冬はコロナウィルスやインフルエンザ・マイコプラズマ肺炎などが流行しがち。無理なく続けられる健康習慣を取り入れることは重要です。本記事では、発酵食品マイスターを持つ筆者が「発酵食品」の持つ健康メリットを詳しく解説し、日常に取り入れやすい食品を紹介します。

発酵食品を毎日摂取することで得られる健康メリット

発酵食品、健康

発酵食品は微生物の働きによって栄養価が向上し消化しやすくなるだけでなく、免疫力向上や生活習慣病の予防など、多くの健康効果をもたらします。ここでは、その代表的な健康メリットを5つ紹介します。

免疫力の強化

腸は免疫機能も担っており、腸内環境の整備が免疫力向上のポイントのひとつです。

発酵食品に含まれる乳酸菌や納豆菌は、腸内の善玉菌を増やし、悪玉菌の増殖を抑制。そして、ウイルスや細菌への抵抗力が高まり、風邪や感染症への免疫力を向上します。冬場のインフルエンザなどがはやる前に、積極的に取り入れたい食品ですね。

栄養価の向上

発酵によって食材の栄養価は向上します。たとえば、大豆を発酵させた納豆には、ビタミンK2が豊富に含まれ、骨の健康維持に貢献します。

また、発酵により消化しやすくなるため、栄養素の吸収率が高まり、体内に効率的に取り込めるのも大きなメリットです。発酵食品を日常的に摂取できれば、より栄養バランスの取れた食卓が実現しますね。

消化吸収の促進

発酵食品には酵素が豊富に含まれており、消化を助ける働きがあります。たとえば、味噌や醤油麹には消化酵素が多く含まれ、胃腸の負担を軽減してくれます。

また、腸内環境を改善すれば便通が良くなり、便秘の予防やデトックス効果も期待できます。とくに、脂っこい食事が多い人や、胃もたれしやすい人には特にオススメです!

生活習慣病の予防

発酵食品の持つ抗酸化作用や腸内環境の改善効果により、高血圧や糖尿病などの生活習慣病のリスクを抑えられるかもしれません。

たとえば、納豆に含まれるナットウキナーゼは、血液をサラサラにする効果があり、動脈硬化の予防に有効です。また、キムチに含まれるカプサイシンは、脂肪燃焼の手助けをします。

ストレス軽減

発酵食品に含まれる乳酸菌やGABA(ギャバ)といった成分は、自律神経を整え、リラックス効果をもたらします。とくに、腸内環境が整えると「幸せホルモン」とも呼ばれるセロトニンの分泌が促進され、ストレスや不安感の軽減につながるそうです。

仕事でのプレッシャーや睡眠の質アップにもつながるため、現代のストレス社会において積極的に取り入れたい食品のひとつですね。

発酵食品の一例を効果とともにご紹介!

発酵食品、健康

発酵食品にはさまざまな種類がありますが、今回はとくに健康効果が高く、日常生活に取り入れやすいものを5つピックアップしました。

免疫力アップ!大豆を発酵させた「味噌」

味噌は日本の伝統的な発酵食品のひとつで、大豆を発酵させることで栄養価が上がります。とくに乳酸菌や麹菌が豊富に含まれており、腸内環境を整え免疫力を高めます

また、味噌汁として摂取すれば、体を温めながら栄養補給が可能。きゅうりやキャベツなどの生野菜にそのままつけて食べると、簡単に栄養も取れますね。

毎日の献立に!血液サラサラ「納豆」

納豆に含まれるナットウキナーゼは、血栓を溶かし血流を改善する作用があるため、高血圧や動脈硬化の予防に役立ちます。さらに、食物繊維やタンパク質も豊富なため、朝食に取り入れることでエネルギー補給にも最適です。

私も毎日の献立に納豆を加えており、とくにオーガニック(有機)納豆がオススメ!粒が大きく、味付けなしでも納豆のうま味と食感がダイレクトに伝わってきます。

ダイエット効果に期待できるかも!「キムチ」

キムチには腸内環境を整える乳酸菌と、脂肪燃焼を促進するカプサイシンが含まれています。そのため、基礎代謝を向上させ、ダイエット効果が期待できるでしょう。

また、ビタミンB群も豊富で、疲労回復や肌の健康維持にも貢献します。食事に少量ずつ取り入れれば、健康的に体重管理できますね。納豆と組み合わせた「納豆キムチ」として食べてもおいしいですよ。

疲労回復をサポート!「かつお節」

かつお節には「荒節」「枯節」「本枯節」という3種類があり、中でも「枯節」「本枯節」は発酵食品としての特性を持っています。これは、製造過程でカビ付けを行い、微生物の力を借りて熟成させるためです。カビ付けによって余分な水分が抜け、タンパク質が分解されることで、より深いうま味と栄養価が引き出されます。

また、かつお節はアミノ酸やイノシン酸といった旨味成分が豊富に含まれ、疲労回復をサポートする食品。運動後やストレスが溜まっているときには、かつお節を使っただしを摂取すると、身体のリカバリーを助ける効果が期待できます。うどんや味噌汁に加えれば、うま味と栄養を同時に摂取できるため、手軽に取り入れられるのも魅力ですね。昆布との相性もよく、うま味の相乗効果が生まれます。

私は、かつお節と昆布で出汁を取った味噌汁をオススメです。旨みたっぷりで、減塩タイプの味噌でも味わい深く仕上がりますよ。

消化吸収の促進と深い味わい付与「醤油麹」

発酵食品、健康

醤油麹は消化酵素を多く含むため、胃腸の働きを助けます。また、料理に加えるとうま味が増し、減塩効果も期待できる発酵食品です。

肉や魚の漬け込みに使用すると消化しやすくなるため、消化の負担が減ります。作り方も簡単で、市販の米麹と醤油を混ぜ合わせて冷蔵庫で1ヶ月程度保管するだけ。豚肉に醤油麹を漬け込んだら、翌日にはほっぺたが落ちるほどおいしい料理の完成です。ぜひ気軽にトライしてみてください!

免疫力向上や消化吸収の促進・生活習慣病の予防など、発酵食品は多くのメリットを持ち、無理なく日常に取り入れられます。とくに、味噌や納豆・キムチは手軽に摂取でき、健康効果も高い食品といえるでしょう。これを機に発酵食品を積極的に取り入れ、健康的な食生活を実践してみてはいかがでしょうか?

参考元
新谷酵素
発酵食大学
ヤマキ
みんなの発酵BLEND

ライター

pei3

1990年生まれ。海が大好きで、宮古島によくいます。幼い時からスキーを主にしたファミリーキャンプに出かけ、大学時代には川下りや登山・西表島の縦走など47都道府県に行った経験あり。

料理が好きなので、平日は食品メーカーで開発し、週末は身体に優しいマクロビオティックの食事を研究中です。食品表示検定中級・発酵食品マイスターの資格を持つ。