります。
1.乾燥麹200gと水100ml、醤油300mlをポリ袋などアルコール消毒した容器に入れてよく混ぜる
2.塩麹と同じように発酵させて完成
甘みを満たす「甘麹×おやつ」
甘いものが欲しくなったら、甘麹をそのままひと口。自然な甘みで満足感が得られ、砂糖の摂りすぎやお菓子の食べすぎ防止に役立ちます。
ヨーグルトに混ぜたり、スムージーや無糖のプロテインに加えたり、アレンジの幅も広がります。
1.乾燥麹200gと水300mlをポリ袋などアルコール消毒した容器に入れてよく混ぜる
2.塩麹と同じように発酵させて完成
習慣化するコツ
私が毎日麹を口にできるのは、日々の料理に無理なく麹を取り入れたから。ここからは、継続のコツやアウトドアで楽しむ方法を見ていきましょう。
見た目で気分を上げる工夫
麹を続けるためには「気分が上がる仕掛け」をつくることが大切。
私は仕込んだ麹をお気に入りのガラス容器に保存しています。冷蔵庫を開けたときに目に入ると自然に手が伸び、「今日はどの麹を使おう」と、モチベーションにつながっています。
麹で調味料を置き換える
砂糖の代わりに甘麹を使えば、自然な甘みを感じられ、罪悪感なく甘味欲を満たせます。私自身、続けているうちに「甘麹があればお菓子はなくてもいいかな」と思えるように。
今では醤油を醤油麹に、にんにくチューブをにんにくと塩を麹に加えて発酵させたにんにく麹」に置き換えるなど、少しずつつ調味料の幅を広げています。最近はフードプロセッサーでペースト状にした玉ねぎに麹を加えた「玉ねぎ麹」をドレッシングに使ったり、トマトと塩で作る「トマト麹」をケチャップ代わりに使うことも増えました。
1. 乾燥麹100g~200gと玉ねぎ1~2個をフードプロセッサーでペースト状にする
2. ポリ袋などアルコール消毒した容器に入れる
3. 塩麹と同じように発酵させて完成
1. 乾燥麹100g~200gとトマト1~2個、塩30gをフードプロセッサーでペースト状にする
2. ポリ袋などアルコール消毒した容器に入れる
3. 塩麹と同じように発酵させて完成
アウトドアでの活用術

麹はキャンプや海釣りなどアウトドアでも頼れる存在です。夏は水に麹を加えた「レモン麹水」で爽やかに。冬は甘麹を使った甘酒で体を温めます。どちらもアウトドアシーンでの水分・栄養補給に最適です。
料理では、肉を醤油麹と玉ねぎ麹で漬け込んでから焼くのがお気に入り。下味がしっかりついて柔らかく仕上がり、炭火で焼くと香ばしさと旨味が際立ちます。調味料をいくつも持っていく必要がなく、荷物も減らせるのでアウトドア調理との相性も抜群です。
1. 乾燥麹を100g程度計り、だし用パックの袋に入れる
2. ピッチャーなどに水500ml〜1000mlと乾燥麹パックを入れ、一晩置く
3. 飲む前にレモン汁または薄切りにしたレモンを入れたら完成
4. だしパックの麹は500mlで2、3回分使用できるため再利用
1. 甘麹を飲みたい分注ぎ、お湯で割ったら完成
麹は、特別なスキルがなくても、日々の食事に自然な美味しさと健康をプラスしてくれます。味付けや調理の手間を減らしながら、腸活や甘いものの欲求コントロールにも役立つのが魅力です。今日から冷蔵庫に一瓶置くだけで、毎日の食卓はぐっとラクになり、体にも地球にもやさしい暮らしが始められます。まずは小さな一歩から、麹のある生活を楽しんでみてくださいね。
ライター
Tomoyo
海や川、そして食べることが大好きです!特に海が好きで釣り歴は10年。週末は夫婦で東京湾へ出かけ、小型船舶免許を活かして操船にも挑戦中。自然食など心と身体にやさしい暮らしを、日々楽しみながら取り入れています。大自然の中で過ごす時間が、何よりの癒しです。