黄色い可憐なミツマタを見たくて、手軽にハイキングができる東丹沢の不動尻渓谷に行ってきました。駐車場から約1時間でかわいらしいミツマタを観賞できる群生地です。広場でミツマタを眺めながらランチをしたり、渓谷や不動の滝もあるので散策するのもおすすめです。子どもやワンちゃんと一緒に行ける不動尻ミツマタ大群生地のハイキングコースを紹介します。
春の訪れを感じよう!不動尻ミツマタ大群生地
不動尻渓谷は神奈川県で最大規模のミツマタ群生地で、東丹沢の七沢に位置しています。筆者は登山を始めるまで、こんなにかわいい花があることを知りませんでした。どんな花なのか見てみましょう。
ミツマタってどんな花?
ミツマタは、枝の先に黄色い小さな花が寄り添って半球形に咲く、ポンポンのような花です。どの枝先も3つに分かれていることから「ミツマタ」と名付けられました。漢字では「三椏・三枝・三又」と書きます。
神奈川県内では不動尻渓谷のほかに、西丹沢権現岳周辺・札掛(さつかけ)・蓑毛(みのげ)・大山などに生育しています。開花時期は、3月中旬から4月上旬ごろ。その年によって変わりますが、不動尻渓谷では例年20日前後が最盛期です。
また、ミツマタの樹皮は高級和紙や紙幣の原料となるため重宝されています。
基本情報
駐車場やバス停から1時間ちょっとのハイキングです。道はしっかり舗装され、老若男女問わず歩きやすいでしょう。トイレが駐車場・コースの途中・広場付近にあるので、オムツが外れたばかりの小さい子ども連れでもトイレの心配がいりません。自然を感じながら心地よく歩けますよ。
また、丹沢はヤマヒルが出ます。気温が20度以上で雨か雨上がりの天候時には活発になるため注意しましょう。
日程 | 日帰り |
コース距離 | 約3.5km ※ミツマタ群生地までの片道 |
コースタイム | 1時間10分〜30分 |
ミツマタ開花時期 | 3月中旬〜4月上旬 |
開花情報・公式サイト | 厚木市観光協会・あつぎ観光ナビ |
アクセス
公共交通機関と車でのアクセス方法を紹介します。
公共交通機関
① | JR相模線「厚木駅」下車、厚木バスセンター9番バス乗り場から七沢行き「厚33」「厚34」で約29分、「広沢寺温泉入り口」下車 |
② | JR相模線「厚木駅」下車、厚木バスセンター9番バス乗り場から広沢寺温泉行き「厚38」で約40分、「広沢寺温泉」下車(本数少ないので注意しましょう) |
③ | 小田急小田原線「伊勢原駅」下車、伊勢原駅北口3番バス乗り場から七沢行き「伊31」「伊34」「伊36」で約25分、「広沢寺温泉入り口」で下車 |
車
① | 東名「厚木IC」〜「広沢寺前駐車場」約21分(8.7km) |
② | 新東名「伊勢原大山IC」〜「広沢寺前駐車場」約13分(6.1km) |
ミツマタの群生を求めて!のんびりハイク体験記
3月の中旬に訪れた、不動尻ミツマタ大群生地のコースや詳細を紹介します。約1時間の道のりでしたが、ミツマタ以外にも見どころがあり、かなり楽しめました。
広沢寺温泉駐車場〜山神トンネル
筆者はマイカーで広沢寺温泉駐車場へ向かいました。駐車場の開場時間が8時からだったのですが、渋滞や混雑を考慮して7時半に到着。すでに第1駐車場は満車で、臨時駐車場にギリギリ停められました。
事前に観光案内のホームページなどをチェックしたときは、ミツマタの時期は早く開場するという情報は出ていませんでした。駐車場の人に聞いてみたところ、週末で早くから混雑したため早めに開場されたようです。ただし、入れ替えも早そうなので、そこまで急がなくても問題なさそうでした。
臨時駐車場から広沢寺温泉駐車場まで10分ほどです。コース沿いにトイレはいくつかありますが、使用できない箇所もあったので、駐車場で済ませておくとよいでしょう。
なだらかな坂を歩いていくと左手に愛宕社(あたごしゃ)が見えてきます。お参りしてから群生地まで行く人も多かったですよ。
大平橋や大平石切場跡、山林ゲートを過ぎれば山の神トンネルです。中は真っ暗で意外と長いので、子どもやワンちゃんが一緒のときは、手やリードをしっかりつなぎましょう。
ミツマタが咲き誇る不動尻広場
トンネルを抜けると、渓谷を流れる谷太郎川のせせらぎを聞きながら気持ちのよいハイキングができます。
橋を渡ると一面にミツマタの群生が咲き誇り、近くに行くと甘い香りに包まれます。
広場から大山へ抜ける山道にもミツマタが咲いていて、上から眺めるミツマタは白く、また違った美しさがありました。
広場にはテーブルと椅子がいくつかあり、お菓子を広げてミツマタを愛でる家族や、友達同士でお誕生日会をしているグループもいました。お昼を目指して、ランチをするのもいいですね。
セラドナイトが見られる不動の滝
広場から少し上がったところにある不動の滝にも寄ってみました。高さはそれほどありませんが、勢いよく流れおちる姿は迫力満点。マイナスイオンを浴びてリフレッシュできました。
また、滝の周りには水に濡れるとエメラルドグリーンに光るセラドナイト(セラドン石)※があるので、子どもと一緒に探してみると楽しいでしょう。
※セラドナイト…粘土鉱物の集合体で、緑色や青白色の鉱物。火山灰や溶岩が変質してできた岩石に含まれている
ライター
yuki
幼少期からキャンプや釣り、スキーなどを楽しむアウトドアファミリーで育つ。10代後半は1人旅にハマりヨーロッパや北米を中心としたトラベラー期となる。現在もスキー、スノーボード、ダイビングなど海や山で活動中。「愛する登山」は低山から厳冬期の雪山まで季節問わず楽しむhike&snowrideなスタイル。お気に入りの山は立山連峰!Greenfield登山部/部長の任命を受け部活動と執筆活動に奮闘中。