「お酒を楽しみながら健康を維持したい」そんな願いを叶えるのが「発酵食品」です。お酒と相性の良い発酵食品を取り入れれば、味わいの相乗効果を楽しみながら消化の促進や飲みすぎ防止といった健康メリットも得られますよ。
発酵食品がお酒と相性抜群な理由
発酵食品とお酒は、味わいだけでなく健康面でも相性が抜群です。ここでは、その理由をくわしくみていきましょう。
風味の調和が生む「おいしさの相乗効果」
発酵食品は、熟成によって生まれる深いコクや旨みが特徴。お酒の持つ風味と合わさると、より豊かな味わいが楽しめますね。たとえば、日本酒の米の甘みと発酵チーズの塩気が絶妙にマッチするように、発酵食品はお酒のおいしさを引き立てる存在になるでしょう。
さらに、発酵食品に含まれるアミノ酸や酵母が、お酒の風味をより一層引き立て、後味のバランスを整えてくれます。また、シンプルな調理でも極上の味わいを引き出すことが可能です。
消化を助ける発酵食品の働き
発酵食品には、乳酸菌や酵母・酵素などの有用成分が豊富に含まれてます。これらが腸内の善玉菌を増やして胃腸の働きをサポートし、食べ物の消化をスムーズにしてくれます。
また、アルコールはどうしても胃に負担をかけやすいですが、発酵食品の組み合わせで腸内環境を整え、飲酒による体へのダメージを軽減するのがポイント。さらに、発酵によって生まれる独特の酸味や旨みが食欲を刺激し、自然と食事の量や質を調整しやすくなる効果も期待できますね。
飲みすぎを防ぐ発酵食品の満足感
長時間の熟成によって生まれる濃厚な旨みや、乳酸菌の働きがもたらす爽やかな酸味など、少量でも満足感を得やすいのも魅力。こうした味わいの深みがあるおつまみを取り入れると、自然とお酒のペースが落ちて飲みすぎの予防につながるかもしれません。
また、食感や香りが豊かな発酵食品は、舌や鼻への刺激を増やして「もう少し食べたい」「もっと飲みたい」という欲求を落ち着かせる効果も期待できます。その結果、無理に制限せずにお酒の量をうまくコントロールできるでしょう。
飲酒習慣を健康的にする発酵食品活用法
発酵食品を食事の一部に取り入れると、飲みの場をより健康的にできるでしょう。ここでは、日常的に取り入れやすい方法をご紹介します。
お酒と一緒に食べたい発酵食品メニュー
酒粕漬けの焼き魚 | 酒粕のまろやかな香りと酒感が、魚の旨みをぐっと凝縮してくれます。さらに、酒粕に含まれる酵素が肝臓の働きを助ける効果にも期待でき、一石二鳥のメニューです。 |
納豆+チーズのせクラッカー | 発酵食品同士の組み合わせで旨みが相乗的に深まり、腸内環境の改善にも役立つでしょう。簡単に作れ、栄養価が高いのも魅力的ですね。 |
豚肉とキムチの炒めもの | キムチの唐辛子成分が代謝を高め、豚肉の豊富なたんぱく質で疲労回復をサポート。発酵食品のメリットをおいしく取り入れながら、満腹感を得られる一品といえるでしょう。 |
習慣化しやすい発酵食品の摂取タイミング
お酒を飲む前にヨーグルトを食べると、乳酸菌が胃粘膜を保護してくれます。また、納豆や漬物など食物繊維が豊富な発酵食品をおつまみとしてプラスすれば、胃腸の負担を軽減しやすくなるでしょう。
さらに、飲み終わったあとに味噌汁を飲めば、味噌に含まれる成分によって肝臓をサポートし、翌朝の不快感を軽減する助けになります。こうしたタイミングを意識するだけで、二日酔いリスクの軽減につながるでしょう。
また、乳酸菌発酵した酒粕を摂取するとうれしい効果が。飲酒後の呼気アルコール濃度や血中アルコール濃度、悪酔いや二日酔いの原因物質アセトアルデヒド濃度を低減させるそうです。酒粕漬けの魚を食べれば、二日酔いへの対策効果が期待できるかもしれません。
おすすめのペアリングとその魅力
発酵食品をお酒と組み合わせることで、味わいの幅が広がります。ここでは、お酒ごとのおすすめペアリングをご紹介します。
【日本酒×味噌漬けチーズ】旨みが引き立つ絶妙コンビ
日本酒の柔らかい甘みと、味噌のコクや塩味の際立つチーズが絡み合って味の相乗効果を引き出します。とくにクリームチーズやカマンベールを味噌に漬けると、しっかりと風味が移り、日本酒との相性が抜群!
またチーズの濃厚さが日本酒の軽やかな飲み口を引き締めて後味をすっきりとまとめてくれるため、ついついお酒が進みますね。「和と洋」の見事な融合を楽しめる、筆者イチオシのペアリングです。作り方も簡単なので、ぜひ試してみてくださいね。
- 味噌とみりんを混ぜ合わせておく
- 1.の味噌とみりんを電子レンジで1分温める(※しっかり水分を飛ばす)
- 2.にチーズを混ぜ合わせて、冷蔵庫で1日冷やして完成!
【ビール×ザワークラウト】さっぱり爽快な組み合わせ
酸味が効いたザワークラウトは、ビールの炭酸による爽快感と相まって、口の中をさっぱりとリフレッシュさせる絶妙な組み合わせです。とくに、揚げ物やソーセージなど脂っこい料理と一緒に楽しむとよいでしょう。
ザワークラウトの酸味が油をほどよく流してくれるので、重たさをあまり感じず食欲が減退しません。さらに、発酵によって生まれる独特の風味がビールの苦味を和らげながらもコクを引き立て、バランスのよい味わい。パーティーやバーベキューでも活躍する、お手軽ペアリングです。
【焼酎×ぬか漬け】塩味と発酵の深みが絶品
すっきりとした口当たりの焼酎に、ぬか漬け特有の塩味や発酵由来の香りがマッチし、あとを引く深い味わい。きゅうりやかぶのような野菜のぬか漬けは、焼酎特有の香りを和らげ、切れ味をより一層引き立ててくれるのがポイント。
ぬか漬けはご家庭でも簡単に作れるため、ぬか床に新鮮な野菜を漬けておけば、いつでも用意できますね。また、ぬか漬けには乳酸菌やビタミン類が豊富に含まれているので、健康面から見てもうれしいメリットがあります。塩分には気をつけてほしいですが、箸が止まらない一品です!
ライター
pei3
1990年生まれ。海が大好きで、宮古島によくいます。幼い時からスキーを主にしたファミリーキャンプに出かけ、大学時代には川下りや登山・西表島の縦走など47都道府県に行った経験あり。
料理が好きなので、平日は食品メーカーで開発し、週末は身体に優しいマクロビオティックの食事を研究中です。食品表示検定中級・発酵食品マイスターの資格を持つ。